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精神科病院ではじまるアーティスト・イン・レジデンス「O-HAG」が滞在アーティストを募集!応募は8月29日から10月3日
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たくさんの人や動物などがコミュケーションしている様子が描かれたイラストの掲載されている、募集チラシ

精神科病院が1年間施設に関わるアーティストを募集

アーティストが一定期間ある土地に滞在し、いつもとは異なる環境で作品制作やリサーチを行うアーティスト・イン・レジデンス。近年、福祉施設など、さまざまなケアの現場にアーティストが滞在する試みが行われています。

今回、新しくアーティスト・イン・レジデンスのプロジェクトを始めるのは、〈医療法人社団大和会大内病院〉(東京都足立区)。大内病院や周辺の関連施設で、アーティストが1年間、滞在・創作・交流するプログラム「Oouchi Hospital Artists’ Guild【O-HAG(おはぐ)】」を始動し、2025年8月29日(金)よりアーティストの募集をスタートします。締切は10月3日(金)までです。

1年間のうち、前半はコア期間、後半はフレックス期間として、長期の滞在と短期の滞在を組み合わせながら実施します。コア期間の終了時には、展示、ワークショップ、パフォーマンス・公演、トークなどのいずれかの形態で発表を行うことが想定されています。

大内病院とO-HAG

〈大内病院〉は、東京都足立区西新井で昭和33年に開院した精神科病院です。施設の老朽化対策と、目標として掲げている「自分の暮らしに戻るための入院医療」と「生き心地のよい地域づくり」を実現するために2021年より建て替え工事を実施。2024年7月にリニューアルオープンしました。

リニューアルオープン時には、記念イベントとしてアートワークショップやトークイベントなどを実施し、地域の方が新しくなった院内を見学する機会を設けるなど、地域に開かれたケアの実践を目指して取り組んでいます。

レンガ色の建物。手前には公園がある
リニューアルオープンした建物の外観
ベッドが並んだ部屋の風景。窓からは外の木の緑色が見える
明るい日差しが入る多床室

「Oouchi Hospital Artists’ Guild【O-HAG(おはぐ)】」は、そんな〈大内病院〉で今回はじまる新しい取り組みです。「Guild(ギルド)」という言葉を選んだのは、アーティストだけでなく、患者やスタッフ、地域住民などが、互いに影響を受けつつ、ここでしか生まれ得ない自分だけの表現を掴んでいく、そんな姿を思い描いているからだそう。

募集に先駆けて、病院内では、ギルドをあたためる準備を進めています。病院職員の中から募集した活動を支えるメンバーが集まり、研修会や他施設のアーティスト・イン・レジデンスの訪問などを実施。その模様をO-HAGのnoteで発信しています。

12人のメンバーが2列に並んでいる写真
O-HAGを支えるメンバー

滞在期間と応募条件

今回「O-HAG」が募集しているのは、2025年11月下旬以降に参加するアーティスト1名です。

滞在期間は1年間で、前半はコア期間、後半はフレックス期間としています。コア期間は病棟やデイケア等での連続した長期の滞在・創作・交流を、フレックス期間は1ヶ月に1回や数ヶ月のうち1週間など、短期の滞在・創作・交流を予定。コア期間とフレックス期間の割合は相談のうえ決定します。

フレックス期間を設けることにした理由について、大内病院のアートコーディネーターで作業療法士の荒川真由子さんは「アーティストもO-HAGのギルドのひとりとして、ゆったりと、有機的な関係性を紡いでいってほしいという考えがあるからです」と、話します。

コア期間を終えて、活動の成果発表をしたあとでも、まだまだ一緒に何かをやってみたり交流したりと、アーティストが気軽に病院にアクセスできるような期間としてフレックス期間は想定されています。

応募条件は、ジャンルを問わず、アーティストであること、18歳以上であること、日本語でのコミュニケーションが可能なことなど。

滞在中はコア期間には1日3000円の活動費のほか、活動成果発表に関わる制作費の上限30万円までのサポートなどがあります。その他の詳しい募集情報やサポート内容などは、募集要項をご確認ください。

大内病院理事長の武久敬洋さんは、「精神科病院で最も大事なのは医療ではなく、ケア」だと言います。「わからないものをわかろうとして探求を続けることにおいて、純粋なアートとケアの本質は同じではないか」と前置きしながら、大内病院でアーティスト・イン・レジデンスを行う理由についてメッセージを寄せます。

アートの場を、患者さんやアーティストと共にすること。そして、自分もアートしてみること。

病院がアートの場になれば、従来の医療の価値観に風穴が開く。

そしてその風穴から、ケアが広がる。

これが、私が大内病院でアーティスト・イン・ホスピタル(O-HAG)を開催する目論見だ。

アーティストに向けて、O-HAGについての説明や質疑応答を行うオンライン説明会が、2025年8月29日(金)19:30〜オンラインで開催されます。気になる方はまずはオンライン説明会に参加してみてはいかがでしょうか。

チラシ画像