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見た目にまつわるモヤモヤ、みんなどうしてる? 『つまり、それがルッキズム』出版
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マンガとコラムで考える、「ルッキズム」の入門書
人を外見で評価、判断し、画一的な価値観を押し付ける「ルッキズム」。言葉は聞いたことがあっても、「何がルッキズムになるのかピンとこない」「容姿にまつわる話にどう付き合ったらいいのかわからない」と感じたことがある方もいるかもしれません。
そうした「ルッキズム」にまつわる疑問に答える入門書『つまり、それがルッキズム 〜23の事例と解説〜』が2026年7月に〈講談社〉より出版されます。
本書では、架空の学校を舞台に、高校生たちが容姿に悩み、自分自身や他人に向き合っていく様子がマンガで描かれます。さらに続く解説で、マンガの中で登場人物たちが抱いたモヤモヤの背景や、その解決のアイデアが丁寧に紐解かれています。
登場人物たちに共感しながら、わかりやすくルッキズムについて知ることができる一冊。学生から親、先生まで、さまざまな世代の人におすすめです。
「ルッキズム」とは?
「ルッキズム」とは、1970年代に肥満に対する差別への抗議運動を背景にアメリカで生まれた言葉。「look(見た目)」と「-ism(主義)」が語源です。
日本に浸透し始めたのはここ数年で、「外見差別」や「外見至上主義」と訳されます。一般的には、容姿や体形、肌の色などを理由に人を不当に扱うことや、外見の美しさこそが最も重要であるとし、その価値観のみで他者を評価する考え方を示しています。
ただし、学術的には研究の途上にあり、明確な定義が難しい言葉でもあります。本書ではこの言葉を「社会が決めた画一的な美を押し付けること」と定義し、ルッキズムにまつわる具体的な23事例を、3つのChapterに分けて紹介しています。
Chapter1「そのカワイイは誰のため?」
最初のパートでは、自分の中にある価値観を、8つのエピソードを通じて問い直していきます。例えば、憧れの人に好意を持たれたいあまりに、無理なダイエットをして追い詰められていく高校生の姿などが描かれています。
テレビや広告、SNSによって「これが正解」という画一的な美の基準を目にする私たち。知らず知らずのうちに、その基準に自分を当てはめようとしたことがある人も多いかもしれません。
本事例の解説では、著者自身も過激なダイエットに夢中になっていた時期があったという体験談も交えながら、自分を変えようとするとき、それは「誰のため」なのか自分自身に問いかけてほしいと投げかけます。
また同Chapterでは、ほかにも「美人でうらやましい」「背が高くて素敵」といったフレーズが相手を傷つける可能性について言及されています。
難しいのは、見た目に触れることが必ずしもダメなわけではない、という点です。例えば身近な人が「減量する」と宣言して、その努力を身近で見てきたとき、「やせてきたね!」と声を掛けることは、相手にとって嫌な言葉ではないはず。大事なのは「関係性」であるという、本書を通じて重要なポイントがここで指摘されています。
“「褒め言葉でも容姿に触れるのはNG」といったマニュアル化はできず、「相手との関係や文脈にもよる!」ということは強調したい。もし関係性が不明瞭なら、やっぱり見た目じゃない褒め方をしてみたほうがいい。”
(『つまり、それがルッキズム』p.28)
Chapter2「その言葉は、ビタミン? それとも刃物?」
続くChapter2は、他人や社会が投げかける「言葉」に着目します。
兄弟・姉妹間での比較、広告が私たちに押し付ける画一的な美の基準など、私たちは常日頃から、容姿にまつわるさまざまな言葉に囲まれてきました。その中では、性別を問わず多くの人が、社会がつくった「こうあるべき」に苦しめられています。
しかし、傷つける言葉がある一方、私たちは言葉を用いて、相手の気持ちを確かめ、歩み寄ることもできるーー本Chapterではその可能性にも触れています。
相手への直接的な言葉ではなくても、面白いと思って容姿を「いじる」ことも「ルッキズム」のひとつ。関係性による場合もあるため、相手の反応や周りにいる第三者に配慮しながら、どうすればいいか考え続けることを本書は提案します。
“しゃべりながら相手の反応を見極めてみる。「これ、おもしろいかな?」「今の言葉、嫌な思いさせなかったかな」って。「こういう意図で言ったけど、嫌だったら教えてね」と一言添えてもいいかもしれないし、傷つけてしまったなら謝るしかない。そうやって私たちにとって、本当の意味で“おもしろい”会話を作っていけるといい。”
(『つまり、それがルッキズム』p.108)
Chapter3「自分の見えている世界って……?」
最後のChapterでは、登場人物たちが、コンプレックスにもチャームポイントの可能性があること、時代や場所によって美の定義が変わることなど、価値観の多様さに気づいていきます。
一方で本Chapterの終わりでは、誰もが無意識にルッキズムの加害者になりうることも指摘します。何を言えば正解かわからず、誰も悲しませたくないなら何も言わない方がいいのではないかと感じてしまう人たちに向けて、著者は「それでも対話をやめてはいけないと思う」と語りかけます。
“正解はなくて、マニュアルが作れないけれど、それはルッキズムだけじゃないのだ。よかれと思ってかけた言葉が相手を傷つけたり、自分でも思ってもみなかった言葉が飛び出してしまったり、誰かとともに生きていたらそういうことってある。
「あの言葉で、私はこういう気持ちになった」
「嫌な気持ちにさせてたら、ごめん」
そういう本音の対話ができる関係を築けたらいい。表面的に「あれがかわいい」「あれがかっこよくない」と自分や他人を評価して、おたがいを傷つけ合っていたころよりも、だいぶ生きやすくなるはずだ。”
(『つまり、それがルッキズム』p.191)
「ルッキズム」という言葉に出会い、日々の振る舞いに立ち止まることは、私たちの言動を制限するものではなく、生きやすくしてくれる可能性があること、また対話によって分断は越えていけるのだということが、軽やかな言葉で伝わってきます。
幅広い世代に自分ごととして捉えてもらえる本を
本書の著者は、経営者の前川裕奈さんと、ライターのウィルソン麻菜さん。二人の出会いは、前川さんのフィットネスウェアブランド「kelluna.」のポップアップを、ウィルソンさんが訪れたことがきっかけでした。「セルフラブ」を掲げるブランドの理念や前川さんの人生に興味を持ち、取材したことを機に、二人は「ルッキズム」についても深く話すようになります。
その後二人は、ヨガジャーナルオンラインで「しゃべるっきずむ!」の連載をスタート。前川さんが初の著書『そのカワイイは誰のため? ルッキズムをやっつけたくてスリランカで起業した話』を執筆する際は、ウィルソンさんも壁打ち相手として伴走しました。そしてその出版後、「次世代に同じような呪いを引き継ぎたくない」「子どもにも呼んでほしい」といった感想が寄せられたことが、若者から親までより幅広い世代に読んでもらえる本書の構想へとつながりました。
読者がより「自分ごと」としてルッキズムを捉えてもらえるようにとの思いから、前作のエッセイから形を変え、今回はフィクションに挑戦しています。
本書の出版を記念したイベントが、2026年8月23日(日)17:00〜23:00に〈Bar Brown TOKYO〉(東京都渋谷区)で開催されます。スリランカカレーやお酒を楽しみながら本のことを語り合うイベントです。出入り自由ですが、来場の際はお二人のSNSへご一報ください。
ルッキズムには「こうすればいい」という正解がないからこそ、想像力を働かせつつ執筆をしてきたという著者の二人。社会の構造に目を向けながら、目の前の人と向き合っていくことの大切さを読者に伝えたい、と語ります。
「この本が、誰かにとっての『お守り』になること、そして新しい視点を得られる『ヒント』となることを願って届けます。手にとってくださった方の、より笑顔の多い未来に繋がりますように」(前川裕奈さん)”
「自身の容姿や、誰かとの関係性に悩むみなさんの視野を広げ、心を軽くし、少しでも生きやすい社会につながれば嬉しいです」(ウィルソン麻菜さん)”
今もなお悩み続ける二人の、等身大の言葉によって、遠くて曖昧だった「ルッキズム」が、ぐっと身近に、自分ごととして感じられる一冊です。ぜひ、本書を開いて、気になるページから読み始めてみませんか。
Information
書籍『つまり、それがルッキズム 〜23の事例と解説〜』
著者:前川裕奈、ウィルソン麻菜
出版社:講談社
発売日:2026年7月9日
定価: 1,870円(税込)
ページ数:192
特設サイト
出版記念イベント:BAR YUNAMANA「ランカカレーとお酒と本と」
2026年8月23日(日)17〜23時(出入り自由)
会場:Bar Brown TOKYO(東京都渋谷区恵比寿南2丁目25-3 エビスハナビル 地下1階)