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福祉専門職と建築家が出会い、よりよいケアの実践を多様な視点から考えるイベント
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【画像】福祉と建築

福祉専門職と建築家が出会い、よりよいケアの実践を多様な視点から考えるイベント

空間をつくる建築家及びクリエイティブ職、施設を運営する経営者、そこで働く福祉専門職がそれぞれの視点を持ち寄りながら学ぶイベント「福祉と建築 〜知る・つながる・やってみる〜」の第4回が2024年9月7日(土)に、オンラインとリアルのハイブリット形式で開催されます。

本イベントは、多様な専門職による基調講演やトークセッション、さらに会場では建築模型展示等を行い、対話を生むきっかけを提供します。

福祉事業者と建築家が出会うことで、より良いケアが生まれる建築を

イベントを主催する〈福祉と建築〉は、福祉事業者と建築家が出会い、協同することで福祉の実践をより良いものにすることを目指している団体です。

利用者の身体・心・生活を整え、さらに福祉専門職のクリエイティビティを引き出す要素として、ケアを行う空間や環境に着目。福祉事業者と建築家の両者が相互理解を深める機会の創出と、両者の協同のもと地域福祉の実践を通してよりよいケアの繋がりを全国に広めています。

2019年からスタートしたイベント「福祉と建築 〜知る・つながる・やってみる〜」は、今年で4回目の開催に。2022年に開催した第3回は日本財団との共催企画で、建築がもたらすケアの在り方や福祉建築の社会における役割について学び合う機会になりました。現地参加・オンライン参加あわせて500名以上の参加者が集まったことからも、福祉と建築の協同に対する関心が高まっていることが伺えます。

【画像】2022年に開催時の様子
2022年に開催の第3回の様子
【画像】2022年に開催時の様子
2022年に開催の第3回の様子
【画像】2022年に開催時の様子
2022年に開催の第3回の様子

第4回の本イベントも、さまざまな基調講演やトークセッション、建築模型展示等を予定しています。

福祉領域と建築領域が交わる4つの講演・クロストークに加え、多様な展示を予定

第4回「福祉と建築 〜知る・つながる・やってみる〜」は、東京大学の福武ホールとzoomオンラインウェビナーのハイブリット形式で行われます。2つの基調講演と、2つのクロストーク、加えて会場では建築の模型や福祉機器の展示を予定しています。

建築の模型展示は、今回からの新たな試みとして展示者の募集を行い、バリエーション豊かな展示を行う予定です。イベント終盤には交流会も予定し、参加者同士が繋がり、対話を生む場を設けます。

<タイムテーブル>

12:30~12:50 開会
12:50~13:35 基調講演1「福祉建築がもたらすケアのクリエイティビティ」
13:35~14:15 展示紹介・休憩
14:15~15:00 基調講演2「福祉建築が社会に果たす役割の現在」
15:00~15:40 展示紹介・休憩
15:40~16:35 クロストーク1「ケアの科学とクリエイティビティの狭間で」
16:35~16:55 展示紹介・休憩
17:05~18:00 クロストーク2「地域を読み解き福祉を行う」
18:00~18:40 交流会

1つ目の基調講演は飯田大輔さん(介護福祉士 / 社会福祉法人福祉楽団理事長 / 千葉大学非常勤講師)による「福祉建築がもたらすケアのクリエイティビティ」です。

飯田さんは、2001年に社会福祉法人福祉楽団を設立し、特別養護老人ホームの生活相談員や施設長を経て、現在、理事長を務めています。また、2012年には障害のある人の仕事をつくるための事業として〈株式会社恋する豚研究所〉を設立。〈こここ〉では福祉楽団が運営する特別養護老人ホーム〈杜の家なりた〉を訪ねました。

【画像】飯田大輔さん写真

2つ目の基調講演は大月敏雄さん(東京大学教授)による「福祉建築が社会に果たす役割の現在」です。

大月さんは、東京大学工学部建築学科卒業後、一級建築士の資格を取得し、2014年から東京大学建築学専攻教授を務めています。建築計画、住宅計画・設計、団地計画・設計、住宅政策を専門とし、2023年度は国交省、厚労省、法務省合同の「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」の座長としても活躍されました。

【画像】大月敏雄さん写真

・クロストーク1「ケアの科学とクリエイティビティの間で」

1本目のクロストークのテーマは、「ケアの科学とクリエイティビティの間で」。基調講演に登壇する飯田大輔さん、大月敏雄さん、そして社会福祉法人福岡ひかり福祉会理事・よりあい統括所長の村瀬孝生さんの3名で、科学的な思考とクリエイティブな思考を使うことで生まれる、より良いケアの実践について話します。

村瀬孝生さん(よりあい統括所長:社会福祉法人福岡ひかり福祉会理事)は、特別養護老人ホームの生活指導員からキャリアをスタートし、福岡市にある第2宅老所よりあいの所長、宅老所よりあいの代表、よりあいの森の施設長を務めました。おばあちゃんが、ぼけた看取りケアの作法』『シンクロと自由』『ぼけと利他など多数の著書があります。

【画像】村瀬孝生さん写真

・クロストーク2「地域を読み解き福祉を行う」

2本目のクロストークのテーマは、「地域を読み解き福祉を行う」。福祉事業者、建築家、文化人類学者の三者が、地域やそこに住む人々をどのように読み解き、また、地域に根ざした福祉事業をどのように実践していくかを話します。

1人目のゲストの馬場拓也さん(社会福祉法人愛川舜寿会 理事長)は、大学卒業後アパレル企業での経験を経て2010年、2代目経営者として社会福祉法人愛川舜寿会に参画しました。2016年には介護施設の庭を地域開放するプロジェクトを建築家の金野千恵さんと大学生たちと共同で実施し、2017年には地域の公⺠館を活用した市⺠の語り場を創設。インクルーシブ教育の認可保育園「カミヤト凸凹保育園plus」を開園するなど、幅広く事業を展開しています。

【画像】馬場拓也さん写真

2人目のゲストの伊藤孝仁さん(建築家、AMP/PAM(アンパン)主宰)は、乾久美子建築設計事務所を経て、2014年から2020年まで住宅から公共建築、パブリックスペースまで多様な場所づくりを行うトミトアーキテクチャを共同主宰。2020年からは、設計業務だけに留まらず、フィールドワークを通じてプロジェクトの意義や価値の再発見、企画やプログラム構築段階でのアドバイスを行うAMP/PAMを主宰しています。

【画像】伊藤孝仁さん写真

3人目のゲストの猪瀬浩平さん(明治学院大学教員/見沼田んぼ福祉農園事務局長)は、文化人類学、ボランティア学を専門とし、明治学院大学教養教育センター教授、同大学ボランティアセンター長を務めています。また、1999年にさいたま市内の障害者団体に所属する障害者に農作業の場を作り、職業的自立の足がかりを与えるという目的で設置された見沼田んぼ福祉農園でも事務局長として活躍しています。

【画像】猪瀬浩平さん写真

福祉と建築の両領域を知り、つながり、1歩を踏み出すきっかけに

よりよいケアの実践を目指し、福祉と建築の両分野の知見を分け合う第4回「福祉と建築 〜知る・つながる・やってみる〜」。本イベントをきっかけに福祉×建築が秘める可能性を知り、繋がり、そして一歩を踏み出すきっかけにしてみませんか。

リアル、オンラインともに参加者はもちろん、イベント内における建築模型展示者・企画展示者の募集も行っています。気になる方はぜひ一度サイトをチェックしてみてください。

【画像】福祉と建築ポスター