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介護・福祉のケアに触れよう! 4都県の現場をめぐる「ケアするしごとツアー」2025年12月スタート
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訪問する4施設の写真が入った画像。12月6日に広島、1月17日に宮城、1月20日に東京、2月11日に神奈川で開催

全国の“暮らしとケア”に出会う旅

介護や福祉の世界に関心があって、どんな仕事をするのか、どんな働き方があるのか知りたい。地域ごとのケアの違いを見てみたい。そう思っていても、知らない現場をたずねるのは難しく感じるのではないでしょうか。

そんな方に向けた、全国の福祉現場に足を踏み入れて“暮らしとケア”を体感するツアー「ケアするしごとツアー」が、〈こここ〉と、介護に関心を持つ人の学び合いのコミュニティ〈KAIGO LEADERS〉(運営:株式会社Blanket)によって実施されます。

日程は、2025年12月〜2026年2月の間、計4回開催。1回ごとに参加が可能です。参加費は無料で、見学先までの交通費や宿泊費、昼食代などは自己負担となります。

左側に老年の男性、右側に秋本さん。施設の前に立ち、談笑している様子
昨年度のツアー中の様子。右はアテンドを担当した、〈KAIGO LEADERS〉発起人の秋本可愛さん

地域のおけるケアのあり方を体感できる4つの施設

今年度のツアーで訪れるのは、広島、宮城、東京、神奈川にある4つのユニークな介護・福祉事業所です。それぞれの施設で代表の方のお話を伺い、施設の施設の見学と現場で働く方のお話を聞いたり、交流をしたりする時間が設けられています。

日程順に、訪れる施設をご紹介しましょう。

①まちぐるみで育まれるケア——12月6日(土)鞆の浦・さくらホーム/広島県福山市

初回に訪問するのは、瀬戸内海に面する小さな港町・鞆の浦。まちなかに、介護・障害福祉・就労支援など5つの拠点を展開する〈さくらホーム〉をたずねます。「年齢を重ねても 障がいがあっても 居場所となるまちづくり」を掲げ、弱さやハンディのある人を排除しない、地域にひらかれた福祉を実践しています。

古民家を活用した宿と交流の場「燧冶(ひうちや)」も運営するなど、介護・福祉事業所という枠を超え、まちぐるみで育まれているケアを今回のツアーでは体感します。

障害や生きづらさを抱える方の働く場でもあるカフェ「スープとおにぎり クランク」では、地元の食材を使ったランチも提供中。観光で訪れる方や地元の方にも親しまれている場所なので、ツアー前に立ち寄って昼食をとるのもおすすめです。

海辺のまちの景色。向こうに浮かぶ島が見える
撮影:加藤甫

②多様な人と「生きる」を学ぶ——1月17日(土)ライフの学校/宮城県仙台市

2回目に訪れるのは、宮城県仙台市にある〈ライフの学校〉です。日々のケアの中にある「いのち」や「暮らし」、「生きる」ことについて学び合う拠点をめざし、高齢・障害福祉を中心に6つの施設を「キャンパス」と称して展開しています。

施設と地域の間にあった壁をなくした庭、ライフの図書館、駄菓子屋などを地域にひらく仕組みを整え、子どもや地域の人が自然に集い、世代を超えて交流できる地域の拠点となっています。

奥にマイクを向けられたパートナーが座り、隣にはスライドが映っている手前のベンチには子どもたちが座って、話を聞いている

パートナー(ライフの学校では、入居者や利用者をこう呼びます)の人生を振り返る「ライフストーリー学」や、パートナーのゆかりの料理を一緒に味わう、「暮らしの食堂」や「こども食堂」など、毎月さまざまなプログラムを実施。

障害の有無や国籍、年代を問わず、多様な人が混じり合い、「いのち」に触れ、「生きる」を学ぶライフの学校の日常を体感します。

③多世代がごちゃまぜで過ごす空間——1月20日(火)深川えんみち/東京都江東区

3回目に訪れる〈深川えんみち〉は、東京都江東区にある複合型福祉施設です。1階には高齢者のためのデイサービス、2階には学童保育クラブと子育てひろばを備え、世代を超えて人が集まる場所をつくっています。

施設内には私設図書館も併設。日ごろ「福祉」と接点を持ちにくい世代や地域住民も自然に立ち寄れる環境が整っています。

子どもからお年寄りまで、年齢やジェンダーに関係なく過ごす「ごちゃまぜの生活空間」では、実際にどう互いを思いあっているのでしょう。当日は、施設見学や職員さんのお話を聞くほか、デイサービスのプログラムへの参加も予定しています。

奥に高齢者たちの空間があり、そちらを見ながら手前をランドセルを背負った子どもたちが歩いている
撮影:川島彩水

④地域の誰もが楽しめる場を生み出す——2月11日(水・祝)シニアライフセラピー研究所/神奈川県藤沢市

〈NPO法人シニアライフセラピー研究所〉では、シニアの人生経験を活かし、地域福祉の向上を目指して活動を続けています。

「ないものは共に創る」をモットーに、就労支援やデイサービス、子ども食堂、傾聴ボランティア育成、農福連携、海外支援など、多彩な取り組みを展開。神奈川県藤沢市の鵠沼海岸では、デイサービスの利用者が調理を担うカフェレストラン「かめキッチン」をはじめ、天然酵母のパンを販売する「パン遊房亀吉」、さまざまな習い事を楽しめるコミュニティスペースなど、地域の誰もが楽しめる場を生み出しています。

ツアーではこうした施設を訪ね、お話を伺います。施設で販売しているお弁当やパンを自由に購入する昼食の時間には、歓迎パフォーマンスも予定されています。

お惣菜や食材が並んだキッチンの奥で、エプロンと三角巾を身に着けたシニアの方4人がこちらを見て微笑んでいる

暮らしや生き方を考えるための、新しい視点に出会う

「ケアするしごとツアー」の開催は2回目。昨年度も4つの介護・福祉事業所を訪れました。

それぞれ今回とは異なる施設ですが、敷地内で行われた焚き火に参加したり、おばちゃんの手づくりの料理が食べられる食堂で食事をしたり、一緒にドッチボールをしたり、さまざまな場所でスタッフや施設の利用者と交流する風景が生まれていました。

左側のキッチンの中で話している様子のおばあちゃんに、右側のカウンターに並んで食事をしている人たちが笑っている
栃木県大田原市の「おばあちゃん食堂」で食事をする参加者

参加者からは「どうしたらこんな場をつくれるのか、もっと勉強してみたくなりました」「システムや既にあるものに利用者を当てはめるのではなく、一人ひとりのやりたいことをみつけていく姿勢がすごく響きました」などの感想のほか、「ツアーが終わった後、働いてみたいと思い、派遣スタッフを募集していないか問い合わせました」という声も届きました。

今回のツアーでは、介護や福祉の現場で働く方のみならず、初めて現場に触れる方でも安心して過ごせるように、KAIGO LEADERSのコミュニティマネージャー・佐々木将人さんとメンバーの小山可奈絵さんが案内人となり、参加者のサポートをします。

ツアーには1回から参加可能で、各回の定員は15名。応募者多数の場合は、過去に介護・福祉職に就いたことがない方を優先的にご案内します。

ケアのあり方から、自分自身の暮らしや生き方を考えるための新しい視点を得ることができるツアー。介護や福祉の現場を体感してみたい方はもちろん、「地域で広がる新しい福祉のかたち」や「ケアと自分の生き方のつながり」に関心がある方にもおすすめです。まずはイベントページを覗いてみませんか。