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パラ開会式のスタッフが集う舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」、25年秋に開演!オーディションへの応募は24年12月9日まで
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多様な個性でつくりあげる、“蒸気機関車”がモチーフの新作ダンス公演

聴覚障害のあるアスリートを対象とした国際総合スポーツ競技大会「デフリンピック」。100周年を迎える記念すべき大会が、2025年11月に「東京2025デフリンピック」として、日本で初開催されます。また同年には「東京2025世界陸上」も開催され、東京は国際スポーツ大会で賑わう年となります。

それらの開催に合わせて、東京2020パラリンピック開会式のキャスト・スタッフが再集結し、2025年11月、舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」を披露することが決定しました。〈東京芸術劇場 プレイハウス〉での上演にむけ、新しい舞台を一緒につくる仲間をオーディション形式で募集しています。

【画像】「TRAIN TRAIN TRAIN」チラシ。まだ見ぬ世界を駆け抜ける、のコピーと、出演者オーディション募集のワードがが目をひく
「TRAIN TRAIN TRAIN」チラシ

2つの国際スポーツ大会の開催を、文化芸術の分野から盛り上げる

東京でデフリンピックと世界陸上が開催される2025年に、東京2020大会のレガシーを継承・発展させるための3つのアートプロジェクト「TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム」が展開されます。芸術文化の魅力発信や、アクセシビリティの向上、それらを通じた共生社会の実現を図り、両大会を盛り上げることがねらいです。

その1つが、東京2020パラリンピック開会式のスタッフが中心となる新作公演「TRAIN TRAIN TRAIN」です。このプロジェクトを主催するのは〈東京都〉と〈公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場〉。これまでの経験を踏まえながら、障害のあるなしにかかわらず、多様な個性が共に生きる社会への想いを舞台化します。

東京2020パラリンピック開会式で披露されたのは「WE HAVE WINGS(=私たちには翼がある)」をコンセプトに、「翼」をテーマにしたパフォーマンスでした。700名を超える出演者のなかで、物語のメインとなる「片翼の小さな飛行機」を演じたのは、一般公募で選ばれた車椅子ユーザーの和合由依さん。その和合さんが、今回もキャストの軸となります。

【写真】車椅子に乗って笑顔でこちらを向く女性
東京2020パラリンピック開会式でメインの役を務めた和合由依さん(撮影:細野晋司)

多様な個性が躍動する姿を、パフォーマンスを通じて芸術的に描いたパラリンピックの式典は、無観客でありながら国内外から高く評価されました。そんな「片翼の小さな飛行機」の物語を手掛けたチームによる身体表現・音楽・言葉を用いて描く新作ダンス公演が、TOKYO FORWARD 2025 文化プログラムの一環で開催される「TRAIN TRAIN TRAIN」です。

「身体から音楽が聞こえたり、言葉が聞こえてくる」ような作品へ

舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」は、車椅子の少女が不思議なSLと旅をする冒険譚。和合さんや俳優の岡山天音さんに加え、パラ楽団のボーカルを務めた坂本美雨さん、パラリンピック開会式でパフォーマンスを行ったKAZUKIさん、はるな愛さんらの出演が予定されています。また、演出・振付を、パラリンピック開会式の演出・チーフ振付を担当したダンサーの森山開次さんが務めます。

【画像】モノクロで描かれた絵画。線路を走るSLの上や周囲、吐き出された煙の上などにたくさんの登場人物がいる。背後に大きな月
パラリンピック開会式の直後に森山さんが描いた1枚の「蒸気機関車の絵」から着想を得て、公演のモチーフが決まりました ©2021 森山開次

2024年11月16日に行われたキックオフトークショーで森山さんは、制作にむけて

「この作品では、身体から音楽が聞こえたり言葉が聞こえたりしてくるような、それぞれの“汽笛”を演出したいと思います。物事を動かすとき、さまざまなエネルギーがあるけれど、僕たちを動かすのは情熱だったり気持ちだったりするので、その気持ちをしっかりエンジンにくべて走っていきたいです」

と意気込みを語りました。

音楽は、東京2020パラリンピック開会式で賛歌の編曲や楽団の指揮を担当した、音楽家の蓮沼執太さん。アクセシビリティディレクターには、パラリンピック開閉会式の企画・演出振付・キャスティング・リハーサル運営・コメンタリーガイドを監修した栗栖良依さんが就任します。

また、パラリンピック開会式の総合演出を担当した演出家のウォーリー木下さんが、本公演のスペシャル・アンバサダーを務めます。

【写真】笑顔でこちらを向く6人
11月16日に行われたキックオフトークショーに登壇した制作メンバー。(左から)田中結夏さん(手話言語通訳士)・栗栖良枝さん・ウォーリー木下さん・はるな愛さん・森山開次さん・麻生かおりさん(手話言語通訳士)

現在、舞台「TRAIN TRAIN TRAIN」の出演者をオーディション形式で募集しています。書類・動画審査を経て、面談・実技オーディションは2025年1月に開催予定。舞台経験や障害の有無にかかわらず、誰でも応募できます。トークショーで和合さんより、応募を検討している人々に向けてメッセージが寄せられました。

「4年前の私のように、演技をしたことがない方や『自分は受からないかもしれない』と今考えている方でも、『楽しそうだな』『演劇の世界に触れてみたい』 と少しでも思っていたらぜひ応募してみてください。どのような出会いが待っているのか、今とてもワクワクしています。練習が始まるのが楽しみです」

マイノリティも含め、誰もが芸術文化にアクセスできる社会を目指していく「TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム」。舞台の息遣いを感じられる距離感が特徴の〈東京芸術劇場 プレイハウス〉で、「TRAIN TRAIN TRAIN」の制作メンバーは、観客も含めてさまざまな人がともに一つの空気を創りだせるような、新しい作品に挑戦しようとしています。

プロジェクトが気になる方はぜひこの機会に、参加を検討してみてはいかがでしょうか。