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東京・根津の〈SLOW GELATO in bulk〉。福祉施設で作るジェラートを楽しむ”あと混ぜ”スタイルとは?
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さまざまなトッピングやソース、ワッフルコーンなどと一緒に写るジェラート画像

オーダーを受けてからひとつひとつ練り上げる、カスタマイズ・ジェラート店

2021年3月、東京都・根津駅近くにオープンしたジェラートショップ〈SLOW GELATO in bulk(スロー・ジェラート・イン・バルク)〉。熊本県合志市の福祉施設〈野々島学園〉でつくられるジェラートを販売するジェラテリア〈SLOW GELATO〉(熊本県合志市)の姉妹店です。

この熊本産ジェラートに、東京店で手づくりした季節のソースや、ザクザクとした食感のスプリンクル(トッピング)をカスタマイズで加え、オーダーを受けてから混ぜ合わせる“あと混ぜ”スタイルが〈SLOW GELATO in bulk〉の特徴。

ユニークな提供方法や、一番おいしい温度に練られた滑らかなジェラートと楽しい食感にはまるファンも多く、地域の常連客をはじめ、谷根千(谷中・根津・千駄木)散策の観光客からも注目を集め始めている新しいジェラート屋さんです。

木材を多用したお店のイメージ写真
〈SLOW GELATO in bulk〉の外観

フードデザイナー〈モコメシ〉がプロデュース

同店の代表は「食べるシチュエーションをデザインする」をコンセプトに、ケータリングや飲食店向けのメニュー開発などを行う、フードデザイナー〈モコメシ〉の小沢朋子さん。

熊本の〈SLOW GELATO〉立ち上げ時からジェラートのレシピ開発に携わり、〈SLOW GELATO in bulk〉で扱うソースやスプリンクル、店頭に並ぶ焼き菓子なども手掛けています。

惜しみない手間ひまと、たくさんのこだわり、熊本で積み重ねてきた地域とのつながりから生まれた〈SLOW GELATO〉を、東京でも楽しんでもらいたいという思いから、2019年頃に東京店の設立を構想。

出来立てが一番おいしいというジェラート。東京ではつくらないというデメリットをいかにメリットに変えるかを考え抜き、小沢さんが一番おいしいと思えるかたちに辿り着いたのが、“あと混ぜ”というスタイルだったのだとか。

ココアのワッフルコーン+ミルクジェラートのイメージ画像

〈SLOW GELATO in bulk〉のジェラートパターンは150種類以上!

東京店では、以下の4ステップでジェラートを注文します。

①ジェラートを選ぶ
東京店で扱うのは「ミルク」「チョコレート」の2種類に限定。熊本県・阿部牧場の「ASOMILK」と、キビ砂糖でつくられたコクのある「ミルク」。たっぷりのカカオマスを用いたリッチなチョコベースに、熊本特産の特大柑橘・晩白柚(ばんぺいゆ)を隠し味にした「チョコレート」から選べます。

②ソースを選ぶ
季節のフルーツや、しっかりと苦い大人向けのキャラメルなど、約8~10種のソースからチョイス。熊本産の桑の実でつくった真っ赤なソースは、ミルクにもチョコレートにもマッチして人気です。

③スプリンクルを選ぶ
東京店で手づくりされるクランブルや、キャラメリゼされたナッツ、近隣のおせんべい屋さんでつくられている塩味のきいた「おせんべ」など、こちらも約10種から選べます。

④ワッフルコーン or カップを選ぶ
ワッフルコーンも店内で手づくり! 東京で生産されている在来種の無農薬小麦「柳久保小麦」を使ったプレーンとココアの2種があり、1日10個限定です。カップにも小さなクリスピーワッフルが添えられます。

その日のソースやスプリンクルの数にもよりますが、ジェラートとトッピングの組み合わせは150種類以上! 迷ったらお店のスタッフに相談するのもオススメです。

クリームソーダのイメージ画像
凍った生の果物を氷変わりにし、オリジナルシロップを炭酸で割り、ミルクジェラートをオンした、夏限定のクリームソーダも要チェック

ジェラート以外にも、ビスコッティ、クッキー、マフィン、タルト、キャロットケーキなどの焼き菓子も充実。ハーブやスパイス使いを得意とする小沢さんならではの焼き菓子は、どれも心くすぐられるものばかり。

店内外に小さなイートインスペースがあり、コーヒーやほうじ茶などのドリンクも用意されているので、谷根千散策の休憩にもピッタリです。

店内で販売されている焼き菓子の写真

「バルク(bulk)」というこだわり

ジェラートは「バルクカップ(※注)」という持ち帰り用カップでも販売されています。ただし、用意されているのは473mlという大きなサイズのみ。

ジェラートの本当のおいしさは、練って滑らかにし、少し温度が上がった状態でこそ味わえるという小沢さん。そのおいしさへのこだわりを貫きたい思いから、バルクカップに限った販売を決意。自宅でもジェラートを最適なかたちで食べてほしいという願いが込められています。

ギフトセットのイメージ写真
バルクカップ、スプリンクル、ソース、クリスピーワッフル、メレンゲのトッピングがセットになったギフト

バルクカップとトッピングがセットになったギフトセットも用意。プレゼントはもちろん、自宅で子どもと一緒に混ぜる工程を楽しみながらジェラートを味わう、そんな楽しみ方もオススメです。

※注) バルク(bulk):「大量の」「大口の」などの意味があり、業界によっては大量注文やまとめ買いを「バルク買い」と言うことも。

熊本の〈SLOW GELATO〉について

〈SLOW GELATO〉の建物の写真。三角屋根が印象的な、白壁の木造建築。
かつてカフェだった建物を、デザイナーと野々島学園のメンバーでDIYした〈SLOW GELATO〉の建物

一方、熊本の〈SLOW GELATO〉は、「障害のある人の、創造的で新しい働く場」として、2016年にオープンしました。

〈社会福祉法人愛火の会〉が運営する、就労継続支援B型事業所・生活介護事業所〈野々島学園〉と、アーティスト・デザイナー・企業・福祉施設などをつなげ、新しいモノ・コトづくりに取り組む〈NPO法人 SLOW LABEL〉が共同プロデュースでオープンしたジェラテリアです。

〈野々島学園〉に在籍する障害のあるメンバーが、野菜や果物の下ごしらえから加工まで、ほぼ全行程を担当。熊本の特産フルーツをたっぷり使ったものや、郷土料理からインスピレーションを得たオリジナルジェラートが楽しめます。

六角形の白い陶器の器に盛られた、さまざまなジェラートの写真。
熊本をはじめ、九州などでよく食べられる呉汁(ごじる/すり潰した大豆を入れた汁物)をアレンジした「ご汁&プラリネ」、チョコレートの隠し味に使われている晩白柚の果肉部分と米焼酎で仕込んだソルベ「晩白柚&白岳」など、魅惑のフレーバーも。ジェラートを提供する器は、学園内にある陶芸工房で手づくりしています。 ※現在、コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、熊本の〈SLOW GELATO〉は休業中(2022年8月現在)。ジェラートは卸している熊本県内外のお店で食べることができます

同じ〈SLOW GELATO〉でありながら、提供方法も味わいも異なる熊本店と東京店。それぞれの楽しみ方やこだわりを、ぜひ現地で体感してみては?

また東京店では、近隣住民や地域の子どもたちの拠点となるような取り組みがさまざまに実施&計画されています。駄菓子屋でお菓子を買うような感覚で、子どもだけで訪れたときに買える、当たりくじつき100円アイスバーを用意したり、店内のキッチンを使ったクッキングワークショップを開催することも。SNSや公式サイトで情報をチェックし、お出かけしてみてはいかがでしょうか。

さまざまな絵本や童話が陳列されている店内のイメージ
〈SLOW GELATO in bulk〉の隣にある古本屋〈タナカホンヤ〉から預かった絵本や童話を店内に陳列。購入したい場合は〈タナカホンヤ〉でお会計。近隣のショップや地域と連携したユニークな取り組みにも注目!