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アートと社会を結ぶ。社会人向け授業「有楽町藝大キャンパス」が受講生募集中
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ビジネスの街・有楽町エリアで、アートの視点から社会を捉え直す

高層ビルが立ち並び、多くの人々が足早に行き交う東京・有楽町。このビジネス街の真ん中で、アートの視点から社会や自分自身を見つめ直す、社会人向け講座が開講されます。

2026年5月からスタートする「有楽町藝大キャンパス」は、東京都、東京藝術大学、そして有楽町アートアーバニズム「YAU」の三者が連携して実施する社会人向けの授業シリーズです。効率や最適解が求められるビジネスの現場から少しだけ離れ、さまざまなバックグラウンドを持った人と意見を交わしたり、自分なりの表現を探ってみたりする。そんな学びの場が街の中に現れます。

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(撮影:中川陽介)

「アーバニズム」がもたらす、都市との新しい関係

「有楽町藝大キャンパス」は、2023年に東京藝術大学に新設された〈キュレーション教育研究センター〉が、社会とアートのつなぎ手を育てることを目指し、学生が単位を取得できる正規の授業を社会人にも開いたことから始まりました。

パートナーとなったのは、大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアをアートの力で進化させるべく展開されている実証実験プログラム〈有楽町アートアーバニズム「YAU」〉。「YAU」は、アーティストの制作スタジオやコワーキングスペースをオフィス街に設けることで、異なる感性が出会い、触発し合う「アートアーバニズム」という考え方を実践してきました。

先行して行われたプログラムでは、現役の藝大生と社会人がともに学び合い、「職業や世代を超えた人間関係を築けた」「仕事脳とは違うところを使っていることに気づいた。考え方や発想、議論の進め方などに発見があった」といった声が寄せられました。2023年のパイロット版の実施、2024年の本格開講を経て、3年目となる今年は全7講座へとその幅を広げます。

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9月から開講予定の「社会包摂のためのアートプロジェクト:音楽×身体表現×福祉 Ⅱ」。写真は2025年度 松岡大さん(舞踏家)による授業風景(撮影:中川周)

講師陣には東京藝大の教員に加え、国際的に活躍するアーティストや研究者、編集者、ファッションデザイナーなど多様な分野のゲストが集結。単なる知識の習得にとどまらず、社会の窮屈さを軽やかに超えていくための発想に触れたり、所属や年代を超えた受講生同士が交わったりすることで、新たな視点や価値観に出会えるはずです。

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「アート・リサーチ演習(講義編)」を担当する、社会学者の毛利嘉孝さん

専門分野を横断し、未知の知性に触れる全7講座

2026年度は、最先端の知見を得られる「講義型」と、具体的なテーマの下で表現や企画に挑戦する「実践型」を合わせ、計7つの授業がラインナップされています。

拠点となるのは、有楽町駅から徒歩3分に位置する「YAU STUDIO」や、東京藝術大学の各キャンパス。アーカイブのあり方を権利や倫理の面から考える「クリエイティヴ・アーカイヴ研究会」や、ファッションから対話を探る「拡張するファッション論」、リサーチを通じて自分だけの鑑賞態度を見つける「アート・リサーチ演習(実習編)」など、アートと社会の接点にアプローチする多様な講座が用意されています。

なかでも5月からスタートする講義型の「アート・リサーチ演習(講義編)」は、近年注目を集める「調査(リサーチ)」を用いたアート表現の最前線を学ぶ講座です。社会学者の毛利嘉孝教授らが講師を務め、アーティストや現代美術家、音楽家など多彩なゲストが登壇。リサーチを単なる情報収集ではなく、創造的な活動として捉え直す視点を養います。

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「アート・リサーチ演習(講義編)」での様子

また、オムニバス形式の講義「メディア特論:アート+」では、藝大の教員が「今、最も話を聞きたい」スペシャリストをゲストに招聘。アーティストであり映画監督の荒木悠さんや、『学研の図鑑LIVE』編集長を務める松原由幸さんをはじめ、ライター、ファッションデザイナー、工学研究者、アートマネージャーなど、幅広い領域の知性に触れることで、仕事や生活に活きる柔軟な発想のヒントが得られるはずです。

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「メディア特論:アート+」での様子

より実践的な学びを求める人には、キュレーターであり、東京藝術大学キュレーション教育研究センター特任准教授の難波祐子さんとともに、街の中での展覧会づくりを体験する「展覧会設計演習」もおすすめです。企画から制作、運営までのプロセスを学び、10月には実際に有楽町の街で小規模な展覧会を開催することを目指す、本プログラムならではの試みです。

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「展覧会設計演習」での様子(撮影:中川陽介)

これらの授業は、公式サイト内の応募フォームより、必要事項を記入のうえ申し込むことができます。講義型授業ではアーカイブ配信ありのオンライン受講も選択可能。春期の応募締め切りは2026年5月7日(木)までです(「展覧会設計演習」のみすでに締切済み)。

7月頃に募集を予定している「社会包摂のためのアートプロジェクト:音楽×身体表現×福祉 Ⅱ(実習編)」では、福祉領域と連携するアートプロジェクトの最前線を学ぶことができます。小学校を会場に、実際に実施するプロジェクト「アートなお祭り」の事前準備から本番にかけて参加しながら、プロジェクトを具現化するプロセスを体験します。

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2024年度に実施したアートなお祭りの様子(撮影:中川周)

自身のバックグラウンドを活かしながら、未知の自分に出会いに行く。そんな春の学びを、有楽町から始めてみてはいかがでしょうか。