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“捨てられないもの”から多文化共生を考える。Swing×成田舞×片山達貴 展覧会「blue vol.2」が3月19日から27日まで開催
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ふらいやー

blue vol.2 ― 捨てられないものが物語ること」展が319日(土)から開催

突然ですが、あなたには「捨てられないもの」がありますか?

両親からもらった贈り物、初任給で買った腕時計、子どもが手作りしてくれたプレゼントなど、おそらく多くの人が捨てられずに手元に残しているものがあるのではないでしょうか。

そんな「捨てられないもの」に注目し、地域、年齢、職業など様々な12名にインタビューした記録の展覧会「blue vol.2 ― 捨てられないものが物語ること」が、2022319日(土)から27日(日)まで、〈THEATRE E9 KYOTO〉(京都市南区)にて開催されます。

予告動画

楽しく、面白く、社会に働きかける〈NPO法人スウィング〉

展示を主催するのは、〈NPO法人スウィング〉(京都市北区)。〈スウィング〉は、「べき」や「ねば」など既存の仕事観や芸術観に疑問を投げかけながら、「障害」「健常」「大人」「子ども」「男」「女」などの枠を超え、世の中を楽しくすることを目指す法人です。

活動の軸は芸術創作活動。2008年から活動に「オレたちひょうげん族」と名づけ、展覧会の開催やオリジナルグッズの製作・販売をし、さまざまな形で人や社会に向けて発信してきました。

また、200810月からは事務所のある京都・上賀茂地域を中心に清掃活動「ゴミコロリ」をスタート。独自に生み出したローカルヒーロー「まち美化戦隊ゴミコロレンジャー」(全員ゴミブルー)は、いつしか近所の子どもたちにも大人気の存在に。楽しく、おもしろいゴミ拾いの形を提案してきました。

ごみひろいのようす
©︎Narita Mai

そんな「ゴミコロリ」 の趣旨に賛同した団体・個人は年々増え、現在では各地で「ゴミコロリ」を展開する「ゴミコロ支部」が、世界各地に28支部(団体24、個人4)に広がっています。

20205月からは、東九条(京都市南区)でも清掃活動「ゴミコロリ」をスタート。コロナ禍にあっても唯一可能な試みとして、ゴミ拾いを続けてきました。

ゴミ拾いを通じて出会った12名の捨てられないもの

京都の中でも東九条は、在日コリアンの人々が多く暮らす地域。歴史的にも様々な差別と向き合ってきたエリアです。そのため東九条で「ゴミコロリ」の活動を開始する際、〈スウィング〉は、「多文化共生」とはこれから目指す夢ではなく、既にあるものと仮説を立てて、ゴミ拾いをしてきました。

当初ゲリラ的に展開した「ゴミコロリ」は次第に形を変え、〈京都市地域・多文化交流ネットワークサロン〉や〈京都ダルク〉の協力により、今では誰でも参加可能な定例イベントとして定着しています。

〈スウィング〉のみなさんは、約2年の間に、「ゴミコロリ」を25回(2022年3月現在)開催してきました。その間、東九条で暮らし働く人だけではなく、様々な地域、性別、年齢、職業の人と出会ったと言います。

20213月には「blue vol.1」展を開催。活動の様子を記録した写真や絵画を展示し、約500名の方が来場しました。そして「blue vol.2」となる展覧会を、2022319日(土)から27日(日)まで開催します。

今回は、公的空間に捨てられたものを拾う「ゴミコロリ」を通じて出会った12名に、それぞれの私的空間で捨てられないものについてインタビューを行いました。その記録を映像、写真、絵画として多層的に展示します。

すてられないものをしょうかいしてくれたかた
©︎Narita Mai

捨てられないものという共通の、けれど完全に異なった語りに耳を傾ける時間は豊かで濃密で……いや、言葉を選ばなければ、何がこんなに面白いんだろうと戸惑うくらいに面白く、『人は皆面白く、生きていればそれでいいのだ』という思いが胸に溢れる。そこに垣間見えるのは、その人の生きてきた証であり、生き様であり、その人生の一端だ。『多文化共生』とはこれから目指す夢ではなく、既にあるもの。僕たちが出発点とした仮説に思いを馳せる」と〈スウィング〉の代表 木ノ戸昌幸さんは本展のステイトメントで語ります。

また、「文化の最小単位は『個人』」であると言う木ノ戸さん。捨てられないものを通して、一人ひとりの唯一無二の文化に触れながら、多文化共生について考えてみませんか。

すてられないものをしょうかいしてくれたかた
©︎Katayama Tatsuki