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「子どもの権利条約フォーラム2024」11月9日、10日に開催!パネルトーク、28の分科会、子ども向けプレーパークも
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様々な子どもたちのイラストが描かれた、フォーラムのバナー画像
11月9日(土)には全体会が、11月10日(日)には28の分科会が、東京・池袋の〈立教大学〉にて開催されます

子どもの権利について、楽しみながら学び、知見を広げるフォーラム

すべての子どもたちが心身ともに健康に育つことを目指して制定された「子どもの権利条約」に、日本が批准してから、今年は30年の節目にあたります。しかし、子どもの虐待や自殺、貧困などの問題は、未だなくなることがありません。

子どもが健やかに安全に育つために、大人の支援や理解が欠かせないなかで、弱い立場に置かれた子どもたちが表す意見や感情に、私たちはどれだけ耳を傾けているでしょうか。

子どもを取り巻く現状について知り、子どもの権利について理解を広めるための「子どもの権利条約フォーラム」が、2024年11月9日(土)・10日(日)に開催されます。会場となるのは、東京・池袋の〈立教大学〉。

「いっしょに学ぼう!つくろう!広げよう〜ひとりひとりの『声』が迷子にならないように〜」をテーマに、親子で楽しみながら学べるものから、子どもの権利に関する議論に参加できるものまで、幅広いテーマで開催されます。子どもの権利について関心のある大人や子ども、教育・行政の関係者、NPO・NGO職員など、どなたでも参加でき、一部はオンラインでも参加可能です。

子どもの権利条約とは?

子どもの権利条約は、1989年に国連で採択された、子どもの基本的人権を国際的に保障するための条約です。日本は1994年に批准。現在締結国や地域数は196に及び、世界で最も広く受け入れられている人権条約でもあります。

条文は54条からなり、子ども(18歳未満の人)が大人と同じようにひとりの人間として様々な権利を持つことを認めています。また同時に、成長過程にあって、保護や配慮が必要な子どもならではの権利も定め、世界中で多くの子どもたちの状況改善につなげてきました。

上に文字、下にイラストが描かれた、子どもの権利条約1〜12条の一覧
子ども支援専門の公益社団法人〈セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン〉では、各条文をイラストとともにわかりやすい言葉で伝えています(子どもの権利条約 条文一覧

条約では子どもが持つ権利を、「生きる・育つ権利」「差別の禁止」「子どもの最善の利益」「子どもの意見表明」の4つの基本原則に基づいて定義しています。これらは具体的に条文でも示されており、例えば第2条では「人種・皮膚の色・性別・言語・宗教・障害・貧富の差・考え方・生まれた環境や場所などによって差別されない権利」があること、第12条では「自分に関わるすべてのことについて意見を聴かれ、その意思を大切にされる権利」があることが定められています。

その他にも、暴力から守られる権利(19条)や教育を受ける権利(28条)、休み、遊ぶ権利(31条)などがあります。

全体会、28の分科会、プレーパークが予定されている今年のフォーラム

「子どもの権利条約フォーラム」は、条約の普及と子どもの権利に関心を寄せる人々の意見交換・交流の場として1993年に始まりました。これまで毎年11月20日の「世界子どもの日」(子どもの権利条約が採択された日)の前後に全国各地で開催され、今年が32回目となります。

2024年は、国連による子どもの権利条約採択から35年、条約への日本の批准から30年という節目の年です。前年4月にはこども基本法が施行され、こども家庭庁も発足するなど子どもの権利を守る社会づくりに向けて一歩踏み出した変わり目にあたって、子どもと保護者だけでなく、政策決定者や市民団体、教育関係者やメディアなどより広く社会全体へ向けて発信することを目的としてフォーラムが開催されます。

フォーラムのテーマや日程などが一覧できるチラシ画像

テーマは「いっしょに学ぼう!つくろう!広げよう〜ひとりひとりの『声』が迷子にならないように〜」。言葉による意見や提言、もやもや、心や体のサインも声と捉え、全ての声を大切にしあえる社会に向かって歩むことを目指します。

全体会、分科会、プレーパークの3つのプログラムをご紹介します。

・全体会 11月9日(土)13:00〜17:30
初日に開催される全体会では、子どもメンバーによる企画「とどけ、わたしたちのリアル!ひろがれ、わたしたちのアクション!」が開催。子どもたちが声をあげます。

続くパネルディスカッションでは、行政職員、子どもや若者にまつわるNPO関係者、児童精神科医などが登壇し「ひとりひとりの『声』が迷子にならないように、私たちができること」をテーマに語り合います。

またプログラムの途中には、〈東京子どもアンサンブル〉や〈すがも児童合唱団〉の子どもたちによるパフォーマンスがステージを盛り上げます。

・分科会 11月10日(日)10:30〜17:30
午前の部(10:30〜12:00)午後の部(14:00〜16:00)とも、それぞれ14の分科会が開催されます。

午前の部に開催される、「メディアって子どもの権利やウェルビーイングとどう関わっているの?」を主催するのは、〈NPO法人PIECES〉です。本フォーラムに実行委員としても関わる同団体は、「子どもたちが孤立せず、優しいつながりが溢れる未来」を目指し、市民性醸成プログラム「Citizenship for Children」や地球全体のウェルビーイングを考えるキャンペーン「#問いを贈ろう」などを実施してきました。

今回の分科会では、子どもたちへのインタビューを通して見えてきたメディアに関する子どもの声やまなざしを報告。また国や企業など様々な立場で情報発信をするメンバーとともにパネルディスカッションを行い、子どもの権利とウェルビーイングの観点からメディアのあり方を捉え直します。

紹介した分科会のテーマと登壇者の顔写真が掲載されたバナー画像
〈立教大学〉池袋キャンパス14号館D401にて開催されます

午後の部に開催されるプログラムのひとつ「子どものメンタルヘルスとウェルビーイング〜コロナ禍を振り返り子どもの権利の観点から今後の展望に繋げる〜」は、〈認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン〉〈国立成育医療研究センター〉〈一般社団法人Everybeing〉によるコンソーシアム(Every Child’s Voice)が主催。コロナ禍に顕在化した子どものメンタルヘルスの不調や自殺率の増加を踏まえた提言を発表しながら、参加者のみなさんとともに、子どもの権利について考えます。こちらのプログラムはオンラインでも参加が可能です。

その他にも、「子どもの権利」について学べるすごろくやゲーム、ワークショップ、絵本を持ち寄る会、映画の上映会などが開催されます。子どもを対象とした企画、親子で参加可能なもの、出入り自由、など形式や参加費の有無は企画ごとに異なるため、詳細はWebサイトでご確認ください。

・プレーパーク
また2日間、子どもにとって大切な権利の一つである「遊ぶ権利」を尊重し、子どもが主役の遊び場「プレーパーク」が会場となる立教大学と西池袋公園にやってきます。9日は「みちあそび!」、10日は「ダンボールでつくってあそぼう!」をテーマに、自由な遊びの場が開かれます。

写真:野外でダンボールを使ってなにか作っている様子の子どもたち
プレーパークは雨天の場合も会場を変更して開催予定です

実は2024年は、子どもの権利についての世界初の公式文書とされる「子どもの権利宣言(ジュネーブ宣言)」採択からも100年目となる年です。そのため、今年度は主催者に、ジュネーブ宣言の草案作成者エグランタイン・ジェブの設立した〈セーブ・ザ・チルドレン〉が加わり、より充実した内容になっています。オンライン参加可能な一部の分科会に加え、全体会、子どもたちによる団体活動発表会、クロージングセッションもオンラインでの視聴が可能です。

すべての子どもたちが安心して生きるためには、私たち一人ひとりが「子どもの権利」を理解し、支え合うことから始まるはず。ぜひ会場またはオンラインで参加し、子どもの権利が実現された社会をつくるために何ができるのか、考えてみませんか。