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身体とAIの対峙を描いた〈態変〉の新作『BRAIN 2』が2月20日〜23日に大阪で上演
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映像が映し出された6つのパネルの前に、青いレオタードを身に着けた5人の人が集まってポーズをとっている
国際芸術祭「あいち2025」パフォーミングアーツ態変『BRAIN(ブレイン)』Photo:相模友士郎

進化の過程から近未来社会を縦断する、脳をテーマにした新作

障害のある身体の表現を追究するパフォーマンスグループ〈態変〉が、2026年2月20日(金)〜23日(月)に〈扇町ミュージアムキューブ 〉(大阪府大阪市)にて『BRAIN 2』を上演します。本作は、2025年9月に国際芸術祭「あいち2025」にて初演し、大きな反響を呼んだ『BRAIN』をさらに発展させた新作です。

『BRAIN 2』では、38億年におよぶ時間軸の中で、直立することを選ばなかった芋虫集団の姿を、進化史における「もうひとつの可能性」として描きます。また『BRAIN』に引き続き、AI を用いた作品制作で注目を集めるアーティスト・時里充さんをシステム・アーキテクトとして迎え、AI によって管理された近未来都市を描き出します。

青いレオタードを身に着けた人が寝転んだり座ったりしている。真ん中の人は右手を頭の上にあげ、大きく口を開いている
国際芸術祭「あいち2025」パフォーミングアーツ態変『BRAIN(ブレイン)』Photo:相模友士郎

〈態変〉と金滿里さん

〈態変〉は、身体に障害のある人にしか演じられない身体表現を追究するパフォーマンスグループとして、1983年に金滿里さんが大阪を拠点に立ち上げました。身体の有り様がよく見えるレオタードを基本ユニホームとし、障害のある身体自体を表現力に転化して、舞台表現をつくり出します。近年では、「横浜国際舞台芸術ミーティング(YPAM)」への出演や、活動40周年を記念したアフリカをテーマにした作品『私たちはアフリカからやってきた』の上演などを行ってきました。

主宰の金さん自身、幼少期にポリオを発症し、身体に重度の障害があります。4年間の入院治療の末に、肢体不自由児施設で10年間過ごした生い立ちや、障害者自立解放運動への参画、「態変」の旗揚げから1児の母になるまでのことなど。その半生は、著書『生きることのはじまり』(2024年、人々舎)にも詳しく描かれています。

書影
1996年に筑摩書房から発刊されたのち絶版となっていた金滿里さん著『生きることのはじまり』は、2024年に人々舎より新装復刻されました。装画はミロコマチコさん

障害のあるパフォーマーの身体とAIの対峙を描く『BRAIN2』

今回の公演『BRAIN2』は、2025年9月に国際芸術祭「あいち2025」で初演された『BRAIN』を発展させた新作です。『BRAIN』は、脳による制御から外れた障害のあるパフォーマーの身体と、脳のねじれた関係をテーマに創作。脳、身体、人工知能の関係から生命の尊厳について問いかけました。

茶色のゴツゴツしたものを上半身に身に着けて座っているパフォーマー2人
国際芸術祭「あいち2025」パフォーミングアーツ態変『BRAIN(ブレイン)』Photo:相模友士郎

『BRAIN2』では、38億年におよぶ時間軸の中で直立することを選ばなかった芋虫集団を軸に物語が展開。作品後半では、芋虫集団がAIに管理された近未来都市に迷い込みます。パフォーマーとAIは共に生きることができるのか、もしくは争いか。対峙をより深堀りしながら、新たな結末を描きます。

『BRAIN』に引き続き、メディア技術を用いた作品を制作するアーティスト・時里充さんとコラボレーションを行います。また音楽は、アルタイ共和国を代表する歌手ボロット・バイルシェフ率いるユニット「チュルク・カバイ」と、実験的な音楽作品を手掛けるアーティスト_underline によるものを使用。雄大な音楽と、近未来を感じる機械的な音楽が交差します。

青いレオタードを身に着けた7人が腹ばいになって、舞台から正面を見つめている
国際芸術祭「あいち2025」パフォーミングアーツ態変『BRAIN(ブレイン)』Photo:相模友士郎

終演後にアフタートークを実施

2月20日(金)19:00、21日(土)13:00、22日(日)17:00、23日(月祝)13:00の回は、終演後に日替わりのゲストと金さんによるアフタートークが行われます。ゲストはコラボレーターの時里さんのほか、舞踏カンパニー〈倚羅座〉主宰の今貂子さん、楽曲で参加している_underline(Rubber Artist)さん、ダンサーの斉藤綾子さんです。

 

6つのモニターの前に5人の人が佇んでいる
国際芸術祭「あいち2025」パフォーミングアーツ態変『BRAIN(ブレイン)』Photo:相模友士郎

金さんは公演に寄せて、「43年間にわたって脳からのコントロールを介さずにダイレクトに体自身が語りだすものを捉え出現させることに価値を置いてきた」と前置きしながら、こう述べます。

“パフォーマーの身体が語りだすその次、今度は脳をその身体の一部として仲間に入れたくなった。国際芸術祭「あいち 2025」で作った『BRAIN(ブレイン)』ではそのことを問題にした。そこで表出させられたからこそ、次に見えてきたもの。脳も AI も、身体という大宇宙の、片鱗にしか過ぎない。が、その身体と脳で人間は戦争という最大の軽薄な破壊をやらかす今に、我々は生きているということである。”

人類の進化から近未来まで描かれる壮大な物語。その先に、人類と人工知能のどのような新しい関係性や可能性が描かれるのでしょうか。気になる方はぜひ劇場へ足を運んでみてください。