ニュース&トピックス

セルフケアをテーマにした展示「心の声をきく わたしを生きる術(すべ)」が東京都渋谷公園通りギャラリーにて6月27日〜8月30日まで開催
展覧会情報

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. セルフケアをテーマにした展示「心の声をきく わたしを生きる術(すべ)」が東京都渋谷公園通りギャラリーにて6月27日〜8月30日まで開催

【画像】展覧会のキービジュアル

渋谷の喧騒から離れて、自身の「心の声」に耳を傾ける展覧会

相手に「ご自愛ください」と伝えたり、忙しい日々のなかで「自分のための時間を作ってセルフケアしなきゃ」と考えたり。そうして意識すればするほど、どこか「ご自愛」そのものが義務やタスクのようになってしまい、肝心の自分の心が今どういう状態にあるのか、置いてきぼりになっているようなしっくりこなさを覚えることがあります。私は今何を思っていて、どうすれば安らぐのか。

そんな「心の声をきく」ことに焦点を当てた展覧会「心の声をきく わたしを生きる術(すべ)」が2026年6月27日(土)から、〈東京都渋谷公園通りギャラリー〉(東京都渋谷区)で開催されます。会期は、2026年8月30日(日)までで、入場は無料。何かを表現すること、そしてそこから何かを受け取ることを通じて、鑑賞者が自分と向き合う時間となることを目指した展示です。

【画像】展覧会のキービジュアル

心地よさと向き合う、展示空間と表現たち

本展では、4名の作家による、「セルフケア」の視点にも通じる多様な表現が紹介されます。自然との関わりや日常のなかから紡がれる表現や、作家たちそれぞれの感じる心地よさから生まれた作品が一堂に会し、作品そのものを味わうこと、そしてその空間に身を委ねることという、2つのアプローチから本展を楽しむことができます。

会場には、描く動作そのものを楽しむドローイングや、日常の風景を映し出す映像インスタレーション、日々の変化を記録した日記や心地よさを感じる場所を写した写真など、日常を省みるきっかけをくれる作品の数々が展示される予定です。これらの表現は、マインドフルネスやジャーナリングといった日頃のセルフケアの実践とも重なる部分があり、自分を労わる新たな視点をもたらしてくれます。

【画像】
「心の声をきく わたしを生きる術(すべ)」展示風景 写真:稲口俊太

そして、展示空間に身を置いて「ただ過ごしてみる」というのもおすすめです。会場は丸みを帯びた什器やカーテンで空間を区切ることで、やわらかな雰囲気の中でゆっくり過ごせる工夫がなされています。各展示室にはベンチが設置され、座りながら時間をかけて作品を見たり、物思いにふけったりすることも可能です。渋谷の喧騒から離れ、安らげるようなひとときを過ごせる空間づくりがなされています。

【画像】
「心の声をきく わたしを生きる術(すべ)」展示風景 写真:稲口俊太

4人の作家による、日常を省みるきっかけをくれる作品

出展するのは、自然との関わりや日常のなかから表現を紡ぎ、自分自身の心地よさを起点に制作を行う4人の作家です。

1人目は、身体の動きを楽しみながら、ゆったりとしたリズムに身を任せて円や線を描く稲田萌子さんです。

【画像】作品
稲田萌子《無題》2019年(画像提供:クラフト工房 La Mano)

稲田さんは東京都町田市にある障害者就労継続支援B型施設クラフト工房 La Mano(ラマノ)に所属。貼り絵、ドローイング、点描、刺繍など、多様な手法で作品を制作しています。〈こここ〉では過去に、稲田さんが所属する同工房を取材させてもらいました。

2人目は、写真家の植本一子さんです。植本さんは、2003年に「キヤノン写真新世紀」で優秀賞を受賞し、2013年からは写真館「天然スタジオ」を立ち上げ、一般家庭の記念撮影をライフワークとしています。

【画像】作品
植本さんが2025年に刊行した書籍にまつわる1枚(植本一子《ここは安心安全な場所》より 2025年)

また、写真家としての活動のほか、自身と向き合う日記やエッセイも刊行。〈こここ〉でも、植本さんの4年ぶり7冊目となるエッセイ集『愛は時間がかかる』を紹介しています。

3人目は、身近な日用品や風景を題材とした映像インスタレーションや、見落とされてきた社会問題に焦点をあてる映像作品を制作する志村信裕さんです。現在、千葉県香取市を拠点に活動しており、これまでにパリ、山口など拠点を変えながら、その場所の歴史や記憶を浮かび上がらせる作品を数多く手がけてきました。

【画像】作品
志村信裕《Dress》2012/2015年 2015年「未見の星座〈コンステレーション〉-つながり/発見のプラクティス」 展示風景 東京都現代美術館 撮影:加藤 健

志村さんには以前、美術家・デザイナーのブルーノ・ムナーリ(1907〜1998)の実践を参照するクリエイターとして、〈こここ〉に寄稿いただきました。

4人目は、〈社会福祉法人しらかばの会 たてしなホーム〉で工芸班に所属する吉田雅美さんです。幼少期からの習慣として、食事や作業後に自身の行動をノートに記録している吉田さん。工芸班の活動では朗読をしていて、今回は日記を朗読する様子を記録した映像が展示されます。

【画像】
吉田雅美 朗読する様子(2026年3月) 撮影:植本一子

本展に並ぶ作品たちは、自分の心の声をきくとはどういうことなのかを考える手がかりを届けてくれるはずです。2026年7月12日(日)14時からは、出展作家と作家関係者が登壇するアーティスト・トークも予定しています。

自分をいたわるヒントを見つけに、会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。