ニュース&トピックス

団地×アートのコミュニティ拠点「Studio 04」からフリーマガジン創刊! 隣りあう人たちの声を聞く『住んでる』全4号
書籍・アーカイブ紹介

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 団地×アートのコミュニティ拠点「Studio 04」からフリーマガジン創刊! 隣りあう人たちの声を聞く『住んでる』全4号

【画像】マガジンの表紙。住んでる、の文字の下に、団地のイラストを背景に、多様な人が行き交うさまが表れている
発行者:UR都市機構/企画・編集:一般社団法人NOOK

団地から生まれたメディア『住んでる(Sunderu)』創刊

高度経済成長期の真っ只中、1968年に入居が始まった東京・江東区の「UR都市機構・大島四丁目団地」。2500もの戸数に現在も4000人ほどが暮らす、この団地に2023年、新たなコミュニティ拠点「Studio04」が誕生しました。

「Studio04」は、東北地方で表現活動を行ってきたアーティストや研究者らによる〈一般社団法人NOOK〉によって運営されています。展覧会やワークショップ、対話の場、勉強会が定期的に開催されるなど、人々が交わる拠点として日々活用されてきました。

2年間の活動を経て、アートの手法を通じた取り組みや団地の風景を記していきたいとの思いから、〈NOOK〉は2026年1月にフリーマガジン『住んでる(Sunderu)』を制作。過去の展覧会やワークショップの資料を紹介するとともに、団地や地域で暮らす人びとの声を起点に街の歴史や日常の営みを多角的に伝えるメディアとして、「Studio04」ほか区内公共施設などで配布を開始しました。Webで、無料公開もされています。

創刊号のテーマは、「東東京、記憶の地層」

『住んでる』創刊号の特集テーマは「東東京、記憶の地層」。江東区における戦前からの埋め立ての歴史をたどり、ゴミ処理とリサイクルを巡る市民運動についてリサーチした展覧会「現代・江東ごみ百鬼夜行」のレポート、落語家・林家三平さんの国策落語の取り組みを掲載しています。

【画像】本誌見開きp4〜5
4面には「特集インタビュー 落語家・林家三平」、5面には「Studio04便り」「わたしも、のと部員です」も

全8面の中には、次回以降も続く連載企画もあります。7面の「とある窓」では、江東区や能登・東北の沿岸部で聞いた生活の語りと、風景が映る「窓」の写真を通して、暮らしの一端が紹介されています。

【画像】本誌見開きp6〜7
6面「江東歳時記リターンズ」には、俳句とエッセイを公募で募集しているコーナーもあります

さらに、地域の食文化を紹介するコーナーや、「Studio04」の運営に携わってきたアーティストの瀬尾夏美さんの短編小説など、複数の視点が交差する幅広いコンテンツが盛りだくさん。

毎号表紙はマンガ家やイラストレーターなどによる描き下ろしイラストを予定しており、創刊号は、東東京エリアに暮らす人々を描いた漫画『東東京区区』(トゥーヴァージンズ)の作者である、かつしかけいたさんのイラストです。

3月に第2号も予定。コミュニティ拠点での記録を記していく

『住んでる』の発行元は、都市の再生と賃貸住宅の管理を行う独立行政法人〈UR都市機構〉。大島四丁目団地を運営する〈UR都市機構〉と、東京都における多様な芸術文化振興事業に取り組む〈アーツカウンシル東京〉、瀬尾さんが代表理事を務め、東日本大震災以降、仙台市内や三陸沿岸各地でリサーチ・記録・表現活動を行ってきたアーティストや研究者らによるコレクティブ〈NOOK〉の3団体の協働により、2023年に開設されたのが「Studio04」です。これまでに団地の住民だけでなく、地域外から訪れる人も含めた多様な人びとが交わる仕掛けをしてきました。

例えば、さまざまなアート手法を用いながら過去の災禍の記録「禍録(カロク)」を読み込み、現在に応用するためのプロジェクト「カロクリサイクル」の実施。創刊号の連載にもなっている、風景が映る窓からライフヒストリーを聞いてまとめた展覧会「とある窓」の展示。さらには東京から能登を応援したい人たちが自主的に集まってくる場として「のと部」を開催するなど、〈NOOK〉の企画により、アートを通じた表現やまちづくりを今なお進めています。

【写真】ガラス張りの広い空間を外から見ている。たくさんの人が展示を眺めている

団地の日常を伝えつつ、さまざまな切り口で「隣りあって暮らす人」の声と声をつなげようと生まれた今回の『住んでる』。〈NOOK〉が制作を行い、紙版は「Studio04」ほか区内の公共施設や店舗、文化施設にて配布され、あわせてPDF版がオンラインで公開されています。団地を訪れる人だけでなく、遠方に住む人もアクセスできる形をとることで、地域の出来事や声がより広く共有されることを目指しています。

2026年秋までに全4号の発行が予定されており、すでに次号の制作も進行中。東日本大震災をテーマにした企画のほか、表紙イラストは以前に「ケアを感じた漫画」として瀬尾さんが紹介くださった『ベルリンうわの空』の作者・香山哲さんが描き下ろす予定です。

日々の暮らしのなかで積み重なっていく経験や声に目を向け、団地という場から発信するこの試みが、地域を知るためのひとつの入口になり得るかもしれません。気になる方はぜひ、紙版、オンライン、ご自身に合った方法で読んでみてください。