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〈態変〉40周年記念。アフリカをテーマに8月25・26日プレ企画、10月新作『私たちはアフリカからやってきた』上演
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チラシの表画像。緑、赤、黄色、黒の衣装をまとった劇団員が寝そべっているところを上から撮った写真に公演タイトル
40周年記念公演が、2023年10月27日(金)〜29日(日)まで大阪の〈ABCホール〉で上演されます

〈態変〉が40周年を記念して、アフリカをテーマにした企画を実施

身体に障害のある人による表現を追究するパフォーマンスグループ〈態変〉(旧〈劇団態変〉)が40周年を記念して、アフリカをテーマにした企画を実施します。

2023年8月25日(金)と26日(土)は「態変アフリカdays」として、1992年に実施された〈態変〉ケニヤ公演の振り返りや、ケニヤで孤児院の運営やシングルマザーの自立支援に取り組む菊本照子さんの講演会をメタモルホール(大阪府大阪市)で実施。

10月27日(金)〜29日(日)には、新作『私たちはアフリカからやってきた』を、ABCホール(大阪府大阪市)で上演します。

白い衣装を着た出演者が縦一列に、立ったり寝そべったり、ひざをついたりしながら並んでいる。雪のようなものが舞っている
『白花弁の歌』(2022) ©bozzo

障害のある人による、どこにもない身体表現を追究する〈態変〉

〈態変〉は、1983年に大阪で旗揚げされたパフォーマンスグループです。自身も全身麻痺の重度身体障害者である主宰・金滿里さんの、「身体障害者の障害自体を表現力に転じ未踏の美を創り出すことができる」という思想に基づいて、障害のある人の芸術表現を追究しています。海外での公演も多く、これまでアフリカ、欧州、アジアなど様々な場所でパフォーマンスを行い「これまでのダンスの枠組みを大きく捉え直す必要のある表現に出会った」などと評価されました。

創立時より40年間〈劇団態変〉と名乗ってきましたが、「ダンス」でも「舞踏」でもないどこにもない身体表現をより自由に追究していくために、2023年4月より呼称から「劇団」を外し〈態変〉と名乗っています。

左側に赤いレオタードを身にまとった人が座っている、右側の帽子を被ってコートを羽織った人は右手をあげて左手は腰に当てている
『箱庭弁当』(2021) ©Hideto Maezawa

テーマは「アフリカ」

2023年、40周年を迎えた〈態変〉の記念企画のテーマはアフリカ。〈態変〉のこれまでの歴史を振り返ったとき、ターニングポイントとなったのが1992年のアフリカ・ケニヤでの公演でした。創立10年を前にした〈態変〉にとって初の海外公演。重度の障害がある人の海外渡航自体が困難だった時代に、10名の障害者とスタッフ20名の計30名が、ケニヤの3都市で公演を行いました。「生きて帰ること、それにもまして芸術をすることへの欲を出し切ること」という、その時のキーワードが、〈態変〉の進む方向性そのものとなりました。

新作公演『私たちはアフリカからやってきた』

今回上演される新作『私たちはアフリカからやってきた』は、二部構成で描かれます。人類発祥の地ともいわれるアフリカから偉大な旅が始まる第一部(グレートジャーニー)と、巨悪な資本主義の根源である奴隷制度の時代を描く第二部(奴隷船)です。

金さんはアフリカをテーマとすることについて、このように述べています。

“今、毎日のニュースから、戦争の話題が消えることがありません。 覇権と欲得にまみれて人類全体を破滅に導きかねない政治のパワーゲームに最も翻弄されているのがアフリカ諸国かもしれませんが、アフリカは人間の持つ本質的な力という面では、強大な力を秘めているようです。 そういう力を我々自身が呼び覚ましていくことが、破滅に太刀打ちしていく術なのではないか。 態変が「戦争」を描く時、そこにこそ希望があるのではないかと思うのです。”

ケニヤ公演の振り返りとケニアの今を伝えるお話会が開催

また本公演に向けて、プレ企画「態変アフリカdays」を実施。第一弾は7月29日(土)に「ナミビア エクスペリエンス」として、ナミビアから届いたダンス映像と〈態変〉の身体表現の一夜限りのコラボレーションが行われました。

スクリーンに映し出された映像の前で、レオタードをみにまとった出演者たちが動いている様子
「ナミビア エクスペリエンス」より ©RIMA

第二弾は「ケニヤ編」として、8月25日(金)と26日(土)に開催されます。

8月25日(金)19:00〜21:00に開催されるのは、1992年に成し遂げたケニヤ3都市公演の報告会です。当時を経験したパフォーマーとスタッフが、貴重な記録映像も交えながら振り返ります。

8月26日(土)14:00〜16:00は、ケニヤで孤児院を運営し、シングルマザーの自立支援などにも取り組む菊本照子さんの講演会が開催されます。菊本さんと〈態変〉は、ケニヤ公演の準備渡航時に、重病で命を落としかけたメンバーに菊本さんが手を差し伸べて以来のご縁です。現在も現地で活動を続ける菊本さんに、ケニヤのこれまでとこれからのお話を伺います。

ケニヤ公演当時の写真が入ったチラシ
26日はケニヤからやってきた紅茶やフェルトアニマルの販売も行われます

両日とも参加費は500円で、メタモルホール(大阪府大阪市)で開催されます。

〈態変〉にとってターニングポイントとなった土地であるアフリカ。40周年というタイミングで振り返る大切な場所に共に思いを馳せ、イベントやパフォーマンスに立ち会ってみませんか。