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旅の可能性をひろげるアイデアを探そう!「ユニバーサルツーリズムワークショップ」開催、車椅子トラベラー三代達也さんの講演も
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「旅行したい」「旅に出たい」を、あきらめないために
少しずつ季節が変わり、お出かけが楽しくなる行楽シーズン。旅行の計画を立てたり、旅に出たりすることは、リフレッシュにもリラックスにもなる心地よい時間です。けれど、旅に出ることは、必ずしも全員にとって簡単とはいえません。
「行きたい場所があっても、車椅子での移動が不安」「高齢の親と一緒に旅行したいけれど、どこなら安心して行けるのだろう?」そうした不安を抱える人を減らすために、私たちは何ができるでしょうか。
いつか旅に出たい、もっと気軽におでかけをしたいといった思いをどう叶えるかヒントを探るワークショップ「第1回 ユニバーサルツーリズムワークショップ ひろしま」が、2025年6月8日(日)、広島県福山市で開催されます。会場は〈iti SETOUCHI(イト セトウチ)〉で、参加無料。申込締切は6月1日(日)となっています。

旅に出たい、でも出られない。見えづらい「壁」を超える広島県観光連盟の取り組み
たとえば、車椅子を使う人が旅行に行こうとしたとき。行きたい場所のバリアフリー情報が見つからなかったり、移動中の乗り換えの不安があったりすると、旅行の楽しみよりも不安や不便が先立つ可能性があります。
また、視覚障害のある人や発達障害がある人にとっては、案内表示が分かりづらかったり、にぎやかな空間が負担になってしまったりするケースもあるかもしれません。障害の有無に限らず、高齢の方や小さな子ども連れの家族にとっても、混雑や移動の負担、音や段差など、旅行へのハードルは少なくない現状があります。

国土交通省観光庁観光産業課が、障害のある人や高齢者を対象にアンケートを実施し、2023年5月に報告した「ユニバーサルツーリズムに関する調査業務 報告書」によれば、旅行の頻度について、障害のある人の46.1%、高齢者の39.4%が「2年に1回程度」以下(「国内旅行はしていない」を含む)と回答。特に「移動」に関する不安が旅行の妨げになっている可能性が提示され、他にも不便を感じるポイントとして「ネット予約が難しい、手伝いが必要になる」「施設のバリアフリー情報が見つからない」「適切なサービスがあるかわからない」といった回答も挙げられました。
このような声に応えて、どんな人でも旅を楽しめるようにと考えられてきたのが、「ユニバーサルツーリズム」という考え方です。ユニバーサルツーリズムとは、高齢者や障害のある人、子ども連れの家族、外国人など、さまざまな立場の人が安心して楽しめるよう工夫された観光のあり方を指します。
観光地や宿泊施設をバリアフリー対応にしたり、移動時のサポートなどの情報をわかりやすく発信したり。旅のあらゆる場面に工夫や配慮を取り入れることで、年齢や障害の有無、家族構成や文化の違いに関係なく、誰もが心地よく旅行を楽しめるようにする取り組みが少しずつ広がりはじめているのです。
そうしたなかで、広島県域で観光産業の発展に取り組む〈一般社団法人 広島県観光連盟〉(HIT)も、誰もが安心して旅を楽しめる観光地づくりへの取り組みを始めています。2025年2月から「ひろしま公式観光サイト」で観光スポットや宿泊施設のバリアフリー情報の発信を行い、バリアフリーMAPも掲載するとともに、「車椅子で巡る広島」と題し、車椅子ユーザーの高橋尚子さんが平和記念公園や宮島を、中村珍晴さんが鞆の浦を旅する様子も動画で公開しました。
広島から、旅の可能性を広げていくワークショップ
そんなHITが主催する今回のワークショップ「ユニバーサルツーリズムワークショップ ひろしま」は、以前〈こここ〉でも地域密着型のケアについて取材した福山市・鞆の浦が舞台。西日本でも有数の観光地であるこの場所で、「障害のある方、高齢者、乳幼児連れの方などが本当に安心して楽しめているか」を改めて見つめ直し、地域の声を取り入れながら満足度の高い観光環境の実現を目指す一歩として企画されました。
旅の新しい可能性を考える本イベントは2部構成となっており、第1部では、車椅子トラベラーの三代達也さんによる講演「世界の観光地を旅して」を予定しています。三代さんは18歳のときバイク事故で頸髄を損傷し、車椅子での生活となった後、28歳で約9カ月間にわたり23カ国・42都市以上を巡り、世界一周を達成。SNSを通じた地域発信や福祉教育、講演活動に取り組むほか、旅行会社と連携しユニバーサルツーリズムの普及にも尽力しています。

講演では、旅をしたいと思ったきっかけや、初めての旅行体験で感じた思い、そして感動体験や乗り越えた困難などを話してくれます。クロストークや質疑応答の時間もあり、旅の魅力を共有する時間になるはずです。
続く第2部は、福山市の人気観光地・鞆の浦を舞台に、「福山・鞆の浦の旅行をもっと楽しくするには?」をテーマにしたアイデアワークショップを実施。4〜5名のグループに分かれ、それぞれの旅の感動体験や観光地に対する印象を共有しながら、福祉やサポートの視点から旅をもっと楽しむための工夫について意見を出し合います。
イベントはどなたでも無料で参加可能で、現地とオンラインのハイブリッド形式で開催されます。
ワークショップへの参加申し込みは2025年6月1日(日)まで、講演のオンライン視聴のみ希望の場合は6月8日(日)の10:00まで申し込み可能です。
旅に出ること。それは、人によっては少し勇気のいることかもしれません。けれど、ほんの少しの気づきや工夫が、誰かの「行ってみたい!」を後押しする力になるかもしれない。「ユニバーサルツーリズム」を通して、すべての人が心から旅を楽しめる社会を、広島から一緒に目指してみませんか?
Information
第1回 ユニバーサルツーリズムワークショップ ひろしま
日時:2025年6月8日(日)13:00〜16:00(開場12:30)
場所:iti SETOUCHI tovio(広島県福山市西町1丁目1−1 エフピコRiM1階)
内容:第1部 講演「世界の観光地を旅して」 講師:三代達也氏
第2部 ワークショップ「福山・鞆の浦の旅行をもっと楽しくするには?」(85分)
対象:障害のある方・ご家族、小さなお子さんや高齢のご家族がいる方、医療介護福祉従事者、観光・宿泊・飲食・交通事業者など
定員:60名(現地30名+オンライン30名)
※講演は最大100名までオンライン視聴可能
参加費:無料
形式:ハイブリッド開催(現地+オンライン)
申込締切|6月1日(日)23:59
※オンラインで講演視聴のみの方は6月8日(日)10:00
申し込み:Peatix
▼当日のプログラム
【第1部:講演「世界の観光地を旅して」(13:10〜14:00)】
講師:車椅子トラベラー 三代達也氏
・旅をしたいと思ったきっかけ
・怪我後はじめての旅行体験と、その想い
・旅先での感動体験、出会い、乗り越えた困難
・現在の活動紹介と、未来へのメッセージ
・クロストーク&質疑応答
【第2部:ワークショップ「福山・鞆の浦の旅行をもっと楽しくするには?」(14:10〜15:35)】
☆4〜5名のグループに分かれて、下記についてざっくばらんにお話します
・これまでに訪れた観光地での感動体験・旅の魅力について共有
・福山・鞆の浦の観光地について感じていることの共有
・福祉の視点から、観光地で感じたこと・改善したい点の共有
・どんなサポートや工夫があればもっと旅や外出を楽しめるか、アイデア出し
▼イベントスケジュール
13:00 オープニング / 広島県観光連盟(HIT)より挨拶
13:10 第1部 講演(講師:三代達也さん)
14:00 休憩
14:10 第2部 ワークショップ(現地・オンラインそれぞれに進行)
15:50 クロージング / 写真撮影
16:00 終了
主催:一般社団法人 広島県観光連盟(HIT)
運営:リハノワ
お問い合わせ先:ワークショップ運営事務局
担当:リハノワ 河村
mail:kawamoo@rehanowa.com
※ 電話でのお問い合わせの場合は、082-221-6516(広島県観光連盟(HIT) 出口)までご連絡ください