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〈日本財団〉が2023年度「子ども第三の居場所」助成事業の申請を募集中! 子どもたちが安心して過ごせる拠点を全国に
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「子ども第三の居場所」の、さまざまな子どものイラストが入ったイメージ画像

子どもの“生き抜く力”を育む「子ども第三の居場所」を拡大させるプロジェクト

現在、日本全国に「子ども第三の居場所」という拠点が122か所(2022年7月現在)あることをご存じでしょうか。

その拠点とは、家庭環境で困難を抱える子どもなども含めた、さまざまな子どもたちが安心して過ごせ、自己肯定感、人や社会と関わる力、生活習慣、学習習慣など、将来の自立に向けて“生き抜く力”を育める場所のこと。〈公益財団法人 日本財団〉が2016年からそのような拠点の設立を呼びかけ、スタートさせた事業です。

近年、地域のつながりが希薄になり、安心して過ごせる居場所を持てず、孤立してしまう子どもは少なくありません。さまざまな困難に直面している子どもが、「家庭」や「学校」以外で安心して過ごせる「第三の居場所」づくりを〈日本財団〉が毎年呼びかけ、全国に設置されてきました。

さまざまな境遇の子どもたちの言葉を記した「知ってほしい、日本の子どもたちの今」というタイトルの画像

そして現在、2023年度の「子ども第三の居場所」の開設・運営を希望する事業者を募集しています。

〈日本財団〉の助成をうけながら、行政、NPO、市民、企業、研究者など、さまざまなパートナーとの協力体制を整え、誰ひとりとり残されない地域子育てコミュニティをつくることで、「みんなが、みんなの子どもを育てる社会」を目指していきます。

これまでに設立された「子ども第三の居場所」の館内写真

地域の実態に応じて選べる、3つの「運営モデル」とは?

本事業では、子どもたちの孤立しやすい放課後の時間を中心に、家庭や学校以外の場で、信頼できる大人や友だちと安心して過ごし、将来の自立に向けて“生き抜く力”を育む場所づくりを支援します。

そこで〈日本財団〉は、3つの「運営モデル」や、子どもたちへ提供する「5つの機会」を設定。

「5つの機会」の詳細を記したイメージ画像
「子ども第三の居場所」に設定されている、子どもたちの生き抜く力を育むための「5つの機会」。これらを各地域の実態に応じて子どもたちに提供していきます

運営モデルには、「常設ケアモデル」「学習・生活支援モデル」「コミュニティモデル」の3つが用意されています。新規設立を検討する事業者は、このいずれかから地域の実態に応じたモデルを選択し、実施していきます。

「常設ケアモデル」の特徴

経済状況や家庭環境に課題を抱える子どもをサポートするための居場所づくりを行う運営モデルです。

週5日以上開所し、課題を抱える小学生低学年の子ども一人ひとりに丁寧に向き合い、学習支援や基本的な生活習慣を身につけるための生活支援、自己肯定感や好奇心を育む豊かな体験機会の提供などを行います。

想定される申請例として、すでに子どもの居場所事業を行っている方で、自治体と連携しながら運営日数を増やしたいという事業者や、子どもたちが毎日訪れることができる居場所を新設したいという事業者などが対象になります。

「学習・生活支援モデル」の特徴

学習の前提となる学習習慣を身につけさせたり、学齢にあわせた学力習得をサポートすることを目的とした運営モデルです。

すでに市から受託した事業や自主事業として学習支援事業を行っている団体が、課題を抱える小学生低学年を中心とする子どもを対象に、週3日以上開所し、学習支援を行います。それに加えて、食事や歯磨きといった基本的な生活習慣を身につけるための支援なども行います。

週末に中学生への学習支援事業を行っているが、平日に小学生の生活支援事業を行いたいという事業者や、学童保育を運営しているなかで、特定の曜日に開所時間を延長し、生活困窮世帯の小学生に学習支援や夕食支援を行いたいという事業者に向けたモデルとなっています。

「コミュニティモデル」の特徴

子どもたちが気軽に立ち寄れる居場所を週3日以上開所し、地域の多世代との交流を通じて、人と関わる力や自己肯定感を育むとともに、課題を抱える子どもの早期発見や、見守りを行う運営モデルです。

カフェなどを営業しているなかで、空いているスペースを子どもたちや地域の高齢者の居場所として活用したいという事業者や、「子ども食堂」の実施頻度を増やしたいという事業者、空き家・空き店舗を活用した地域交流の場をつくりたい、という事業者に向けたモデルとなっています。

「子ども第三の居場所」で子どもと大人が机を囲む画像
家庭や学校以外で子どもたちが安心して過ごせる「第三の居場所」づくりをサポートする助成事業。申請締め切りは10月31日

2023年度「子ども第三の居場所」事業募集の詳細

本募集では、2023年4月1日から実施される「子ども第三の居場所」の開設事業及び運営事業を募集しています。

2023年度の募集期間は、2022年10月3日(月)~31日(月)17:00まで。

対象となるのは、一般社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、特定非営利活動法人(NPO法人)など、日本国内にて法人格を取得している団体です。

助成金の補助率は100%以内。建物・空間の建築、改築、増築における工事費や、その拠点に設置する家電・家具・什器・車両などの購入費など、開設にかかる経費が助成されます。

また運営面においても、スタッフやアルバイトの人件費、給食費、水道光熱費など、運営にかかる経費が助成されます。

さらに「子ども第三の居場所」の事業者は、〈日本財団〉からの開設・運営費の助成だけでなく、ノウハウの共有、支援企業とのマッチングなど、運営面でのさまざまな支援も受けられます。

より詳しい募集要項は、〈日本財団〉の公式特設サイトにてご確認ください。

「子ども第三の居場所」の関係者の声をまとめたイメージ画像

「みんなが、みんなの子どもを育てる社会」の地域定着を目指して

本事業は、開設・運営された「子ども第三の居場所」を地域に定着させていくことを目的としています。

〈日本財団〉では最長3年間の運営助成を行い、4年目以降は事業主体を自治体に移管、または自主財源などにより運営を継続していくものとし、運営の自走を支援しながら、さらに全国に拠点を増やしていくモデルを目指しています。

事業を立ち上げてみたいと思いつつも、助成終了後が不安という方は「子ども第三の居場所 2022年の寄付活用レポート一覧」を覗いてみてください。実際にどのような事業が立ち上がり、運営されているのかを参考にしながら、事業内容を深めてみるのもいいかもしれません。

また、本助成事業に興味を持った方のなかには「学童保育と何が違うのだろう?」と疑問を持つ方もいるのでは。学童保育と「子ども第三の居場所」の共通点や相違点なども記された「子ども第三の居場所 空間設計のためのハンドブック」もぜひチェックしてみてください。

本ハンドブックには、場所の目的に合わせた空間づくりの工夫や、子どもが安心して過ごせる第三の居場所を構成する4つの空間要素などが、具体的な設計プランや事例とともに紹介されています。今回の申請に関わらず、子どもの居場所を運営をしている方、これから運営に関わる方にとっても、参考になる情報があるはずです。