会話をしながら遠隔で買い物が楽しめる、リモートショッピング
障害のある人が手がけた雑貨を専門に扱うセレクトショップ〈マジェルカ〉（東京都武蔵野市）が、「リモートショッピング」のサービスをリニューアルしました。リモートショッピングは、コロナ禍において、感染リスクを減らしながら買い物を楽しんでもらう取り組みとして、〈マジェルカ〉が2020年4月に始めたもの。2021年4月からは毎週火曜と日曜の午前11時に定期的に実施しています。
利用は予約制で、ホームページのQRコードから希望日時を選びます。予約前日にオンライン会議ツールの利用方法が記載されたメールが届いたら、利用方法に沿って準備。当日の予約時間に〈マジェルカ〉のスタッフとオンラインでつながり、買い物がスタートです。スタッフに店舗内の様子や、店内に並ぶ商品を案内してもらいながら商品を選びます。購入を決めたときはスタッフに伝え、オンラインショップを通じて決済を行います。
リモートショッピングの一回の予約枠は3人まで。家族や友人と一緒に参加することも可能です。少人数だからこそ、利用者は気になる物を実際に手に取るかのようにじっくり見ることや、商品がつくられた背景についてスタッフから詳しく話を聞くことができます。
マジェルカが取り組む、“ウェルフェアトレード”とは
〈マジェルカ〉は、おしゃれなカフェや雑貨店がひしめき合う吉祥寺にお店をかまえる、障害のある人が手掛けた雑貨を専門に扱うセレクトショップです。福祉施設でつくられた魅力的な製品を、つくり手の情報とともに発信。製品の価値に見合う価格で販売することで、「社会における障害のある人への理解促進」と「障害のある人の社会参加と収入や働きがい向上」につなげています。この流通の仕組みを「ウェルフェア（福祉）」と「フェアトレード（公正な取引）」を合わせた造語、“ウェルフェアトレード”と呼び、2011年の開業から実践してきました。
現在取引している福祉作業所は、日本全国で70団体以上。製品を仕入れるだけではなく、ときに作業所と一緒に商品の企画・開発も行います。吉祥寺の店舗やオンラインショップの他、百貨店などの催事販売も行い、障害のある人の仕事や、魅力的な製品を知ってもらうきっかけを提供しています。
障害のある人とない人が当たり前に混ざり合う社会を目指して
2020年末には、店舗を運営する株式会社マジェルカとは別に、一般社団法人マジェルカを新たに立ち上げました。一般社団法人では、〈マジェルカ〉の活動に共感する個人・企業・団体をサポーター会員、〈マジェルカ〉で商品の取り扱いを希望し、ウェルフェアトレードの理念に共感する福祉事業所・団体をパートナー会員として募集。両者をつなぎ、「福祉と社会をつなげるパイプ役」として、福祉作業所・福祉ショップの相談対応や販路拡大支援のほか、ウェルフェアトレードをテーマにしたイベントの開催を予定しています。
イベントの第一弾として開催されるのは、〈マジェルカ〉とパートナーシップを組む福祉作業所をオンラインで訪ねるスタディーツアー（日本財団助成事業）。2021年4月23日に神奈川県平塚市にある「studio cooca（スタジオクーカ）」を訪ね、その後も定期的に開催を予定しています。参加費は一般2000円（おみやげ付き）、会員と学生は無料です。
「障害のある人とない人が当たり前に混ざり合うインクルーシブな社会」の実現を目指す〈マジェルカ〉。ショッピングやイベントへの参加を通じて、ウェルフェアトレードの環に加わってみてはいかがでしょうか？
Information
マジェルカ
住所：東京都武蔵野市吉祥寺本町3-3-11 中田ビル1F・B1F
TEL : 0422-27-1623
営業時間：不定休 11:00〜19:00
※緊急事態宣言発出を受け、2021年4月25日から5月11日まで、店舗は臨時休業となりました。オンラインショップ、リモートショッピングは継続するとのこと。詳しくはWebサイトで最新情報をご確認ください。（2021年4月26日編集部追記）
Webサイト：マジェルカ、オンラインショップ、リモートショッピング、スタディツアー
※手話で対応ができるスタッフがいます。リモートショッピング予約時にお問い合わせください。