ニュース&トピックス

つくば市内の福祉事業所がつくるプロダクトを集めた店舗〈融点〉が役所内にオープン
店舗紹介

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. つくば市内の福祉事業所がつくるプロダクトを集めた店舗〈融点〉が役所内にオープン

【画像】融点のお店の様子

〈融点〉から、福祉に触れるきっかけづくりを目指して

茨城県つくば市内の福祉事業所がつくったプロダクトが並ぶお店〈融点(ゆうてん)〉が、2024年6月27日にオープンしました。場所は、市民の窓口であるつくば市役所の1階です。本店舗には、福祉事業所がつくるパンや野菜、お米などの食品から、アクセサリー、バッグなどの雑貨までが並び、販売されています。

学術都市、つくば市が目指す「頼れる福祉」

国立の研究機関や大学などが揃う日本国内最大の学術都市、つくば市。

「世界のあしたが見えるまち」をヴィジョンに掲げ、世界が抱える様々な問題の解決の道筋を示すような街づくりを目指しています。2018年にはSDGsの基本理念のもと「持続可能都市ヴィジョン」を公表し、「頼れる福祉」の観点から「すべての人が自分らしく生きるつくば」を推進してきました。

〈融点〉でラインナップされている商品は、これまで期間限定のイベント等で販売されていました。今回、障害のある人の賃金向上や福祉の接点創出を目的に、市役所内での常設店舗として〈融点〉が開業しました。

コンセプトは、障害のある人が地域とつながり、福祉や障害への既存のイメージを溶かし、新たな価値を創っていくこと。

〈融点〉店舗コンセプト

融点に達すると、物質の状態が
固体から液体へじわじわ変化するように。

この場を訪れると、あなたの気持ちが
じわじわ変化しはじめる。

そんな変化がゆっくりひろがり、
まちもじわじわ変化していく。

じわじわ変わる。
融点
【画像】店舗コンセプトが書かれた店内のボード

初日のオープニングイベントには五十嵐市長をはじめ、株式会社ヘラルボニー代表取締役Co-CEOの松田 崇弥さん、店舗の運営代表の高野 智史さんが登壇し、〈融点〉開業への思いを語りました。

五十嵐 立青市長
株式会社ヘラルボニー代表取締役Co-CEO 松田 崇弥さん

さらに完成記念プログラムとして、キーカラーである青と黄色の絵具が交わることで〈融点〉の文字が浮かび上がるサインボード作りが行われました。

屋外では、筑波山南麓をフィールドに知的に障害のある人たちと有機農業を中心とした環境運動に取り組む〈自然生クラブ〉による和太鼓パフォーマンスも行われ、オープンを盛り上げました。

株式会社ヘラルボニーがトータルプロデュースを担当

〈融点〉の店舗コンセプトから空間設計までトータルプロデュースしたのは、株式会社ヘラルボニー。主に知的障害のある作家のアート作品によるライセンス事業をはじめ、アートエージェンシーとして数々の企業やブランドとのコラボレーションも行っています。「異彩を、放て。」をミッションに、福祉を起点に新たな文化の創出を目指している会社です。

開業にあたり、「これまで『障害』や『福祉』との接点がなかった人々が障害のある人々と出会うきっかけとなり、交流が生まれることで多くの人に福祉を身近に感じてほしい」との思いから、つくば市と対話を重ねました。

商品を陳列するだけでなく、それぞれの事業所が大切にしていることなどが感じられるギャラリーのような店舗設計になっています。

【画像】店内の様子。中央には青から白のグラデーションカラーのディプレイ台が並び、その上に商品が置かれている。

食品から雑貨まで、多彩な品揃え

〈融点〉で販売される商品と、手がけた施設を一部ご紹介します。

・つくほう米 3kg/5㎏ 社会福祉法人筑峯学園

「合理性にとらわれない教育」をモットーに、つくば市で最も歴史のある事業所、〈社会福祉法人筑峯学園〉が手がけたお米「つくほう米」。筑波山の麓の雄大な自然の中で、農薬を最小限に抑えてつくられました。粘りと甘味が特徴のお米です。

・シナモンロール みもり園

障害者入所支援事業として主に社会福祉事業とリサイクル作業事業を運営する、〈みもり園〉。野生生物が生息する「里山自然園」を擁しており、自然の力を借りながら美味しい野菜の栽培や、薪や腐葉土の生産、パンやお菓子作りを行っています。シナモンロールの他にも、パンや焼き菓子などが〈融点〉に並びます。

・紙漉きメッセージカード アシタエラボ

「日本に暮らす障害のある人を幸せにすること」を理念に掲げ、就労支援B型事業所アシタエラボを運営している〈風株式会社〉。牛乳パックや新聞、段ボールを再利用し、紙漉きの工程を経てつくられた紙漉きメッセージカードを販売しています。ギフトや贈り物のメッセージカードとしてもぜひ。

・マイクロミニバッグ さくら学園

就労訓練を行う〈さくら学園〉は、手織りとオリジナルのイラストを組み合わせた一点もののマイクロミニバッグをはじめとした雑貨を販売。手織りで作るバッグや小物は機械では作れない味があり、緻密さの中の大胆なアイデアが目を惹きます。

その他にも、魅力的な商品がたくさんラインナップされています。つくば市にお越しの際は、ぜひ〈融点〉を訪れてみてください。