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「パープルリボン月間」にあわせ、〈ウィングス京都〉が“あらゆるジェンダー・セクシュアリティを持つ人への暴力根絶”に向けた講座を開催
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イベント概要が書かれたチラシ
〈ウィングス京都〉で開催される「パープルリボン月間」。パネル展やトークイベントが開催されます

あらゆる人への暴力に反対する「パープルリボン月間」

11月の「女性に対する暴力をなくす運動」期間にあわせ、〈京都市男女共同参画センター ウィングス京都〉があらゆるジェンダーセクシュアリティを持つ人への暴力に反対する「パープルリボン月間 2022」を実施。2022年11月1日(火)〜29日(火)に、展示やブックフェアを開催します。

テーマは「Update〜変わる・変える 暴力とわたしたち〜」。性暴力やDVなど、あらゆる暴力は許されないものなのだという認識を社会に根付かせ、誰も暴力を受けないようにするために、私たちはいかにアップデートすればよいのかを考えます。

また、11月12日(土)には男性の性暴力被害についてのトーク、11月19日(土)には、ストーカー被害・加害への向き合い方をテーマにしたシンポジウムも開催予定です。

トークイベントの詳細が書かれている、チラシ裏面

男女の自立と対等な社会参加を目指して活動する〈京都市男女共同参画推進協会〉

〈ウィングス京都〉は、京都市における男女共同参画を推進するための拠点として、1994年に開設されました。運営する〈公益財団法人京都市男女共同参画推進協会〉はこれまで、性やジェンダーをテーマにした講座をいくつも開催してきたほか、性的同意の重要性を訴えたり「男らしさ」とは何かを捉え直したりするための『Gender Handbook』を発行し、京都市内外へ広く情報を発信するなどしています。

「パープルリボン月間」とは、内閣府の「女性に対する暴力をなくす運動」(11月12〜25日)に併せて、毎年11月に〈ウィングス京都〉が行っているキャンペーンです。過去には性暴力被害者による写真展や、性暴力被害を描いた映画の上映会、トラウマについて学ぶトークイベントなどを開催してきました。

フロアにたくさんのパネルが展示されている。中央奥のクリスマスツリーには、大きな紫色のリボンが飾られている
〈ウィングス京都〉館内、2021年のパネル展の模様

2022年は、男性の性暴力被害、ストーカー被害に焦点をあてた講座を開催

パープルリボンは「女性に対する暴力の根絶」のためのシンボルマークですが、〈京都市男女共同参画推進協会〉は2022年から独自に、女性だけでなく、あらゆるジェンダー・セクシュアリティを持つ人への暴力を許さない社会を目指す意味合いを込めています。

これは、2017年の刑法改正を受け「強制性交等罪」の被害対象者が“性別を問わないもの”へと変わったことや、男性やセクシュアルマイノリティに対する暴力にも焦点があたりつつある現状を踏まえて、一人ひとりが考えをアップデートさせる必要があると考えられたからです。

壁に冊子の内容が貼られ、手前の机の上には、冊子が積んである
DVサバイバーによる報告冊子『After ~わたしが私でいるために~』展示風景(2021年)

「パープルリボン月間 2022」の期間中、2週にわたって開催される講座には、そうした変化が表れています。

11月12日(土)に開催されるのは、男性の性暴力をテーマにしたトークイベント。臨床心理士/公認心理師の宮﨑浩一さんを講師に迎え、男性の性暴力被害について知り、向き合い方を考えます(後日講演部分のみオンライン配信で視聴可能)。

さらに11月19日(土)には、ストーカー被害に焦点を当てたシンポジウムを開催。『ストーカーとの七〇〇日戦争』の著者・内澤旬子さんが当事者として、被害のリアルと、未然に防ぐために必要な支援と対策について講演を行ったのち、桶川ストーカー事件被害者遺族である猪野憲一さん、弁護士の上谷さくらさん、〈NPOヒューマニティ〉理事長の小早川明子さんも交えたパネルディスカッションが開かれます。

イベントテーマを囲むように、紫のリボンがあしらわれたチラシの表面

あらゆるジェンダー・セクシュアリティを持つ人への暴力を許さない社会を目指して

女性だけではなく、あらゆるジェンダー・セクシュアリティを持つ人も対象にした〈ウィングス京都〉の新たな「パープルリボン月間」。しかし、「女性」がいまだに暴力の被害を受けやすく、社会的立場が弱いという事実を軽んじるわけではないと〈京都市男女共同参画推進協会〉はいいます。

「これまで女性が中心となって挙げた声は、暴力が社会にあることを可視化し、許されない行為だということを提起してきました。その歴史の重みを引き継ぎながら、それでも『あらゆる暴力が許されない』ということをより確かに社会に根付かせるために、あらゆるジェンダー・セクシュアリティを対象にしたキャンペーンや講座を展開することにしました」
(事業企画課の担当者)

「パープルリボン月間 2022」期間中、〈ウィングス京都〉ではDV防止や被害者支援に取り組む団体の活動内容のパネル展や、〈京都市中央青少年活動センター〉とのコラボレーション企画として、日常に潜む性暴力を考えるパネル展が展開されています。また暴力について知り、考えるヒントとなる資料をセレクトしたブックフェアも開催中です。

パネル展へ足を運んでみたり、講座に参加してみたりしながら、この機会に、自分と大切な人たちを暴力から守るためにできることを考えてみませんか。