ニュース&トピックス

わかりやすいコミュニケーションって何だろう?『医療×「やさしい日本語」シンポジウム』開催
イベント情報

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. わかりやすいコミュニケーションって何だろう?『医療×「やさしい日本語」シンポジウム』開催

イベントタイトルや日時などが掲載された、バナー画像

医療現場における「やさしい日本語」のこれまでとこれからを語るシンポジウム

2023年6月末、過去最多の322万人と発表された在留外国人数。国外にルーツのある人も多く暮らす今の社会で、日本語を母語としない人々が安心して生活できる助けとして、「やさしい日本語」に注目が集まってきています。

「やさしい日本語」とは、日本語を母語としない人などに配慮した、シンプルな語彙や文法を用いた日本語のことです。近年は高齢者や障害のある人など、言葉の理解や聴こえに不安がある人とのコミュニケーションにおいても重視されるようになってきました。

そうした中で、医療機関における「やさしい日本語」の導入と普及を進めてきた〈医療×「やさしい日本語」ラボ〉が、2024年2月24日(土)14:00〜16:30、シンポジウム『医療×「やさしい日本語」、ここまで来ました』をオンラインで開催します。

詳細な状況の説明が必要とされる医療機関で、コミュニケーションに不安を抱えながら受診している人は少なくないでしょう。本イベントでは、「医者の話はなぜ“難しい”のか」をテーマにした基調講演のほか、医師や研究者、模擬患者などが「やさしい日本語」の普及活動に関わって感じたことや、今後の展望を語り合います。

医療×「やさしい日本語」とは?

〈医療×「やさしい日本語」ラボ〉は、東京都と順天堂大学が連携・協働して実施する「医療現場への「やさしい日本語」導入・普及事業」のために2022年に設立されました。

事業の推進役を務めるのは、2019年に発足した〈医療×「やさしい日本語」研究会〉。順天堂大学大学院医学研究科の武田裕子さんが、多文化共生コーディネーターの新居みどりさん(NPO法人CINGA)、日本語教育の専門家である岩田一成さん(聖心女子大学)、ヘルス・コミュニケーションの専門家である石川ひろのさん(帝京大学)とともに活動を行ってきました。

研究会が蓄積してきた知見とネットワークを活用し、この2年間、さらなる普及に努めてきた〈医療×「やさしい日本語」ラボ〉では、これまでに医療関係者向けのオンラインカフェや研修を実施。研修は日本語を母語としない人を模擬患者としたロールプレイ型のプログラムで、オンラインのほか都内約16カ所で開催し、地域の医療者、地域に住む外国にルーツのある人、支援者のネットワークづくりにも貢献してきました。

また研修教材や「やさしい日本語」について解説したリーフレットパンフレット、導入のためのセミナー教材、多言語に対応したオノマトペシートなどを作成し、オンラインで無料公開しています。

やさしい日本語とは何かが、イラストとテキストで説明されている、パンフレットの画像
パンフレットは公式サイトよりダウンロード可能。印刷された製品版は、都内の医療機関や教育機関へ無償提供もしています
オノマトペの種類、意味、例文が、日本語とタガログ語で説明されている
医療現場でつかえる多言語表記のオノマトペシート(「日本語ータガログ語編」のサンプル)

さらに、病院などで導入を進めるための『医療で用いる「やさしい日本語」- Plain Japanese in clinical settings』のシリーズをYouTubeで公開。2024年1月には「やさしい日本語」の理解を促進するクイズ形式の動画も配信するなど、様々な角度から、医療現場における「やさしい日本語」の必要性や活用方法などを発信してきました。

シンポジウム『医療×「やさしい日本語」、ここまで来ました』

2月24日(土)に開催されるシンポジウムは、これまでの2年間の活動の総括となる場です。

第1部では「医者の話はなぜ“難しい”のか」をテーマに、南奈良総合医療センター総合診療科 医長の天野雅之さんが講演。会の座長を務める岩田一成さんと意見交換を行います。続く第2部では、武田裕子さんはじめ、医師や研究員、模擬患者として協力した方、さらには地域の支援者などが、「やさしい日本語」の普及活動に関わって感じたことを報告します。

そして最後の第3部では、〈医療×「やさしい日本語」研究会〉のメンバーが順天大学新井一学長とともに、これまでの活動の振り返りと今後の展望を語ります。

日時に加えてプログラム内容も書かれた、チラシ画像

参加費は無料。開催はZoomによるオンライン配信で、開催後にオンデマンドで視聴することもできます。

医療職に限らず、どなたでも参加することができるシンポジウムです。「やさしい日本語」が生きる場面や具体的な活用方法を知り、これから何ができるか一緒に考えてみませんか。