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「男らしさ」の謎を探る『Gender Handbook vol.2』。PDF、冊子で全国に配布中
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せいさくされたはんどぶっく
〈公益財団法人京都市男女共同参画推進協会〉が発行した『 #ボクらは誰も傷つけたくない 「男らしさ」の謎を探る冒険』。公式サイトでデータ版を無料ダウンロードできるほか、オンラインショップで紙版も販売中

「男らしさ」を捉え直すGender Handbookを配布中

「あなたは男だから」「もっと女らしくしなくっちゃ!」。社会的・文化的につくられた性別であるジェンダーによって“こうあるべき”を押し付けられることに、モヤモヤしたり苦しんだりしたことはありませんか。

そうした問題の一つに、「男性の生きづらさ」があります。「男性である」ことを理由に社会や家庭である役割を押し付けられるなど、偏った「男らしさ」の規範が男性自身の苦しみにもつながるとして、知られるようになっています。

そうした中で、〈公益財団法人京都市男女共同参画推進協会〉はブックレット『 #ボクらは誰も傷つけたくない 「男らしさ」の謎を探る冒険』を発行。特に中学生大学生の、いわゆる思春期の男の子が抱える「しんどい男らしさ」の背景や、実社会への影響について紹介しながら、「男らしさ」によって自分も他者も傷つけないような生き方・価値観について考えています。

なぜ「男らしさ」が支配や暴力に繋がるのかを紹介

思春期の男性が「男らしさ」の呪縛から解かれるために、大人は何を知り、どう関わるべきなのか。男性学やジェンダーの専門家の協力のもと発行されたのが、Gender Handbook vol.2『 #ボクらは誰も傷つけたくない 「男らしさ」の謎を探る冒険』です。

ひょうし
ブックレット『#ボクらは誰も傷つけたくない 「男らしさ」の謎を探る冒険』の表紙

全16ページ、オールカラーで発行された本書は、PDFデータとして無料でダウンロードが可能。中には、楽しく読み進められるようさまざまに工夫されたコンテンツが収録されています。

たとえば座談会ページ「20代・30代になったボクたちが思春期の謎ルールを振り返ってみた」(p35)では、20代~30代の男性が自身の過去を振り返りながら、性にまつわる知識の競い合いや、体の特徴にまつわるからかいなど、思春期特有の謎ルールやレッテル、しんどかったエピソードなどを語り合います。

また、専門家による解説ページとして「男子集団解説」(p67)、「『男らしさ』が誰かを傷つけるとき」(p89)を掲載。思春期に見られる「マウント合戦」や「性的関心のアピール」などには、「男らしさ」に関するどのような特徴があるのか、またそれらがなぜ他者を傷つけたり支配したり、男性による暴力を容認したりする結果につながってしまうのかを解説しています。

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「『男らしさ』が誰かを傷つけるとき」(p8〜9)

さらにはジェンダー分野の実践者のお話も収録。『暴力を受けていい人はひとりもいない』の著者で〈認定NPO法人エンパワメントかながわ〉の阿部真紀さん(p1011)は若者に身近なデートDVの関係から、『モテないけど生きてます』『「非モテ」からはじめる男性学』の著者で〈ぼくらの非モテ研究会〉代表の西井開さん(p13)は男性同士の語り合いグループづくりの観点で、それぞれの最新の知見から学べる内容になっています。

〈ホワイトリボンキャンペーン・ジャパン(WRCJ)〉との共同制作

本冊子は〈公益財団法人京都市男女共同参画推進協会〉と、男性が主体となって暴力にNOを示す「ホワイトリボンキャンペーン」を展開する〈一般社団法人ホワイトリボンキャンペーン・ジャパン(WRCJ)〉との、コラボレーション事業として制作されました。

いま思春期の子どもを育てている保護者の中には、思春期の頃にゲームにハマったという人も多いのではないか……という想像から、RPGを思わせるドット絵(ピクセルアート)を採用。重くなりがちなテーマを、親しみやすいデザインでわかりやすく演出しています。

2020年11月の発刊後、全国から問い合わせがあり、学校の授業での活用や、教員、保護者、生徒への配布も進んでいます。好評を受け、現在はPDF版の無料ダウンロードに加えてオンラインショップで紙版も販売中です。

ブックレットを題材に2021年7月に開催されたイベント『ところで、思春期の「男らしさ」とどう向き合ってる? ~「ボクらは誰も傷つけたくない」解説』(大阪市立総合生涯学習センターにて開催、主催:一般社団法人ホワイトリボンキャンペーン・ジャパン)も配信中です

ジェンダーは、誰にとっても関わりのある問題。だからこそご家庭で、職場で、ブックレットを用いてこれまでの「男らしさ」を問い直す機会を設けませんか。