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子ども目線の宿泊施設『絵本ホテル』が奈良にオープン。1日1組限定
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えほんほてる
2021年12月、子どもが主役の『絵本ホテル』が奈良にオープン

キッズフレンドリーな『絵本ホテル』がオープン

2021年12月、奈良県奈良市に、子どもが主役の『絵本ホテル』が誕生しました。宿泊は1日1組限定。子どもにとっての使いやすさや楽しさを重視して造られた施設で、世界中の絵本に囲まれながら過ごすことができます。

運営するのは県内の事業者3社。建築設計、絵本のセレクト、リノベーション施工といったそれぞれの専門性を持ち寄ることで、子ども目線の空間でありながら、大人も楽しめる場を誕生させました。

えほんのならぶへや

主役は子ども。使いやすさや楽しさを重視

世界の美しい絵本と、その中に広がる大きな世界を子どもたちに届けたい。世界を変える力を秘めた絵本の素晴らしさを、大人にも知ってもらいたい。そんな思いから『絵本ホテル』は誕生しました。

主役は子どもたち。随所に、子ども目線のデザインへのこだわりが見られます。

こどものつかいやすいたかさのせんめんだい
扉、洗面台、お手洗いなどは子どもにとって使いやすい高さで設計。逆に大人は、普段子どもたちが感じているかもしれない「ちょっとした不便さ」を発見できるようになっています

一番の特徴は、世界中から選りすぐった約200点の絵本を楽しめること。絵本はただのインテリアではなく、くつろぎながら・お風呂に入りながら・寝転びながらなど、滞在中のさまざまなシーンで読むことができ、気に入れば購入することも可能です。

また、絵本以外にも子どもたちが喜ぶ楽しい仕掛けを用意しました。子ども専用の小さなドア「私の扉」や本棚に入り込む「秘密のアルコーブ」、落書きし放題の壁「Drawing wall」をはじめ、子どもも大人も一緒に楽しめる工夫があちこちになされています。

のぞきあな
壁に穴を開けて隣の部屋をのぞける「ノゾキアナ」。複数あるうちのいくつかは魚眼レンズを組み込んでいます
よしのすぎのおもちゃ
地元・奈良の吉野杉を使った、壁いっぱいに広がるおもちゃ「Play wall」

『絵本ホテル』は、元林野庁宿舎の1室を改装した施設。運営するのは、奈良県内で事業を営む〈studio D’ORO〉〈チェルビアット絵本店〉〈ライフラインサービス株式会社〉の3社です。「地元に恩返しをしたい」という共通の想いを元に、建築設計、絵本のセレクト、リノベーション施工で互いの専門性を生かしながら実現させました。

「あらゆる建築が『大人』を基準としてつくられるなか、子どもたちは普段から不自由さを感じながらも、ある面ではそれを楽しさに変えているのではと考えました。『絵本ホテル』は子ども目線の設計にしたことで、大人には使いづらさが生まれますが、そのことを気づきや楽しみに変えながら過ごしていただけたらうれしいです」と、設計を担当した〈studio D’ORO〉の泥谷英明さんは述べます。

子どもたちの未来のために取り組むサステナビリティ活動

『絵本ホテル』では、子どもたちの未来を考えてサステナビリティも意識し、リノベーション時には輸入材ではなく、吉野杉と吉野檜を使用。木材だけでなく食も、奈良県内の生産者、飲食店、配送業者と連携し、地元の食材や料理を提供しています。

また、清掃は障害福祉事業所を運営している〈びぃとぅぎゃざ~〉と協働し、障害のある方と一緒に室内クリーニングや洗濯をしているといいます。

どあはんどる
ドアハンドルは、『絵本ホテル』の裏山(赤膚山)の桜枯木を用いて仕上げたそうです

すでに利用された方からは、「一般的なホテルでは子どもが飽きるけれど、遊ぶものがたくさんあって最後まで楽しめた」「洗面台をうれしそうに使う子どもの様子を見られた」などの声が届いているという『絵本ホテル』。施設に興味関心がある方に向けた内覧会やイベントも開催されています。

絵本作家さんをゲストにお招きし、「海外と日本の絵本文化の違いについて」を、ご自身の絵本の日本語版と他言語版を比較しながらお話いただいたイベント(202216日に開催)は、すぐに満席になったそう。施設内のキッチンで、食事やコーヒーをいただきながら交流できる機会も設けられています。

『絵本ホテル』の取り組みが気になる方は、Instagramや公式サイトで、そうしたイベントなどもチェックしてみてはいかがでしょうか。