ニュース&トピックス

日本初の福祉サービス事業所が運営する新刊書店〈本屋さん ててたりと〉
店舗紹介

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 日本初の福祉サービス事業所が運営する新刊書店〈本屋さん ててたりと〉

埼玉県川口市に店舗をかまえる〈本屋さんててたりと〉。地域に開かれた書店を目指し、新刊や定番書籍を中心に、幅広い品ぞろえで本を扱っている

2018年にオープンした福祉サービス作業所が運営する〈本屋さん ててたりと〉

〈本屋さん ててたりと〉(埼玉県川口市)は、障害のある人が書店員として働く本屋さんです。2018年に、日本で初めての就労継続支援B型事業所が運営する新刊書店としてオープンしました。

「ててたりと」という名前は、逆から読むと「とりたてて」。ある人からすれば、とりたてて意味を持たなくも、逆から読むことで他の人からすると意味を持つものになる。そんな場所を目指して付けられました。
また、「とりたてて」は「~でない」という打消し語を必ず伴う言葉。障害や偏見を解消していきたいという思いも込められています。

「ごく普通の町の本屋さん」を標榜する〈本屋さん ててたりと〉は、近隣に住む人が気軽に訪れられるように、偏りなく本を扱うよう心がけています。店内には、話題の新刊や定番の絵本、最新の雑誌や漫画など、文芸から学術、芸術、実用書、児童書まで幅広く書籍が並びます。

いろいろな人がいろいろな意味で本を買い、働き、居場所として過ごすように、誰かにとって意味を持つ場所を目指す

働くために通う人、居場所として過ごす人、それぞれの人に寄り添った形でひらかれた場所

〈本屋さん ててたりと〉は「就労継続支援B型」の福祉サービス事業所。就労継続支援B型とは、障害のある人や一般企業での就労が難しい人が、雇用契約を結ばずに、作業をしたり就労訓練をしたりできる場所です。

〈本屋さん ててたりと〉の書店員は、店員であると同時に事業所の利用者でもあります。店頭での書店業務のほか、地域の商店に定期購読雑誌をお届けしたり、新規の営業先を開拓したりしながら1日を過ごします(※注)。また、イベントへの出店や、FM川口のラジオ番組「サウンドカフェ」内で放送している毎週月曜日15時20分からのラジオコーナー「ててたりととしょ」に出演することもあります。

※注:新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、営業やイベント出店は現在お休み中です。

毎日平均20名程が働く〈本屋さん ててたりと〉では、働く人の条件に特定の障害特性はありません。出来ること出来ないことは配慮の上、働くために通う人、居場所として過ごす人、それぞれの希望に寄り添った形で運営を行っています。

本の仕入れや返品、陳列、POPづくり、接客、配達、営業などが、書店員としての仕事

書籍を購入することで、社会で支え合える関係を築く

〈本屋さん ててたりと〉を運営するのは、〈TETETARITO株式会社〉。複数の福祉施設での勤務経験をもつ竹内一起さんが、元同僚と共に2018年に立ち上げました。

福祉サービス事業所として書店を選んだのは、新刊書籍が、販売元や販売場所を問わず同一価格・同一内容のため、どこで扱っても価値の変わらない商品であると考えたから。福祉サービス事業所として、利用者と職員で共に働ける余白をつくりだすこと。それと同時に、利用者や地域の人たちの居場所を守るためにも、事業として存続していく努力をすること。事業所であり、地域の人が利用する書店でもある〈本屋さん ててたりと〉が大事にしている点です。

また、〈本屋さん ててたりと〉で書籍を購入すると、収益が利用者の工賃になります。こうしたことで、社会でお互いを支え合う関係を築くことが出来るのではないかと、〈TETETARITO株式会社〉は考えています。

現在は店舗のみの営業ですが、オンラインショップのオープンに向けても準備中。オープン日は公式サイトにて近日お知らせ予定です。