ニュース&トピックス

1日限定の手話教室「手話カフェ」が9月21日(日)山梨県立美術館のカフェ&レストラン〈コレル〉にて開催
イベント情報

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 1日限定の手話教室「手話カフェ」が9月21日(日)山梨県立美術館のカフェ&レストラン〈コレル〉にて開催

講師のふたりが立って手話をレクチャーしている様子
山梨県立美術館のカフェ&レストラン〈コレル〉で開催する「手話カフェ」©KEIPE.inc

「やまなし手話言語の日」に先がけて、「手話カフェ」を開催 

学びの秋、食欲の秋など、秋という季節の頭には、いろいろな言葉が付きます。そんな秋の始まりの9月に、おいしいものを食べつつ、「学びたい」という気持ちを満たしてくれるイベントが山梨で開催されます。

毎年9月は「障害者雇用支援月間」とされ、さまざまな団体が「障害者雇用」にまつわる活動やイベントを実施します。さらに、毎年9月23日は「手話言語の国際デー」であると同時に、山梨県では「やまなし手話言語の日」と制定されています。

日本各地で、手話が独自の文法を持つ言語であることを正しく認識して「普及と理解」を促進するために「手話言語条例」が制定されていますが、山梨県では2023年に「山梨県手話言語条例」を施行し、その9条で全国初の手話言語の日として「やまなし手話言語の日」を設けました。

そんな23日に先がけた2025年9月21日(日)、山梨県立美術館内のユニバーサルカフェ&レストラン〈COLERE(コレル)〉にて、ビギナー向けの手話教室「手話カフェ」が1日限定で開催されます。

ブルーベリーとラズベリーが乗ったフレンチトーストとサラダ、ソーセージ、アイスクリームのプレート
「手話カフェ」の参加費には、フレンチトーストプレートとドリンクが含まれます ©KEIPE.inc

聴覚に障害のあるスタッフによる「『手話言語条例』が制定された山梨で、手話を身近に感じられるよう普及に努めたい」との思いからスタートして、これが2回目の開催。フレンチトーストのプレートとドリンクを楽しみながら、挨拶や自己紹介などの基本的な手話表現を学ぶことができます。

誰もが「来れる、楽しめる」カフェで手話を学ぶ

参加者と講師が一対一でやり取りをしている様子
第1回「手話カフェ」(2025年8月3日開催)の様子 ©KEIPE.inc

会場となるカフェ&レストラン〈コレル〉は、お客さまもスタッフも安心して「来れる、楽しめる」場所でありたい、という思いから名付けられました。11名中9名のスタッフに知的障害、身体障害、精神障害などの障害があり、メニュー開発、ホール調理、マーケティングなどの運営が、障害があるなしのボーダーを引かずに行われています。

2025年8月3日(日)の第1回「手話カフェ」は、参加者10名と講師2名という気軽に質問のしやすい人数で行われ、前半は基本表現のレクチャー、後半は飲食&フリートークと1対1で向き合う時間が多くとられました。

手話を必要とする人たちの思いが尊重される環境づくりを

手話は、ろう者にとって重要な情報伝達手段であると同時に、独自の文法を持つ「言語」です。しかし、山梨県内には聴覚に障害を持つ人が約2,400人(注1)いるのに対して、手話通訳士は32人(注2)と、その不足が課題となっています。

「手話カフェ」で、手話や手話言語条例にふれる機会をつくることが「手話を使用しやすい環境づくり」の一助となって、それが「手話を必要とする方の思いが尊重され、だれもが安心して生活できる」ことにつながるとの考えのもと、今回、第2回が行われることになりました。

注1…山梨県、令和7年3月「年度別身体障害者手帳交付者数」より
注2…社会福祉法人聴力障害者情報文化センター、令和7年5月「手話通訳士登録者数」より

手話をレクチャーする男性
「手話カフェ」を企画した大久保さん ©KEIPE.inc

「手話カフェ」の企画を立ち上げたのは、コレルでバリスタ・ホールスタッフを務める大久保洋文さん。自身も聴覚障害がある大久保さんは「多くの方に、手話をより身近に感じてほしいと思い企画を立ち上げました。『手話カフェ』を通して「手話言語条例」の存在を知っていただき、手話の楽しさが広まっていくと嬉しいです」とコメントを寄せています。

秋の外出先の候補に「手話カフェ」を

コレルのコンセプトムービー ©KEIPE.inc

コレルを運営するのは、社会課題の「事業開発」での解決をめざすソーシャルベンチャーKEIPE(ケイプ)株式会社です。障害者の就労支援事業からスタートしたケイプは、さまざまな事業を通して「障害者と地域の課題解決」に取り組んでいます。

コレルでは、誰もが安心して「来れる」場所をめざすと同時に、山梨県産食材をふんだんに使った料理や、フルーツスムージー、ワインなどが楽しめます。美術館での鑑賞前後はもちろん、カフェのみの利用も可能です。

夏の暑さが和らいで、外出がしやすくなるこの季節、気軽に「手話カフェ」に足を運んでみてはいかがでしょうか?

イベントの告知画像。8割が障害者スタッフのレストラン。 1DAY手話カフェ開催と書いてある。