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障害のある人もない人も共に踊る「スクランブル・ダンスプロジェクト」が映像作品『いま、生まれたばかり』を公開中。メンバー募集も
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おだわらじょうをはいけいにおどる、メンバーたち
小田原の自然や名所を舞台に、障害のある人もない人も共に踊ります

小田原の街を舞台に展開するダンス映像作品『いま、生まれたばかり』

障害のある人もない人も共に踊る「スクランブル・ダンスプロジェクト」による映像作品『いま、生まれたばかり』が、神奈川県の共生共創事業公式ウェブサイトで公開されています。

この作品は、海や山などの自然、街並みなど、神奈川県小田原市の様々な場所で踊る様子を撮影したものです。「光」「海」「街」「生命」をキーワードにした4章から構成されています。

舞踏家が講師として参加するダンスプロジェクト

 「スクランブル・ダンスプロジェクト」は、2016年に小田原市文化創造活動担い手育成事業の一環としてスタートしました。「障害のある人とない人がお互いを尊重しあいながら、社会の中でスクランブルできる状況になるように」との願いをこめて「スクランブル・ダンスプロジェクト」と名付けられています。

小田原市を拠点に、障害のある人に向けたアートの場づくりをする〈NPO法人アール・ド・ヴィーヴル〉の協力を得て、2016年8月に初回のワークショップが開かれました。

講師として招かれたのは、世界的な舞踏家である故・大野慶人さん。大野さんの「あなたはそこにいるだけで作品なんだよ」という言葉に導かれるように、プロジェクトはスタートします。舞踏は、型や決まった振り付けがなく、心の内面を身体で表現するダンスとされています。一人ひとりの身体性をいかして、それぞれの内側から生まれた表現を行う。そうした舞踏のあり方は、障害のある人とない人が共につくることと親和性があり、大野さんは普段舞踏の稽古で行うことと同じことをこのプロジェクトでも行っていたそうです。

はなをてにもってたち、むかいあっている
初年度の2016年に開催されたワークショップ。左端が大野慶人さん 撮影:木村雅章

2018年からは、大野さんから講師を引き継ぎ、舞踏家の松岡大さんが参加。はじめてのダンス発表会が開かれました。以後もダンスワークショップを重ね、2021年3月に小田原市民会館大ホールにてワークインプログレス「ひかりのすあしへ向かって」を実施。同年12月には小田原の街を歩きながら体験する『無限に咲く』を上演。さらに2022年1月、ダンス・映像・音楽が組み合わさったイベント「ART COMPLEX」にダンスチームとして参加するなど、ワークショップと発表を積み重ねながら、意欲的に活動しています。

ゆうがたのひかりをあびて、おどるメンバー。てまえにはくるまいすにのるひとと、そのくるまいすをおすひとも
『無限に咲く』の一場面 撮影:木村雅章

公演や活動を鑑賞した参加者からは「障害ってなんだっけ、と価値観を揺さぶられました」「自由に表現するパフォーマーたちからありのままに生きることについて考えさせられました」「皆さんのダンスを通して生きること、共感し合うことの素晴らしさを教えていただきました」「体が動き出すようなワクワク感がありました」などの声が届いています。

小田原の街を舞台に展開される映像作品『いま、生まれたばかり』

 今回公開された映像作品『いま、生まれたばかり』は、年齢や障害の有無に関わらず、舞台芸術に参加し楽しむことを目的とした、神奈川県の共生共創事業の一環としてつくられた作品です。

「ひかりに向かって」「うみに祈る」「つながる鼓動」「うぶすなの踊り」の4章からなる作品は、それぞれ小田原の自然や街並みを背景に踊っています。

海に向かうトンネルのような空間から始まり、海岸、神社、街並み、ホール、公園など風景が変化。ひとりひとりが個別に表現し、ときに連なり、輪になり、互いを感じながら踊ります。

かいがんで、いしにすわり、うみをはいけいにおどる
じんじゃでこちらをむいておどる

なかには輪に入らず、隅の方に座ってみんなの様子を見ている人も。ありのままを受け入れるダンスの表現を感じるとともに、「あなたはそこにいるだけで作品なんだよ」という大野さんの言葉が思い出されます。

2021年度共生共創事業 スクランブル・ダンスプロジェクト「いま、生まれたばかり」

〈配信〉かなチャンTV(神奈川県公式YouTubeチャンネル)
https://youtu.be/BWNgUxPZzss

〈作品詳細〉共生共創事業HP
https://kyosei-kyoso.jp/events/scramble_dance/

【共生共創事業とは】
神奈川県では、「ともに生きる社会かながわ」の実現に寄与するため、文化芸術の分野においても、「ともに生きる ともに創る」を目標に、年齢や障がいなどにかかわらず、子どもから大人まで全ての人が、舞台芸術に参加し楽しめる「共生共創事業」を実施しています。

(スクランブル・ダンスプロジェクトからのメッセージ)

“「踊る」というテーマでつながる場に障害があるなしの壁はどんどん消えていきます。
そして共に踊っているうちに確信するのです。
全ての人が唯一無二の、かけがえのない存在であることを。
そしてみている人にもそれは伝わり、いつしか体が動き出してしまいます。

いまここで共に生きる全ての人が、ダンスで交わり、結びつく。
それがスクランブル・ダンスなのです。”

ダンスを通して、障害のある人とない人が交わる体験をつくりだす「スクランブル・ダンスプロジェクト」ではメンバーも募集しています。体験や見学も可能とのこと。ダンスや、さまざまな人たちと共につくりあげることに興味のある方はぜひ参加してみませんか。