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阪神淡路大震災30周年シンポジウム「ケアを“うける”こと ケアを“する”こと」。1月11日(日)神戸にて開催
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タイムスケジュールなどが掲載された、チラシの表面

災害支援のケアと表現の可能性について語り合う

2025年は、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災から30年という節目の年でした。震災を振り返る報道や、震災から得られた教訓や知見について語られる場面を目にした方も多いのではないでしょうか。2026年1月11日(日)、この節目の年の締めくくりに、〈神戸国際会議場〉で公開シンポジウムが開かれます。

シンポジウムのテーマは「ケアを“うける”ことと、ケアを“する”こと」。企画をしたのは、臨床心理士・公認心理師の坂井新さんと渋谷浩太さん。アーティストの瀬尾夏美さん、美術家の山田沙奈恵さん、臨床心理士の皆藤章さんが登壇し、災害支援のケアについて語ります。

対象としているのは、対人支援専門職の方やアート関係者のほか、広く一般の方々。現地参加のほか、後日配信もあり、いずれも事前の申し込みが必要です。

テーマ「ケアを“うける”こと、ケアを“する”こと」

シンポジウムの企画者で司会を務めるのは、坂井新さんです。臨床心理士・公認心理師で、ケアとセラピーの場「Therapy Plays epifunny(セラピープレイス エピファニー)」を運営する〈株式会社epifunny company〉の代表取締役でもあります。

ともに企画をした、臨床心理士・公認心理師の渋谷浩太さんは、東日本大震災の被災地・石巻にある〈一般社団法人震災こころのケア・ネットワークみやぎ〉が運営する拠点「からころステーション」に所属しています。阪神淡路大震災を経験した坂井さんが、震災とその後の心理臨床における支援経験を踏まえて石巻で活動を行っていたときに、二人は出会いました。

以後、坂井さんは、渋谷さんの実践についての指導や助言を行う「スーパービジョン」を月に一度遠隔で行っています。二人の4年間に及ぶ対話の中で気付いたのは、二人ともが「ケアをする立場にありながら、実は被災者であった」という事実。坂井さんは30年前の阪神淡路大震災、渋谷さんは15年前の東日本大震災を体験しながら、他者のケアに没頭し、自分自身のことを忘れていたのでした。

それは表に現れる言動と、その奥にありながら決して語りえない痛みのようなモノを懐胎し歩んできた自分たちがあったのだという、“こころの事実”であるようにも思えます。私たちが災禍を生き残るためには、外には無難に出せる言葉が必要だったのでしょう。そして、決して出しえない声があること/あったことに気づき、その声は身体やイメージが媒介している可能性があることを実感したのでした。(イベントウェブサイトの「思い」より)

こうした二人の気づきや対話から生まれてきたテーマは、「ケアを“うける”こと、ケアを“する”こと」。「被災者は誰かからケアをうけているし、支援者はケアをしていると思っているが、支援者もケアをうけているし、被災者もケアをしているのではないか」というひとつ目の問いと、「日常生活をおくる私たちは、援助やケアをうけることに慣れているのだろうか」というもうひとつの問い。このふたつの問いをめぐって、シンポジウムが企画されました。

二人のポートレート写真
坂井新さん(左)と渋谷浩太さん(右)

4人の登壇者とプログラム

2026年1月11日(日)に〈神戸国際会議場〉にて行われるシンポジウムは、大きく3部に分かれています。

まず第1部のはじめは、渋谷さんから石巻の「からころステーション」の15年間のケア実践についてご紹介します。医師、看護師、臨床心理士、精神保健福祉士、社会福祉士、作業療法士、ケースワーカーなど、多職種が協働して運営されてきたケアの現場では、どのようなことが行われてきたのでしょう。年に1〜2回現地に赴き、相談支援をともにすることを続けてきた坂井さんからも、彼らの支援活動とはどのようものだったのか、考察を含めてお話します。

続いて、アーティスト・作家の瀬尾夏美さんによる基調講演「災禍の記憶を聞くこと、物語ること」が行われます。『声の地層 災禍と痛みを語ること』(生きのびるブックス 、2023)などの著者で、被災地を訪れ、対話の場づくりや作品制作を行ってきた瀬尾さん。今回は、陸前高田、丸森、広島などの制作やワークショップの体験など具体的な事例を参照しながら、災禍を語ること/聞くことと、表現の可能性について考えます。

川辺に立つポートレート写真
瀬尾夏美さん

お昼休憩を挟み、第2部の最初は「こころの避難訓練はありうるか?」というテーマで、人と自然環境の関係を読み解く映像作品を制作する山田沙奈恵さんが登壇します。山田さんが〈Therapy Plays epifunny〉の臨床心理士、作業療法士との協働を通して模索しているアート活動のプロセスを発表します。

2部の終わりは、「わたしの被災とケア体験を語る『つぎはぎの道』」というタイトルで渋谷さんが自身の体験とケアプロセスの中で生じた事例を提示。心理臨床家の皆藤章さんがコメントをします。

二人の顔が並んだポートレート
山田沙奈恵さん(左)と皆藤章さん(右)

締めくくりとなる3部はディスカッションです。「ケアを“うける”こと、ケアを“する”こと」と題して、渋谷さん、瀬尾さん、山田さん、皆藤さんの登壇者4人と語り合い、質疑応答を行います。

チラシの表画像

現地参加は4000円、後日配信は1000円で、申し込みの締切は1月9日(金)です。

自然災害によるケアの現場での実践や、災禍と表現の可能性などに触れながら、ケアしケアされる個人の体験とも向き合うような時間となりそうです。阪神淡路大震災から30周年という節目の終わりに、ぜひ参加してみませんか。