ニュース&トピックス

「分身ロボットカフェDAWN ver.β」のカフェラウンジ、予約なしの当日利用がスタート
店舗紹介

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 「分身ロボットカフェDAWN ver.β」のカフェラウンジ、予約なしの当日利用がスタート

2021年6月にオープン以来、完全予約制だった「分身ロボットカフェDAWN ver.β」の当日利用が9月18日より開始された。画像提供:㈱オリィ研究所

「分身ロボットカフェDAWN」が、当日利用もできるように!

2021年6月21日に東京都中央区にオープンした「分身ロボットカフェDAWN ver.β(ドーン バージョンベータ)」。これまで事前予約制でしたが、9月18日よりカフェラウンジの当日利用ができるようになりました。席が空いていれば、いつでも当日気軽に店舗を利用することが出来ます。

店名の末尾の「β」は、“未完成版”を表わすエンジニア用語。「常に失敗と試行錯誤と改良を繰り返し、変化・成長し続ける研究プロジェクトでありつづけよう」という決意を表して名前が付けられた。画像提供:㈱オリィ研究所

「動けないが働きたい」外出困難者に雇用を生み出し、テクノロジーで社会課題を克服

「分身ロボットカフェDAWN ver.β」とは、〈株式会社オリィ研究所〉が運営する店舗。さまざまな理由で自分の身体を現場に運んで働くことが困難な人々が、分身ロボットを遠隔操作し、サービススタッフとして働く実験カフェです。

分身ロボットの「OriHime」や「OriHime-D」を使用することで、難病や重度障害、海外在住など、移動が難しかったり、身体がどこか離れた場所にあったりする人でも、ロボットを介してリアルタイムで遠隔地にいる人とコミュニケーションを取ることができます。そのテクノロジーを使用して「分身ロボットカフェDAWN ver.β」はオープンしました。

「OriHime-D」は全身約120㎝の分身ロボット。カメラ・マイク・スピーカーに加え、前進後退や旋回の移動機能がある。画像提供:㈱オリィ研究所

「分身ロボットカフェDAWN」の構想が生まれたのは、2016年。2019年からは、期間限定店舗「分身ロボットカフェDAWN ver.β」を運営しています。2019年時点では、接客する側のみが遠隔地から「OriHime」を使って参加できましたが、2021年にオープンした常設実験店では、接客も来客も遠隔地から行えるようになっています。

運営会社であり、「OriHime」の開発も行っている〈株式会社オリィ研究所〉は、「人類の孤独をRelation Techで解決する」をテーマに掲げ、新たな社会参加の実現をミッションにしています。そして、「すべての人に社会とつながり続ける選択肢を」をテーマにした「分身ロボットカフェDAWN」の運営によって、外出困難者に雇用を生み出すと同時に、人々の社会参加を妨げている課題をテクノロジーによって克服することを目指しています。

元バリスタなどさまざまな「パイロット」が活躍

分身ロボット「OriHime」は、さまざまな理由で行きたいところに行けない人のもう一つの身体として誕生した、高さ23㎝のロボットです。音声や文字情報、ボタンの操作などで遠隔からロボットの手のような部分や首、顔の表情を操ることができます。

ロボットを操る操縦士は「パイロット」と呼ばれ、「分身ロボットカフェDAWN ver.β」では、約60名のパイロットが参加しています。眼や指先しか動かせない重度肢体不自由患者のための意思伝達装置など連携装置も多く、さまざまな状態や環境にいるパイロットが操縦しています。

本店は、「OriHime」越しにパイロットたちが接客を行うダイニング「OriHime Diner(オリヒメ・ダイナー)」や、元バリスタのパイロットがお客さんの好みに合わせたコーヒーを淹れる「BAR & Tele-Barista(バー・アンド・テレバリスタ)」、そして完全キャッシュレスのカフェ「CAFE Lounge(カフェラウンジ)」の3エリアで構成されています。

ダイナーでは、カレー専門店〈Manos(マノス)〉(東京都世田谷区)が監修した、15種のスパイスを駆使した本格派なカレーや、岡山県蒜山のジャージー牛のローストビーフなどを味わうことができる。画像提供:㈱オリィ研究所

当日利用できるのは、カフェラウンジのエリアのみ。オリヒメ・ダイナーとバー・アンド・テレバリスタは予約制、時間入れ替え制です。予約方法など、詳細はウェブサイトをご覧ください。

また、カフェは人材育成や人材紹介の機能もあり、カフェの店頭での「スカウト」も歓迎とのこと。新しい働き方とそれを支えるテクノロジーを、美味しい食事とともに楽しめる「分身ロボットカフェDAWN ver.β」。お近くにお立ち寄りの際には足を運んでみてはいかがでしょうか。