医療的ケア児と考えるブランド〈to:alla（トアラ）〉から「みんなで使えるタオル」が発売
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医療的ケア児と考えるブランド〈to:alla（トアラ）〉から「みんなで使えるタオル」が発売

医療的ケア児とともに考え、その活動を支えるタオル

体を洗った後、こぼしたものを拭うとき、ブランケットとして。日々の様々な場面で活躍するタオル。肌触りの良さ、速乾性、サイズの豊富さなど様々なポイントがありますが、みなさんはどんな基準でお気に入りの一枚を選んでいますか？

医療的ケアが必要な子どもたちのニーズや使い勝手を考慮して作られたタオルが、名古屋市の繊維商社〈丸眞株式会社〉から誕生したブランド〈to:alla（トアラ）〉より販売されています。ふんわり柔らかで肌への刺激の少ないマイクロファイバー素材を使用した、「みんなで使える」をコンセプトにしたタオルです。タオルの売上の一部は、「医療的ケア児」を支える活動を行う〈NPO法人アンリーシュ〉に寄付されます。

「医療的ケア児」と家族の声を取り入れた商品づくり

〈丸眞株式会社〉は1966年に名古屋市に創業、タオルを中心とした繊維製品の企画開発・販売を行う繊維商社です。消費者に寄り添ったものづくりを強化しようと、2021年に社内にてプロジェクトを発足。河東梨香さん（tona LLC.代表／医療福祉ビジュアルディレクター）をアートディレクターに迎え、「医療的ケア児」に着目したリサーチを深めてきました。

アートやデザインによる医療支援を展開する〈NPO法人チア・アート〉がインクルーシブデザインアドバイザーとして参画し、福井県福井市で日常的に医療ケアが必要な子どもたちの通所施設を運営する〈オレンジキッズケアラボ〉の協力を得て、勉強会やユーザーとの座談会などを実施。調査やヒアリングを通して、商品企画の段階から利用者の声を取り入れていきました。

さらに、特別支援学校でのボランティア活動や、医療的ケア児の家庭に1日密着し、通所施設でインターンをするなど、現場体験で得たアイデアも商品開発へと生かしています。

ニーズの調査を行う中で、日々の様々な場面で活用されるタオルは洗濯量も多いことが悩みだとわかりました。また、医療的ケア児の家庭に密着する中で家族が言った「特別なものがほしいんじゃない、みんなで一緒に使えるものが一番いい」という言葉が大きなヒントになり、家族や友達もみんなで使える、シンプルな形状のタオルが開発されました。

「みんなで使えるタオル」の特徴をご紹介

・裏表上下がない

医療的ケア児にとって、ちょっとした凹凸が肌荒れの原因になります。そのため、タオルのヘムやミミ、ブランドネームを示す刺繍やタグなどをなくしました。凹凸が少なく、畳むときも裏表上下を気にする必要がありません。

・インテリアや装いに合わせやすい

医療的ケア児の中には、タオルをスタイやブランケット代わりに使っている方も多くいます。そのため、ベースカラーはインテリアや装いにも合わせやすい落ち着いた色合いにしました。タオルの縁は、赤ちゃんから高齢者までコントラストを楽しむことができる、はっきりした色にしています。

タオルに包まれて眠る人の写真 — 大判タオルは大人の体もすっぽり包み込めるくらいの大きさ。お風呂上がりやブランケットにも大活躍です

・吸水性と速乾性に優れた素材

吸水性と速乾性に優れ、ふんわり柔らかいマイクロファイバーを使用。ぽんぽんと優しく押さえるだけで吸水し、よごれや食べこぼしも素早く拭き取ることができます。また、一日に大量のタオルを使用するケアの現場でも、すぐに乾くため安心です。マイクロファイバータオルは冬に静電気が気になるという声から、静電気防止糸を使用して開発しました。

紺色の円の上に白い文字で描かれたロゴ。oはにっこりした顔になっている — タオルの語源と言われる「Toalla（トァーリャ）」と「みんな・全て」を意味するスウェーデン語の「alla（アッラ）」を掛け合わせたブランドネーム。ロゴマークのallaの「l（エル）」の部分はタオルのループを表現し、aとaをつなぐ、誰かと誰かをつなぐ存在でありたいという想いが込められています

タオルを大量に使う施設や、頻繁に買い替えの必要のある家庭でも使ってもらえるようにと、ミニタオルやウォッシュタオルで税込330円、約80×150cmの大判バスタオルでも税込1650円と手に取りやすい価格帯です。なお、売上の一部は、医療的ケア児や家族の生活に役立つ情報を発信する〈NPO法人アンリーシュ〉へ寄付されます。

常に「支援される側」に立たされてしまいがちな医療的ケア児とその家族。to:allaの製品を購入することで、他の医療的ケア児家族をサポートし、医療的ケア児を知ってもらう活動を「支援する側」にも立てるようにと思っています。（to:alla アートディレクター　河東梨香さん）