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老いとケアを考える。上野千鶴子さん×嶋守さやかさん「アンチ・アンチエイジング的ケア学のすすめ」7月12日に開催
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年齢を重ねても若々しくありたい。そんなメッセージを目にする機会は少なくありません。美容や健康、運動習慣など、「老いに抗う」ことを前向きな価値として語る言説も広く浸透しています。

しかし、誰もが老いを避けることはできません。身体や認知機能の変化を経験し、介護を受ける側になることもあれば、大切な人を支える立場になることもあるでしょう。そうした現実に向き合いながら、「老いること」と「ケアされること」をどのように考えればよいのでしょうか。

そんな問いを出発点に、ケアの社会学者・嶋守さやかさんが企画するイベントシリーズが継続して開催されています。今回のテーマは「アンチ・アンチエイジング的ケア学のすすめ」。ゲストには、ケアとジェンダー研究の第一人者として知られる社会学者・上野千鶴子さんを迎えます。

イベントは7月12日(日)、東京・中延の〈隣町珈琲〉で開催。会場参加とオンライン参加のハイブリッド形式で行われます。年齢を重ねることや老いによる変化を人生の一部として、自分らしく生きること、そして支え合う社会について考える時間となりそうです。

「生ききること」を支えるケアを問い続ける嶋守さやかさん

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嶋守さやかさん近影。著書に『孤独死の看取り』『寿ぐひと原発、住民運動、死の語り』『虐待被害者という勿れ 虐待サバイバーという生き方』(ともに新評論)などがある。

今回の聞き手・進行を務める嶋守さやかさんは、ケアの社会学を専門とし、医療や介護の現場に寄り添いながら研究と実践を続けてきました。

近年刊行した著書『訪問看護ものがたり ご在宅の力』(新評論)では、訪問看護師と利用者とのかかわりの日々を通して、人生の終盤を自宅で過ごす人々の姿を描いています。そこには単なる医療行為ではなく、一人ひとりが自分らしく「生ききる」ための支援や関係性が記されています。

高齢化が進む日本では、在宅医療や地域包括ケアへの関心が高まっています。しかし、制度やサービスの話だけでは見えてこないものがあります。

本人は何を望んでいるのか。家族はどう支えるのか。支援者はどのように関わるのか。

嶋守さんは、こうした問いを現場の実践から掘り下げ、「よいケアとは何か」を考え続けています。

老いを否定しない社会を構想する上野千鶴子さん

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上野千鶴子さん近影。最新刊は『上野さん、主婦の私の当事者研究に付き合ってください』(森田さちさんとの共著・晶文社)等がある。写真=後藤さくら

ゲストとして登壇する上野千鶴子さんは、ジェンダー研究や家族社会学の第一人者として知られる社会学者です。

女性学・フェミニズム研究の分野で長年にわたり発信を続ける一方で、近年は高齢化社会や介護、ケアの問題についても積極的に論じています。

今回のイベントタイトルにもなっている「アンチ・アンチエイジング」という考え方は、上野さんの著書『アンチ・アンチエイジングの思想――ボーヴォワール『老い』を読む』に由来します。

上野さんは、老いや衰えを否定し続ける社会に疑問を投げかけます。人は誰しも老い、自立を失う可能性があるにもかかわらず、「いつまでも元気で自立した個人」であることだけが理想とされる社会では、弱さや依存が見えにくくなってしまいます。

だからこそ必要なのは、老いを否定するのではなく、老いた人やケアを必要とする人が安心して生きられる社会を考えること。上野さんが長年問い続けてきたのは、そうした社会のあり方です。

「安心して老い、安心して死ねる社会」とは

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左から『訪問看護ものがたり ご在宅の力』(嶋守さやか著 新評論)、『アンチ・アンチエイジングの思想――ボーヴォワール『老い』を読む』(上野千鶴子著 みすず書房)書影

イベントでは、『アンチ・アンチエイジングの思想』と『訪問看護ものがたり』を手がかりに、これからのケア社会について考えていきます。

認知症の人や単身高齢者が増えるなか、社会保障制度の見直しや在宅医療の推進も進んでいます。そうした状況のなかで、私たちはどのように人生の最終段階を迎えるのか。

イベント紹介では、「安心して死んでいくことが選べる社会の実現」が大きなテーマとして掲げられています。そこでは介護保険制度のあり方だけでなく、高齢者本人の意思形成や意思決定をどのように支えるのかも重要な論点となります。

介護や看取りは、一部の専門職だけの問題ではありません。

家族を介護している人。これから親の老いに向き合う人。将来の自分自身の暮らし方を考えたい人。

そうした多くの人にとって、今回の対話は身近なテーマにつながる機会になりそうです。

地域の対話を育む「隣町珈琲」

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会場となる〈隣町珈琲〉は、東京都品川区中延にあるブックカフェです。

読書会や講演会、トークイベントなどを数多く開催し、本や思想、社会課題をめぐる対話の場として親しまれてきました。カフェでありながら学びの場でもあり、多様な人々が集まり、それぞれの視点を持ち寄ることのできる場所です。

今回のイベントも、参加者が「老い」や「ケア」への理解を深め、それぞれの経験や立場から考えを深める場となることをめざしています。会場参加に加え、オンライン配信も用意されているため、遠方からでも参加可能です。

老いやケアの問題に関心のある人はもちろん、これからの社会のあり方について考えたい人にもおすすめのイベントです。