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パーキンソン病と共に生きる人たちとの表現活動の場「ダンス・ウェル」。〈東京都渋谷公園通りギャラリー〉で1月24日イベント開催
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年齢や経験に関わらず誰にでも開かれたダンスを体感できるイベント

ダンスをしてみたいと思っても、年齢を重ねていることや、身体の状態、経験がないことから躊躇してしまうことはないでしょうか。そうした年齢やダンス経験に関わらず誰にでも開かれたダンスが、パーキンソン病と共に生きる人たちとの芸術実践として生まれた「ダンス・ウェル(Dance Well)」。そんなダンス・ウェルの関連イベントが、2026年1月24日(土)14:00〜16:00に〈東京都渋谷公園通りギャラリー〉にて開催されます。

当日は、ダンス・ウェルの体験、ダンス・ウェルクラスから生まれた映像作品の鑑賞、クリエイションのプロセスについてお話するトークなどが開催されます。参加費は無料で、事前申込制。申込受付は2025年12月22日(月)10:00から、定員25名で先着順となります。

ひとつの空間で、さまざまな方向を向いた人、車椅子の人などが一緒に踊る様子
2025年5月に〈東京都渋谷公園通りギャラリー〉で実施したダンス・ウェル 撮影:阿部 健

パーキンソン病と共に生きる人を主な対象とする芸術実践「ダンス・ウェル」とは

「ダンス・ウェル」とは、イタリアのバッサーノ・デル・グラッパ市にあるCSC現代演劇センターの主宰により、2013年より始められたダンスクラスです。パーキンソン病と共に生きる人を主な対象に、子どもから大人まで、ダンス経験の有無に関わらず参加できます。特徴のひとつは、美術館など、想像力を刺激する芸術空間で開催し、治療ではなく芸術実践として行われること。クラスは原則としてすべての人に無料で開かれ、現在はイタリアを始め、チェコ、ドイツなどの欧州、香港、日本などでも実施されています。

ダンスに決まった形はなく、身体が感じるままに表現します。また「ミックスグループで行う」ことも大切な要素です。年齢や性別、身体の状態などが異なるさまざまな人が交じり合いながら、表現に出会っていきます。活動中、参加者はみな「ダンサー」と呼ばれ、病気や社会的な役割から解放され、全員が等しくなれる時間を過ごします。

東京都の美術館では、2019年に〈東京都美術館〉でダンス・ウェルの継続的な実施が始まりました。〈東京都渋谷公園通りギャラリー〉では、東京都美術館との連携プログラムとして、2024年から取り組みを開始。現在は、東京都歴史文化財団内施設間の連携もとりながら活動を行っています。

二人の人が向かい合い、にっこり笑って手と手を合わせようとしている
両手をプロペラのように広げた人が縦1列に並んでいる
2025年10月に〈東京都渋谷公園通りギャラリー〉で実施されたダンス・ウェル。アール・ブリュット2025巡回展「既知との遭遇 自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」の作品から受け取ったイメージを表現した 撮影:前谷 開

ダンスクラス、映像作品鑑賞、トークを1日で体験

2026年1月24日(土)のイベントでは、まずダンス・ウェルクラスを実施し、ダンスウェルがどのようなもので、何を大切にしているかを体感します。

ダンス・ウェルの講師とファシリテーターを務めるのは、日本で初めてダンス・ウェル講師の認定を受け、現在、金沢を拠点に国内のさまざまなアート空間でダンス・ウェルを実施する、なかむらくるみさん。同じくダンス・ウェルの指導者コースを修了している、振付家・演出家・ダンサーの白神ももこさんと、ダンサー・アーティストのAokidさんがアシスタントを務めます。

続いてダンス映像作品「TDN of TDP (Three different nights of Three different persons) 〜3人の異なる人たちの、3つの異なる夜」を鑑賞します。本作は、金沢でのダンス・ウェルクラスに参加していたダンサーたちと、ヨーロッパを拠点に活動するプロのダンサーを招聘し、なかむらさんが振付をした作品です。コロナ禍によって対面での作品づくりが叶わなくなり、映像作品として制作されました。

男性が部屋の中で、目を瞑りながら踊っている様子
映像作品の中の一場面 撮影:Ryo Noda

最後のトークでは、なかむらさんがファシリテーターとなり、参加者とともに、ダンス・ウェルの活動を展開する中での学びや困難、映像作品のクリエイション・プロセスや出演ダンサーなどについて語ります。

プログラムの詳細や講師の顔写真が掲載された、チラシの裏面

ダンス・ウェルを体感することができるのはもちろん、映像作品やトークを通して、ダンス・ウェルが大切にしていることや、作品になるまでの制作プロセスなど背景も知ることができるチャンスです。パーキンソン病とともに生きる方やそのご家族、福祉や医療に従事している方のほか、ダンス・ウェルの活動に興味を持っている方ならどなたでも参加できます。気になる方はぜひ、イベントページをのぞいてみてください。