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障害のある人とない人がつながる場を守る。雑貨店〈マジェルカ〉がクラファンをスタート!
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マジェルカのてんぽのまえにたくさんのひとがつどうイラストのうえに「しょうがいのあるひと、ないひとが、つながるば、マジェルカをまもりたい」のもじ
2021年11月10日までクラウドファンディングに挑戦中の雑貨店〈マジェルカ〉

コロナ禍で存続の危機。雑貨店〈マジェルカ〉がクラファン挑戦中

障害のある人が手がけた雑貨を専門に扱うセレクトショップ〈マジェルカ〉(東京都武蔵野市)が、クラウドファンディングに挑戦しています。

〈マジェルカ〉は、おしゃれなカフェや雑貨店がひしめき合う東京・吉祥寺エリアにお店を構えるセレクトショップです。特徴的なのは、福祉施設でつくられた雑貨のみを扱っていること。 以前の〈こここ〉ニュースでもオンラインショップのサービスリニューアルを中心に紹介しました。

色とりどりのバッグや器、アクセサリーなどがディスプレイされた洗練された印象の店舗には、福祉施設が手がけた雑貨の専門店とは知らずに訪れる人がほとんど。2011年の開業以来、何気なく手にとった雑貨を通して障害のある人と出会ったり、その雑貨を購入することで福祉施設の活動を応援したりできる場として、多い日は1日1,000人近くが国内外から来店し、賑わっていました。

ばっぐやうつわなどのざっかがならぶ、みせさきのようす
カラフルな雑貨が店先を彩る〈マジェルカ〉の外観

しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現在は1日の来店者数が100人に満たない日も多く、店舗売上も6割ほどに激減。赤字が積み重なった〈マジェルカ〉は今、存続の危機にあります。当面の運営費をまかないつつ、〈マジェルカ〉の活動をより多くの方に伝えるためにクラウドファンディングで支援を募っています。

つくり手の働きがいや収入を支える、“ウェルフェアトレード”の仕組み

これまで〈マジェルカ〉が取引をしてきた福祉施設は、全国で延べ200事業所以上。福祉施設でつくられた魅力的な製品を、その価値に見合う価格で販売することで、「社会における障害のある人への理解促進」と「障害のある人の社会参加と収入や働きがい向上」を目指してきました。

この流通の仕組みを「ウェルフェア(福祉)」と「フェアトレード(公正な取引)」を合わせた造語“ウェルフェアトレード”と呼んで、実践しています。

「しゃかい」と「ふくし」がかさなるところに
〈マジェルカ〉がウェルフェアトレードによって実現したいと考える、インクルーシブな社会

取引施設を対象としたアンケート調査では、「マジェルカとの取引により売り上げが増加した」という回答が68%、内12%は「売上額が5割以上増加した」とも。

「マジェルカとの取引により施設に通う利用者(障害のある人)の制作活動に良い影響があったか」という質問には81%が「あった」と回答。「吉祥寺で自分たちの商品が売られているのが自信につながっている」「商品のクオリティを意識するようになった」という声が寄せられています。

さまざまなつくりてたちのてもとや、すがたのしゃしんが、パッチワークのようになっている
〈マジェルカ〉という場で手がけた製品が販売されていることは、つくり手の自信にもつながっています

「支援者であるスタッフに良い影響はあったか」という質問に対しては、64%が「あった」と回答。「商品に対して自信やプライドを持てるようになった」「ビジネス取引について勉強することができた」「思っていた以上に利用者が取り組めることがあることを知った」との声がありました。

このように、“ウェルフェアトレード”の仕組みは、施設で働く障害のある人の働きがいと収入の向上、さらに、障害のある人を支援する人の意識の変化などのポジティブな変化を生み出してきました。

ウェルフェアトレードの輪をさらに広げるための挑戦

〈マジェルカ〉は、つくり手である障害のある人への還元を重要視していることや、取引相手が福祉施設であることから、一般的な雑貨小売に比べて販売利益が低いことに、慢性的な課題を抱えてきました。さらに吉祥寺という場所柄店舗家賃が高いことや、販売活動にかかるコストが単価の割に大きいこと、そこへコロナ禍で売上が6割まで減ったことで赤字が積み重なっています。

こうした赤字をカバーするために当面の資金を調達すること、そしてこれを機に、たくさんの方に“ウェルフェアトレード”の活動に参加してもらうことを目的に、クラウドファンディングを実施しています。

フェスタでせいひんをみる、おやこのうしろすがた
2021年6月に小金井市で開催したウェルフェアトレードフェスタ。この他にも、全国の福祉施設を訪ねるオンラインスタディツアーや、福祉施設を対象にしたセミナー・ワークショップなど、雑貨の販売活動で培ったネットワークを活かして、非営利の活動も展開しています

「ほぼ何もないところに種まきをし、ここまで育ててきたウェルフェアトレード。これからも育て、大きな花を咲かせるために、みなさまのお力をお貸しくだされば幸いです。」(〈マジェルカ〉代表 藤本光浩さん)

「このクラウドファンディングを機に、マジェルカが取り組む社会課題やアプローチを多くの方に知っていただき、活動の輪に加わっていただけると嬉しいです!」(〈マジェルカ〉理事 伊藤みのりさん)

障害のあるつくり手をサポートするのみならず、製品の販売を通して障害のある人とない人をつなげる場としても大きな役割を担ってきた〈マジェルカ〉。活動を応援したいと思った方は、ぜひ〈マジェルカ〉のクラウドファンディングページをご覧ください。