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目の前のハラスメントに気づいたらどうする? 冊子『アクティブバイスタンダーになろう!』公開
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3人の人物が描かれた、冊子の表紙
東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」事業の一環として、2026年3月に発行されました

ハラスメントに第三者として対応する方法とマインドが一冊に

日常生活や仕事の場で、ハラスメントかもと感じる場面に立ち会ったことはありますか? なんだかおかしい、どうにかしたいと思いながらも、「具体的にどう行動したらいいのかわからない」と感じたことのある方も多いかもしれません。

第三者としてハラスメントに気づいたときにどう行動するか、その対応やマインドについてまとめられた冊子『アクティブバイスタンダーになろう!』が、東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」のウェブサイトで公開されています。

本冊子では、行動する第三者を「アクティブバイスタンダー」と位置づけ、第三者としてハラスメントに気づいたときにどう行動するか、具体例を交えながら紹介しています。

困ったら、まずノック。と書かれた、アートノトのWebサイト画像
芸術文化活動について、悩みや困りごとを相談できる「アートノト」

厳しい指導がないと良い作品は生まれない? 「アートノト」の課題意識

本冊子を制作した「アートノト」事業では、東京都と〈アーツカウンシル東京〉の共催のもと、アーティストや芸術文化の担い手が悩みや困りごとを相談できる窓口が設けられています。さまざまな相談を受けるなかで、芸術文化業界には根深く「厳しい指導がないと良い作品は生まれない」という考えが存在すること、そうした考えがハラスメントが起こりやすい環境へとつながっていることを感じてきました。

「環境を改善しないことには、誰もが次の被害者になりえる」という課題意識から、〈アートノト〉は2023年度よりハラスメント防止講座を実施。目撃したときに、傍観者として何もしないのではなく、状況に応じて積極的に行動を起こす第三者「アクティブバイスタンダー」として振る舞うにはどうすればいいか、具体的な事例や実践方法とともに伝えてきました。

2025年度に行われた「ハラスメント防止講座2025【現場実践編】(クローズアップ講座)」では、上級ハラスメント対策アドバイザーの植松侑子さんが、実際にハラスメント行為を見かけた場合や被害者から相談を受けた場合にどのような行動をとるべきか講義を行っています。

アクティブバイスタンダーとして取ることができる5つのD

講座をもとに制作された今回の冊子では、「映像制作現場での打ち上げにおいて、先輩スタッフから新人スタッフに対する、執拗なダメ出しが行われている」という具体的な場面を事例に、アクティブバイスタンダーとして取ることができる行動を5つのD(Direct, Distract, Delegate, Delay, Document)で紹介しています。

例えば1つ目のD、Directは、加害者に直接注意したり、状況に介入する方法。最も効果的ですが、加害者の敵意が自分に向く可能性もあるため、自分と被害者の身の安全が確保できているかを確認する必要があります。

左ページに2人の人の間に立って話している人がいるイラスト、右ページに行動例がテキストで書かれている

またDirect以外にも、関係のない話題を振るなどして注意をそらすDistract、第三者に助けを求めるDelegateなどでは、その場でできることが提案されています。

一方で、すぐに行動することが難しくてもできることもあります。4点目のDelayは、後から対応すること。「さっきは大丈夫でしたか?」と何かサポートができることがあるかをたずねることや、相談窓口の情報を提供することもアクティブバイスタンダーとしてできることのひとつです。

最後のD、Documentは、記録・証拠保全です。必要に応じて、映像や音声で記録をしておくことも、被害者の助けになることがあります。ただし、記録したものをどう扱うかは、必ず被害者の意思を確認してから決めることが大切です。

左ページにノートに思い出しながらメモを取っている人の様子が描かれたイラスト、右ページに記録の要点がテキストで書かれている

この5つのDのうち、どの手法を選択するかについては、「状況判断のポイント」として掲載されています。ここで強調されているのは、まず安全性の確認が最優先であるということ。介入することで、状況が悪化したり、被害が広がったりする場合もあります。

状況を客観的に判断しながら、最も効果的な手法はどれか、複数のアプローチを組み合わせる必要があるかどうかを考えます。

左ページに、腕を組んで考えている様子の人が描かれたイラスト、右ページに状況判断のポイントがテキストで書かれている

本冊子では、アクティブバイスタンダーの行動で最も大切なのはマインドであると説いています。「小さな違和感を大切にする」ことを出発点に、「気になったら行動しよう」と思えるようになる。そのためにも、対応方法として5つのDがあることをまず知っていることが、助けになるのではないでしょうか。

冊子は、アートノトのウェブサイトでPDFで公開されているため、誰でも閲覧することができます。より詳しく知りたい方は、本講座の内容に植松さん自身が加筆し、関連リンクなども充実させた情報が「お悩みお助け辞典」として公式noteで公開されているので、こちらも併せてご活用ください。