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送った古着がワクチンに変わる! 大手通販〈フェリシモ〉の自宅回収サービス「ハッピーバトンプロジェクト」スタート
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【写真】3種類の大きな紙袋に、それぞれ衣類がぎっしり詰まっている
みんなで「うれしい未来」をつくるカタログ『GO! PEACE!』11月号にて発表された新サービスです

「古着deワクチン」「おてらおやつクラブ」「神戸フォント」などとコラボした新しい古着回収

以前は好きでよく着ていたけれど、服の好みが変わって身につけなくなってしまった。子どものためにと買ったけれど、すぐに身体が大きくなってサイズアウトしてしまった——。

みなさんの自宅に、そんなふうに「もったいない」と思いながらも、使うことも捨てることもできない服が眠っていることはないでしょうか。

〈株式会社フェリシモ〉が新たに始めた「ハッピーバトンプロジェクト」は、自宅に届く回収袋(ミニミニサイズ/スタンダードサイズ/マックスサイズ)に詰めた不要な服を、カンボジアなど世界で暮らす人々に向け再生していく古着回収サービス。リユースにつながるだけでなく、同様の仕組みを長く運営してきた「古着deワクチン」とコラボすることで、袋の大きさごとに一定の量のポリオ(脊髄性小児麻痺)ワクチンが開発途上国に贈られます。

また同プロジェクトは、「おてらおやつクラブ」とも協業しており、回収袋の販売数に応じて、日本のひとり親家庭の子どもたちへの「フェリシモお買いもの券」がプレゼントされる仕組みにもなっています。

【画像】服のイラストが散りばめられている。中央にはアルファベットで、HAPPY BATONの文字
3種類の回収袋のイラストには、障害のある人との共創プロジェクト「ご当地フォント」の一つ、「神戸フォント」を採用

〈フェリシモ〉の社会文化活動と、通販ゆえの課題

営利企業でありながら、貧困や災害からの救済活動を支援する「フェリシモ地球村の基金」や、動物愛護活動に使われる「わんにゃん基金」、多様なゲストを招いて講演してもらう「神戸学校」の運営など、積極的な社会文化活動でも注目される〈フェリシモ〉。

「事業性・独創性・社会性」が重なるポイントを常に意識してプロジェクト開発を行うなかで、近年はインクルーシブなデザインの服を開発したり、企業活動の原点に戻るような、新しい社会参加型のカタログも制作したりしています。

一方で、「通販」がコアとなる事業構造には、販売したあとのリユースを提案しづらい、という課題もありました。特に衣類においては、ファストファッション登場以降の廃棄量の拡大、環境への負荷などが社会全体で大きな問題となっていますが、ECやカタログ販売がメインの〈フェリシモ〉は、店頭に古着回収ボックスを設置するような試みも難しい……。

つくり手として、売り手として、通販メインの事業者としてできることはないだろうか。考えた末に今回誕生したのが、宅配業者と連動した自宅回収サービスに、“フェリシモらしい”社会参加と社会貢献の要素をいくつも組み合わせた、「ハッピーバトンプロジェクト」でした。

しあわせのバトンをつなぐ「ハッピーバトンプロジェクト」

【画像】古着回収からはじまる、しあわせのバトンをつなごう、とタイトルが打たれたカタログページ。サービスの特徴や価格が記されている
『GO! PEACE!』11月号にてお披露目された「ハッピーバトンプロジェクト」

「古着回収からはじまる しあわせのバトンをつなごう」。そんなサブコピーのついた「ハッピーバトンプロジェクト」への参加は、自宅にある不要な服を、最初の“バトン”として〈フェリシモ〉につなぐところから始まります。

方法自体はシンプルです。Tシャツが20枚ぐらい入る「ミニミニサイズ」、120枚ほど入る「スタンダードサイズ」、180枚ほど入る「マックスサイズ」の3種類の回収袋(それぞれ税込3,740円/3,960円/6,160円)を通販で購入し、服を詰めて、宅配業者に預けるだけ。

この時、購入者への回収袋の梱包業務は、〈フェリシモ〉が本社を置く神戸市にある、就労継続支援B型事業所が担っています。また送られた服は、カンボジアのセンターで選別、新たな販売へとつながっていく際に、ポリオの後遺症による障害のある人やストリートチルドレンだった若者の仕事となります。

【写真】茶色の揃いのエプロンを着た人々が並んで手を上げている

今回の「ハッピーバトンプロジェクト」には、ビジョンに共感した事業者がいくつも〈フェリシモ〉とコラボしています。

古着のリユースには「古着deワクチン」が協力しており、袋の購入にポリオワクチンの寄付が付帯しています。ポリオは、日本ではワクチンが普及したことで1980年を最後に新たな患者は出ていませんが、海外ではまだ流行している地域もあり、今なお子どもの命を脅かしているウイルスです。「古着deワクチン」では過去、5700万着以上の古着をリユースするなかで、770万本を超えるポリオワクチンを寄付しており(2024年10月末時点)、今回のプロジェクトでも3つのサイズの回収袋それぞれの購入につき、ポリオワクチンが1本/5本/20本、開発途上国に贈られることになっています。

【写真】ワクチン接種を受ける赤ちゃん

一方、経済的に困難な状況にある家庭への支援を行う「おてらおやつクラブ」が協力したことで、国内での支援にも対応したプロジェクトになっています。ここでつながれていく具体的な“バトン”は、ひとり親家庭の子どもたちへの「フェリシモお買いもの券」。回収袋の購入が10口分集まるごとに、〈フェリシモ〉からの5000円の拠出を合わせて1万円が贈られます。

“みんなで『うれしい未来』をつくる”というテーマを『GO! PEACE!』に込めたように、フェリシモでは、いかに未来へのいい循環をつくっていくかを模索しています。その一つとして、今回はリユース事業に、子どもの命を守るワクチンや、子どもたちが自由に買い物をできるための支援を組み合わせたいと考えました。古着の処分から一歩踏み込んで、何か社会に関わりたいと考える方に、ぜひ参加いただけるとありがたいなと思っています。
(「ハッピーバトンプロジェクト」担当の千葉大さん)

まだまだスタートしたばかりの「ハッピーバトンプロジェクト」ですが、少しずつ利用者からの購入も増えてきているといいます。回収袋の送付は12月からとなっており、“バトン”がつながっていくのはまさにこれから。子どもの命や自由を守り、さまざまな方の雇用も生み出す〈フェリシモ〉の新しいプロジェクト、気になる方はぜひ参加を検討してみてください。