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ゲストハウス〈UNTAPPED HOSTEL〉が「書店+シェルター」のオープンに向けて、クラウドファンディングを実施中!
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2021年10月ごろのオープンを目指す〈UNTAPPED HOSTEL〉によるシェルター併設の書店

ゲストハウスの別館を「書店+シェルター」に!クラウドファンディングを実施中

ゲストハウス〈UNTAPPED HOSTEL(アンタップト・ホステル)〉(北海道札幌市)が書店とシェルターを併設した新店舗の立ち上げに向けて、クラウドファンディングで支援金を募集しています。

〈UNTAPPED HOSTEL〉は、2014年に札幌にオープンしたゲストハウスです。これまで多くの旅人が滞在してきましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、宿の運営は大きな変更を余儀なくされることに。2020年5月からは、コロナ禍の影響で住居を失った人や生活困窮者を受け入れる、3食付きのシェルターとして宿の一部を提供開始。さまざまな制度を活用しながら、80名を超える受け入れ支援を行ってきました(2021年8月現在)。

シェルターは仮住まいとして暮らす場所です。さまざまな理由で住む場所を失った人たちに、次の仕事が見つかったり、生活保護の受給が決まったりするまでの間、一時的に宿と食事を提供します。

〈UNTAPPED HOSTEL〉では、このシェルターを継続していくために、現在受入施設としているゲストハウス別館の一階部分を、書店にリニューアルする計画をたてました。オープンは2021年10月ごろを予定しており、8月10日から9月30日までクラウドファンディングでの支援を募集しています。

〈UNTAPPED HOSTEL〉本館(左側)と隣り合わせの古民家(右奥)を改装し、「別館」として2016年の10月にオープンした

〈UNTAPPED HOSTEL〉で始まった生活困窮者の受け入れ事業

そもそものきっかけは、2020年2月。〈UNTAPPED HOSTEL〉の運営会社である〈株式会社PLOW(プラウ)〉代表の神輝哉(じん てるや)さんは、「東京都内ではネットカフェ難民が急増している」というニュースを友人のSNS上で知ります。
ネットカフェは、さまざまな状況に置かれた人の仮住まいの場所として機能している側面があります。しかし、緊急事態宣言を受け、ネットカフェが24時間営業ではなくなり、行き場をなくしている人たちがいる、というのです。

その際に、「札幌も他人事ではない」というコメントを添えて、記事をシェアした神さん。しかし、SNS上のシェアだけで済ませてしまうことへの居心地の悪さを感じ、「〈UNTAPPED HOSTEL〉で、一時的な住まいを必要とする人たちを受け入れることができないだろうか」と考え始めます。

そして、1999年からホームレス支援を行なっている〈北海道の労働と福祉を考える会〉や〈札幌市ホームレス支援センターJOIN〉との出会いを経て、2020年5月から生活困窮者の受け入れ事業を、北海道札幌市の委託事業として開始します。

現在は札幌市の委託事業は終了。別の形でのシェルター事業の継続を考え、今回、収益事業として書店を併設したシェルターの運営を目指すことになりました。

〈UNTAPPED HOSTEL〉らしさを大切にした、接点となる場所を目指す

ゲストハウスの名前の「UNTAPPED」は、「まだ見つかっていない」という意味を持つ言葉。北海道が秘めている魅力や、旅人に宿る可能性をイメージして名づけられました。

旅人と地元の人の接点となる場所を目指し、新型コロナウイルス感染症拡大以前は、コンサート、展示会、ときには結婚パーティーなど、さまざまなイベントも開催していました。

かつて鰻屋として使われていた5階建てのビルを改装して2014年オープンして以降、さまざまなイベントを行っている

シェルター事業でも、〈UNTAPPED HOSTEL〉がゲストハウスとして培ってきた経験を活かしながら運営しています。一人ひとりが楽しむ余白のあるイベントを提供し、人々の接点となる場所を目指すことは変わりません。

2021年3月30日に行った炊き出しには、「おおきな食卓」という名前がつけられています。「おおきな食卓」では、〈UNTAPPED HOSTEL〉からの呼びかけに対し、地域の人たちやアーティスト、ミュージシャンなど、たくさんの人たちから寄付やアクションのサポートが集まりました。

炊き出し当日は、150名近い人たちに物資やお弁当を配布したほか、ヘアカットやピアノ演奏なども行い、これまであまり交差する機会のなかった人たちの接点が生まれました。

「おおきな食卓」は今後も年に数回のペースで継続していく予定

さまざまな人が訪れるゲストハウスとして、公共性を大切にした書店を目指す

旅人を受け入れる立場で札幌の街を見つめてた〈UNTAPPED HOSTEL〉は、シェルター事業や炊き出しを行ううちに、より「公共性」を帯びるようになってきたと、神さんは言います。また、書店という場所や「本」という媒体は「森羅万象と接続できる懐の広いものである」と考え、収益事業として書店を選んだと説明しています。

新しくオープンする書店では、新刊書籍の販売に加え、棚オーナー制度を設けます。クラウドファンディングでは、本の仕入れ、シェルター運営費用及びシェルター運営用の一般社団法人設立費用の支援を募集し、リターンには、書店の棚を1年間利用できる権利や、1日店長になれる権利なども。締め切りは9月30日です。

クラウドファンディングの支援を通して、札幌にできる新しい「書店+シェルター」を応援してみませんか。