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これからの「コミュニティ」や「民主主義」のあり方について考える「ベッドタイム・フォー・デモクラシー」展が名古屋で開催中。12月23日まで
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イベントバナー画像。タイトルの周りに、作品の画像が散りばめられている
〈港まちポットラックビル〉で10組のアーティストらによる展覧会が開催されています

アーティスト、ジャーナリスト、哲学者による、記録や映像を中心に構成された展覧会

2023年12月23日(土)まで、〈港まちポットラックビル〉(愛知県名古屋市)にて、これからの「コミュニティ」や「民主主義」のあり方について考える展覧会「ベッドタイム・フォー・デモクラシー」展が開催中です。

2022年に岡山、東京を巡回した本展覧会は、アーティストによる作品やパフォーマンスの記録、ジャーナリストや哲学者の活動のドキュメント、資料、1950年代から現在までの映像などを中心に構成されています。会期中はトークシリーズ「希求される共同性」と題して、12月22日(金)に藤原辰史さん、23日(土)に岡野八代さんをゲストに迎えたトークイベントも開催されます。

チラシ表面画像。目からビームを出す自由の女神や戦闘車、逃げ惑う人たちが描かれたイラストの周りに、作品写真が散りばめられている

これからの社会が、どうしたら希望あるものになるかを考える

本展は〈港まちポットラックビル〉にて昨年開催し、評判となった展覧会「パンク!日常生活の革命 名古屋」に引き続き、倉敷芸術科学大学准教授の川上幸之介さんがキュレーターを務める展覧会です。

本展のタイトル「ベッドタイム・フォー・デモクラシー」の元になっているのは、アメリカのパンクロックバンド〈デッド・ケネディーズ〉のアルバムタイトルです。民主主義と資本主義の分かち難い共犯性について歌ったこのアルバムは、映画俳優でのちに大統領となったロナルド・レーガンが主演した1951年のコメディ映画『Bedtime for Bonzo』に由来するもの。レーガンによる経済政策「レーガノミクス」をはじめとして、新自由主義、戦争、メディアの氾濫、娯楽産業(余暇と消費)、マッチョイズム、それらに対する見せかけの反抗への糾弾、さらに難民やクィアへの擁護といった周縁への配慮を示唆します。

展示風景。白い壁に映像が映ったモニターが並び、腰掛けてヘッドフォンをして鑑賞している人がいる。真ん中のテーブルに並べられた資料を読み込んでいる人もいる
撮影|藤井昌美 画像提供|Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya]

これらの観点を踏まえつつ10組のアーティスト、活動家、哲学者が参加する本展では、民主主義における意思決定プロセスが問いただされる現状の中、その声をかき消され、疎外された周縁の声を引照し、民主主義の政治的神話の綻びを暗示した作品群を取り上げます。また地政学的な観点から、民衆の不服従を起点とした集団の内部における権力の分散や、共有を照射した作品をとりあげ、新自由主義の諸原理が民主から奪い去った主権を、いかにして奪還できるのかを模索します、そして民主主義をどのように抵抗の政治へと変転しえるかを、作品を通して見いだします。
(川上幸之介「キュレーターズノート」より)

参加するのは、レティシア・アグドさん、ヌオタマ・ボドモさん、リジー・ボーデンさん、ブレッド&パペットシアター、ナオミ・クラインさん、マーサ・ロスラーさん、ヘイニー・スロールさん、松本俊夫さん、ウィンストン・スミスさん、ウェンディ・ブラウンさん。私たちの暮らしや日常について対話を喚起し、これからの社会がどうしたら希望あるものになり得るのかを考えます。

チラシに描かれたイラストの元データ。目からビームを出す自由の女神や戦闘車から逃げまとう人々が、カラーで描かれている
Bedtime for Democracy ©Winston Smith

〈MAT, Nagoya〉とは

今回の展覧会は、〈Minatomachi Art Table, Nagoya[MAT, Nagoya]〉の展示シリーズ「MAT Exhibition」の一つです。名古屋港エリアでまちづくりを推進する「港まちづくり協議会」が母体となり、〈港まちポットラックビル〉を拠点に、現代美術の展示やアーティスト・イン・レジデンスなどさまざまなプロジェクトを展開しています。以前〈こここ〉では他者と自身のケアについて考えるプロジェクト「ケアの学校」を紹介しました。

12月22日(金)と23日(土)にトークイベント開催

本展の会期最終日とその前日には、キュレーター川上幸之介さんが聞き手を務めるトークイベント「希求される共同性」が開催されます。12月22日(金)19:00-20:30は、京都大学人文科学研究所准教授で農業史研究者の藤原辰史さんによる「この世界に疲れた人たちのための政治論ーー芸術と学問の連帯に向けて」、12月23日(土)15:00-16:30は〈同志社大学〉教授で政治学者の岡野八代さんによる「民主主義・資本主義・ケア」です。

ゲスト二人の胸から上のポートレート
藤原辰史さん(左)、岡野八代さん(右)

各回とも予約は不要で、入場無料で参加できます。ぜひ展覧会やトークイベントを訪れ、これからのより良い「コミュニティ」や「民主主義」のあり方について一緒に考えてみませんか。