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チャリティサイクルで服・お金・人をつなげる新しい古着屋〈クロスクローゼット〉が2023年10月神戸市にオープン
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店舗前でスタッフ3名がおのおの洋服を手にしながら談笑している
古着屋〈クロスクローゼット〉が神戸市のショッピングモールの一角にオープンしました

古着屋と就労の場をかけ合わせたチャリティショップ

古着屋〈クロスクローゼット〉が2023年10月2日に神戸市長田区にオープンしました。本店舗は、寄付された衣類を100%再利用するチャリティショップであり、障害のある人の就労の場でもあります。売上の一部は寄付することで障害のある子どもや親の支援を行うNPOなどの支援活動に活かされる仕組みです。

運営するのは〈株式会社PLAST〉。神戸市を拠点に、デイサービスや訪問看護、保育園、児童発達支援・放課後等デイサービスなどを運営する会社です。

〈クロスクローゼット〉が目指すチャリティサイクルとは

現在世界的に問題となっている、衣類の大量廃棄。ファストファッションの台頭により、安価で衣類を購入できるようになった反面、気軽に廃棄できるようになったことがその背景とされています。2022年の調査では衣類の新規供給量79.8万トンに対し、約9割に相当する73.1万トンが使用後に手放され、そのうちの47万トンが廃棄されていることがわかりました。(出典:環境省 令和4年度 循環型ファッションの推進対策に関する調査業務)大量生産・大量消費による環境への負荷も懸念されています。

また一方で、障害のある人の就労する場である就労継続支援B型事業所(※注)では、平均工賃が月額16,507円、時間額にして233円(出典:厚生労働省 令和3年度工賃(賃金)の実績について)と非常に低く、工賃を上げていくことが求められています。

こうした課題を解決するために、古着屋と障害のある人の就労の場を兼ね備えた店舗として〈クロスクローゼット〉はオープンしました。寄付された不要な衣類を販売することで、衣類の廃棄を減らすことに貢献します。また販売の難しい衣類は廃棄せずに再生工場に持ち込むことで、100%再利用することを目指します。店舗は障害のある人の就労の場となり、さらに売上の一部は障害のある子どもや親の支援を行うNPOなどに寄付されるなど、服のリサイクルを通じて、お金や思いが循環するような仕組みです。

注:障害のある人や一般企業での就労が難しい人が、雇用契約を結ばずに、作業をしたり就労訓練などを行うことができる福祉サービス。

チャリティサイクルの図式
思いや金銭が循環するこの仕組みを、〈クロスクローゼット〉ではチャリティサイクルと呼んでいます

〈クロスクローゼット〉の仕事内容

現在、〈クロスクローゼット〉で就労する利用者の仕事は以下の4つです。様々な仕事を用意することで、利用者はそれぞれに適した仕事内容を選択することができます。

1.衣類の仕分け、在庫整理・管理
大量に寄付される衣類は、季節や汚れの有無を問わず受け取っているため、仕分けや管理が必要です。利用者はスタッフと一緒に、販売するもの、倉庫に保管するもの、再生工場に回すものに仕分けします。

2.商品タグの制作、商品タグの装着
商品タグ作成のために、市販のクラフト紙に、印刷された値札を糊付けしていきます。さらにスタッフによって値付けされた商品に、値札を貼る作業も機械を使って行います。

3.衣類のアイロンがけ
寄付された衣類にしわがある場合には、アイロンをかけて売り出せるようにします。アイロンがけをする過程でシミや汚れに気づくこともあるため、重要な仕事です。

4.コーディネート
利用者によるマネキンコーディネートやおすすめ商品のコーナーも今後仕事として加わる予定です。関わった商品がお客さんの手に渡ることで、よりモチベーションを感じる仕事になることが期待されます。

「不要な衣類をクロスクローゼットへご提供ください」と書かれた垂れ幕がかかっている、店頭の様子

チャリティショップという言葉は最近耳にする機会も増えてきましたが、〈クロスクローゼット〉はファッションと環境に関わる問題と、障害のある人の就労に関する問題を同時に解決する、新しい形のチャリティショップといえそうです。手放そうと思っている服を持って、または新しい服を探しに、ぜひ店舗を訪れてみませんか。