ニュース&トピックス

〈ケアまねぶ〉が公開研究会「アーティストとのアセスメントから見えてきた」を開催。3月5日、京都市にて
イベント情報

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 〈ケアまねぶ〉が公開研究会「アーティストとのアセスメントから見えてきた」を開催。3月5日、京都市にて

フライヤー
2023年3月5日(日)、〈京都市下京いきいき市民活動センター〉にて開催されます

リサーチ・コレクティブ〈ケアまねぶ〉の公開研究会

芸術家が、継続的な創作活動を実現するために資金やアトリエを提供する仕組みや、ある土地に滞在し、作品の制作やリサーチ活動を行なうことを支援する「アーティスト・イン・レジデンス」など、芸術家を支援する仕組みは官民問わずさまざまな形で増えています。

しかし、一人ひとりのニーズや思いに寄り添った支援、時にハラスメントなどで追い詰められた人たちへの支援のあり方については、まだ十分に議論がなされていません。

芸術と福祉分野を横断しながら活動しているメンバーが集まるリサーチ・コレクティブ〈ケアまねぶ〉は、2021年秋頃から、「一人ひとりのケアを突き詰めると多くの人のためになる予感」をもとに、福祉分野のケアマネジメント理論のアート分野への応用を試み、アーティストの日常にも関わるマネジメントを模索してきました。

〈ケアまねぶ〉が今年度アーティスト2名とともに、アセスメント(情報整理)を行うなど支援のしくみづくりを模索した実験の様子を共有し、ゲストや、来場される方と議論を深める場として、公開研究会「アーティストとのアセスメントから見えてきた」を開きます。開催は2023年3月5日(日)、会場は〈京都市下京いきいき市民活動センター〉です。

芸術分野におけるケアマネジメントのあり方を検討・実践した今年度

芸術の現場の「ケア」はいかにして可能か。

そんな問いを掲げ、今年度〈ケアまねぶ〉は、特定の若手芸術家個人の芸術活動や社会生活に対して、「ケアマネジメント」のあり方を検討し、試行的な実践を行ってきました。

具体的には下記三つを実施しています。

①若手芸術家本人とともにアセスメント(ヒアリング)の実施 
②アセスメントを元に、本人の潜在的なニーズを記載したケアプランの作成
③芸術家が関与する現場のモニタリング(観察および分析)

福祉分野における「ケアマネジメント」とは、個人の「尊厳」や「自己決定」を保障し適切なサービスの選択ができるように支援する制度です。実際のサービスでは、ケアマネジャーや相談支援専門員がケアプランやサービス等利用計画を当事者とともに作成し、介護(障害福祉)サービスを実施する事業者との仲介を行い、経過をモニタリングします。

この枠組みを応用し、〈ケアまねぶ〉では、芸術家とともに芸術家の活動歴や現在おかれている状況に関する情報整理のためのアセスメントを実施。その上で、表現活動と個人のキャリアとの両軸を活かすためのケアプランを作成してきました。

4名のメンバーと2名のゲストと共にテーマを深掘りする

3月5日の公開研究会では、こうした活動の成果を共有すると共に、支援を拡充するための議論を、来場される皆さんと深めていきます。

当日は、〈ケアまねぶ〉のメンバー4名とゲスト2名が登壇予定です。

〈ケアまねぶ〉メンバーは、福祉と芸術の横断的実践やアートプロジェクトを専門とする、〈みずのき美術館〉 キュレーターで〈Social Work/Art Conference〉ディレクターの奥山理子さん。芸術における場づくりを得意とし、障害福祉サービス事業所〈すごすセンター〉を自ら経営し介護福祉士・児童指導員・生活支援員(障害福祉)としても活動する、〈すごす/センター/家/AIR〉代表のタカハシ’タカカーン’セイジ/髙橋 誠司さん。芸術実践論やアーツマネジメントを研究する九州大学大学院芸術工学研究院・准教授の⻑津結一郎さん。舞台芸術やアートプロジェクトの制作経験から、アーティストのキャリアサポートを行う〈Mapino Front〉代表の松岡真弥さんの4名です。

ケアまねぶのメンバーイラスト
イラスト:YukoNexus6

また、当日ゲストとして、〈社会福祉法人わたぼうしの会 たんぽぽ相談支援センター〉相談員の内山尚子さんと、〈京都市文化政策コーディネーター〉山本麻友美さんが参加します。


3月5日、ご都合のつく方はぜひイベントに足をお運びください。また、「ケアまねぶ」は今後も活動を継続していくので、興味のある方はウェブサイトやInstagramをチェックしてみてください。