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身近で起こりうる被害に気づくために。リーフレット『ハラスメントかも?』を〈表現の現場調査団〉が配布中
活動紹介

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リーフレット表紙

ハラスメントについて知る全12ページのリーフレットが発行

近年、さまざまな場所でハラスメントが問題になっています。ハラスメントとは、学校や職場などでのいじめ・嫌がらせや、人間としての尊厳を傷つけたり、脅かしたりすること。対面する場所に限らずSNSなどのインターネット上も含め、、身近な場所でハラスメント被害に直面することも少なくありません

表現活動の場や、表現を学ぶ場でも近年ハラスメントが問題化していることから、〈表現の現場調査団〉はリーフレット『ハラスメントかも?』を刊行。主に芸術系の大学や専門学校、劇場や美術館、また〈表現の現場調査団〉公式Webサイト上で配布しています。

ハラスメントって?

知識を持つことが被害を防ぐことにもなる

そもそもリーフレットを作成することになった背景には、〈表現の現場調査団〉が表現分野で起きているハラスメントの実態調査を行った『表現の現場ハラスメント白書2021』にて、「どのようなことがハラスメントに当たるかわからないままに被害を受けてしまうケースが見られたことにある」と〈表現の現場調査団〉は話します。

同時に、「被害を見て見ぬふりをしてしまう傍観者の存在が二次被害となって、被害者を傷つけることも明らかになった」ことから、『ハラスメントかも?』は生まれました。

「もちろんハラスメントにおいて、被害者には落ち度は全くないことが前提ではありますが、あらゆる人がハラスメントについての知識を持つことが、ハラスメント発生を防ぐこと、特に被害の対象になりやすい学生が、被害を被害として認識できるようにリーフレットを作成しました」(表現の現場調査団)

リーフレットでは、ハラスメントが「いつ・どこで」行われるかに合わせて、ハラスメントをされた際の対応は「どうする」と良いかを、簡潔にわかりやすくまとめています。

ハラスメントはいつ・どこで起こる?

また、『表現の現場ハラスメント白書2021』で学生時代にアカデミック・ハラスメントを経験した人が61.6%(10人につき約6人)にのぼることから、学生向けのページも用意して、喚起しています。

 

さまざまなハラスメント
表現の現場や学びの場で起こる可能性のあるハラスメント事例として、「アカデミック・ハラスメント」(教育に関するもの)、「レクチャー・ハラスメント」(広く指導に関するもの)、「テクスチュアル・ハラスメント」(評価に関するもの)などを紹介

仕事に関する「パワー・ハラスメント」、身体や性に関する「セクシャル・ハラスメント」などさまざまなハラスメントについてもイラストと共に紹介。どのような行為や発言がハラスメントに当たるのかを説明しているので、ハラスメントについて学び始めた人におすすめです。

〈表現の現場調査団〉では、依頼があった場合、リーフレットを用いた「ハラスメント講習」を芸術系の大学や専門学校、劇団や美術館で実施し啓発することを、今後行なって行く予定です。

どこに相談する?
相談窓口についても紹介している。これ一冊あれば、身近に起こりうるハラスメントの基本的な情報を抑えることができる

〈表現の現場調査団〉とは?

発行者の〈表現の現場調査団〉は、「表現の現場における数多くの不均衡とそこから派生する差別を撤廃し、すべての人々が安心して関わることができる、自由で平等な場を構築する」ことを目的に、2020年発足。全ての人に平等に開かれた表現の場を実現するために、ハラスメントやジェンダーバランスの実態調査と結果の公開、Webでの各種情報提供を行っています。

活動の軸は2つです。

一つは実態把握調査。ハラスメントやジェンダーバランスなどについて、アンケートやインタビューを実施し、事例の収集や量的調査、資料調査を行い、専門家による分析後にレポートを作成し公開をしています。

次に、社会改善の取り組み。ウェブサイトにおけるハラスメントに関する情報提供や表現に関わる各分野へのハラスメントに関する周知及び啓発を行ってきました。

『ハラスメントかも?』が生まれるきっかけになった『表現の現場ハラスメント白書2021』以外にも、『表現の現場ジェンダーバランス白書 2022』を発行する他、2023年夏以降にはハラスメント量的調査を発表予定です。

メンバーには、現代美術家やアーティスト、舞台俳優など表現の第一線で活躍する方々16名が名を連ね、表現の場がすべての人々に平等に開かれた場になるよう取り組んでいます。

Webサイトからダウンロード可能

『ハラスメントかも?』は、〈表現の現場調査団〉のWebサイトからダウンロードができます。また、リーフレット現物の配布や配架をご希望の場合は、Webサイトからお申し込みください。ハラスメント行為が「どんな場所でも起こりうるんだ」と自覚することが、被害を防ぐ第一歩になるのでは。ぜひ自分や周りの人を守るために活用しませんか。