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「介護」を、考古学・脳科学・ロボティクスから考える!? 動画「検証! カイゴのゴカイ学」を大阪府が配信
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「検証!カイゴのゴカイ学」part1-考古学編-「人類はいつ介護を始めたの?金沢大学藤田先生に聞いてみました!」と書かれ、藤田先生と進行役の2匹のぬいぐるみが写っている画像
動画制作:NPO法人Ubdobe(ウブドベ)

介護に対するイメージって、どんなもの?

身近な人が年をとり、自分が介護者となる。そして、いつしか自分も年をとり、誰かに介護してもらう。そんなふうに、我が身にはまったく関係ない、とは言えないのが「介護」です。

高齢化が進む日本において、介護という分野が今後ますます注視され、需要が高まっていくことは、多くの人が知るところではないでしょうか。

けれども、介護の人手不足は日本の長年の課題となっています。それはもしかしたら、介護というものに対する、どこかネガティブなイメージが先行しているからかもしれません。みなさんは、介護に対してどのようなイメージを持っているでしょうか? そしてそれは本当に現場で起こっているのでしょうか?

ユニークな角度から「介護」を掘り下げた3つの動画を公開

大阪府は2024年12月、「介護の仕事の本質」を掘り下げる、新しい動画を公開しました。その名も「検証! カイゴのゴカイ学」。

「介護の仕事の歴史って?」「認知症ってどんな病気なの?」「介護の仕事の未来って?」という3つの疑問を、考古学、脳科学、ロボティクス分野の専門家から話を伺い、学問を通じた客観的視点で分析・検証していきます。

1本あたり10~20分程度のショート動画で、年齢問わずに入り込みやすいストーリーやテーマで話が繰り広げられます。すきま時間にちょっと覗いてみたり、ながら視聴したりもできる動画コンテンツとなっています。

  • part1 考古学編「人類は、いつ介護をはじめたの?」

人類の介護の起源を辿れば、約6万年前のネアンデルタール人に辿り着く⁉ 動画1本目は、太古の人骨から人類の進化の過程を分析・研究している、金沢大学 客員教授 医学博士の藤田尚さんをゲストに迎え、介護の起源を遡りながら、そこに隠された人類の本能や文化について掘り下げます。

北海道の遺跡で発掘された化石人骨からも、日本における介護の起源を辿ります
  • part2 脳科学編「脳科学の視点で介護を知る」

動画2本目は、脳科学者であり、ご自身も家族の介護経験があるという、東京大学大学院 総合文化研究科 特任研究員の恩蔵絢子さんがゲストです。近年、科学の力で少しずつ解明されはじめている認知症。なかでもアルツハイマー型認知症をテーマに語ります。

今回は特に「脳ではどんな変化が起こっている?」「周りの人はどう接したらよいか?」「認知症になっても“その人らしさ”は残る?」などを、脳科学の視点から掘り下げていきます。

認知症のメカニズムを知ることで、介護する人の心にも変化が起こるかも?
  • part3 ロボティクス編「変幻自在?!未来の介護ロボット」

人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現するプロジェクトとして、内閣府がかかげている「ムーンショット計画」。介護ロボットの開発もその計画のひとつに含まれています。

動画3本目は、AIロボットの開発を行う東北大学工学院 工学研究科 教授の平田泰久さんを迎え、“人のやりたいことをあと押しする”ロボットの開発で変わる介護の未来や、「人間の生涯を伴走するロボットとは?」「ロボット介護、正直抵抗があるんだけど本当に大丈夫?」といった疑問への答えを、開発者視点で話していきます。

介護ロボットのイメージは、西遊記で孫悟空が乗る「筋斗雲」⁉

それぞれに奥深く、介護のユニークな世界を感じさせてくれる3つの動画。興味を持った方はぜひ視聴してみてください。

介護という仕事のリアルや魅力を発信「シゴト探求プロジェクト」

これらの動画は、令和6年度大阪府介護職・介護業務の魅力発信事業の一環でスタートした特設サイト「シゴト探求プロジェクト ー介護の世界をのぞいてみようー」のコンテンツとして制作されました。

「シゴト探求プロジェクトー介護の世界をのぞいてみようー」というタイトルと、食事・移動の介助をする人物や虫眼鏡で覗く人がイラストで描かれた画像

「シゴト探求プロジェクト」は、介護という仕事のリアルや魅力などを発信しながら、体験の機会を届けるプロジェクト。医療や福祉の専門性と、難病や障害の当事者性を活かしたコンテンツづくりを通じて、あらゆる人々の積極的社会参加の実現を目指す〈NPO法人Ubdobe(ウブドベ)〉が、大阪府の委託を受けて運営、企画、動画制作などを担っています。

先の3つの動画に加え、大阪府は2024年12月に、介護福祉施設で働く2名の若手介護職員と焚き火を囲みながら本音を語る「焚き火トーク ー介護×ポロッと本音ー」を公開しました。

介護職に就いた理由、一番好きな業務、大変に感じる業務、続けている理由、どんな人が介護職に向いているか――介護職員の2人が自身の仕事にあらためて向き合い、語ります。

現場で働いているからこそ出てくるリアルな言葉に、これまで抱いていた「介護」へのイメージが変わっていくかも。

介護の仕事に悩みを持つ方だけでなく、突如だれかの介護を担うことになり、介助する人への接し方や、自身の気持ちにもどう向き合えばいいかわからない、という方もぜひ視聴してみてください。なにかしら思考を変えるヒントが見つかるかもしれません。

フクシのおしごと体験、インターンシップの参加者を募集中

また、〈大阪福祉人材支援センター〉では、高校生、大学・短大・専門学生に向けて、大阪府内の介護施設でのフクシのおしごと体験や、インターンシップの機会も用意しています

介護福祉士を目指している人、福祉現場で働いてみたいと考えている人、介護や認知症に関心がある人、おじいちゃん・おばあちゃんとお話するのが好きという人など、まずは一度、福祉の現場を体験してみることで、見えてくるものがあるはずです。移動、食事、排泄の介助といった介護の「業務」に加え、その「目的」や「本質」にも触れられるかもしれません。

こうしたプロジェクトを活用して、目指したいものを見つけたり、介護に対するイメージが変わったりと、今後につながっていく発見や出会いの機会にしてみてください。