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もうひとつの美術館「ありのままがあるところ しょうぶ学園」展が7/16から開催
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2021年7月16日(金)より〈もうひとつの美術館〉にて開催

〈もうひとつの美術館〉開館20周年記念の企画展が開催

〈もうひとつの美術館〉(栃木県那珂川町)にて、企画展「ありのままがあるところ しょうぶ学園」が2021年7月16日(金)より11月23日(祝火)まで開催されます。

〈もうひとつの美術館〉は、旧小学校校舎を改築して2001年に開設され、今年で開館20周年を迎える小さな美術館です。コンセプトは、「みんながアーティスト、すべてはアート」。年齢・国籍・障がいの有無・専門家であるかどうかに関わらず、まち・地域・場所やジャンルをつなぎ、ともにつくっていくアートのあり方を提案しています。

〈しょうぶ学園〉のアートが生まれる環境づくりに注目し、組み立てた企画展

今回の企画展で取り上げられる〈しょうぶ学園〉(鹿児島県鹿児島市)は、1973年に創立し、大島紬の機織り、刺繍、園芸、竹細工などの制作を下請けする、知的障害者援護施設としてスタートしました。1985年からは「工房しょうぶ」を立ち上げ、工芸を中心とした創作活動に転換。「地域に根差した個性あふれる福祉文化の創造」をコンセプトに、施設活動が「与えられる」側から「創り出す」側になることを目標に活動しています。「こここなイッピン」でも〈しょうぶ学園〉の「手彫り角盆&角膳」をご紹介させていただきました。

企画展「ありのままがあるところ しょうぶ学園」では、そんな〈しょうぶ学園〉で生まれた作品やグッズ、クラフトを、作家であるメンバーや職員が登場する映像を交えながら、紹介します。

今回の企画展の見どころは、〈しょうぶ学園〉で作られた作品だけではありません。創作環境を整え、作品が生まれる瞬間に立会い、ときには共同制作したり、日常生活を支えたりする施設職員など、作家の周りにいる「人」にもスポットを当てています。映像を通して制作過程を立体的に伝えることで、作品そのものだけではない、アートの生まれる「環境づくり」についても紹介しています。

〈しょうぶ学園〉を舞台にした2つのドキュメンタリー映画の上映も

関連イベントとして、〈しょうぶ学園〉を舞台に撮影された『幸福は日々の中に。』と『so:but(and)=1.2.3.4.―あらかじめ、衝動の』、2本の映画上映も予定されています。

映画はそれぞれ、9月と10月に〈もうひとつの美術館〉内で上映される。完全予約制

『幸福は日々の中に。』では、音のパフォーマンス集団〈otto&orabu〉や、布と糸と遊ぶ〈nui project〉など、〈しょうぶ学園〉が取り組んできた活動を映し出します。映画『ステップ・アクロス・ザ・ボーダー』を制作したドイツ人映像作家ヴェルナー・ペンツェルさんと、『島の色静かな声』を制作し、写真家でもある茂木綾子さんによる、共同監督のドキュメンタリー作品です。

もうひとつの映画『so:but(and)=1.2.3.4.―あらかじめ、衝動の』は、〈otto&orabu〉をメインに取り上げながら、純粋さに対する意識の変容について描いたドキュメンタリー映画です。

作品や映像の展示、そしてドキュメンタリー映像の上映など、さまざまな角度から〈しょうぶ学園〉の創造性に触れることができる展覧会です。ぜひ、この機会にお楽しみください。