ニュース&トピックス

利他が生まれる場の事例から考える。オンラインカンファレンス「利他学会議 vol.2」が3月20・21日に開催
イベント情報

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 利他が生まれる場の事例から考える。オンラインカンファレンス「利他学会議 vol.2」が3月20・21日に開催

@Naoki Ishikawa

〈未来の人類研究センター〉が「利他学会議vol.2」を開催

2020年2月、〈東京工業大学〉で〈未来の人類研究センター(以下、センター)〉が発足されました。理工系大学発の人文社会系の研究機関として、リベラルアーツ研究教育院の多様な研究者が集結し、人類の未来について考え、発信しています。

そんなセンターの活動の一つに「利他プロジェクト」があります。利他プロジェクトでは、政治・経済・宗教・芸術・AI・環境・宇宙など、さまざまな分野の専門家を交えた研究会やイベントを通して、「人はなぜ他者のために行動するのか」について研究を深めてきました。

2021年3月には「利他学会議 vol.1」を開催。また10月には、プロジェクトのリーダーを務める、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の中島岳志さんが『思いがけず利他』(ミシマ社)を発売しました。

そして、2022年3月20日(日)〜21日(月・祝)には、「利他が生まれる場をめぐる」をテーマに、二日間のオンラインカンファレンス「利他学会議 vol.2」が開催されます。

豪華ゲストと共に、「利他」について考えるイベント

「利他学会議 vol.2」では、利他について各地域や現場で思考されてきた方々をゲストに迎え、利他が生まれる場をめぐりながら、そこに宿る知を手がかりに利他について考えていきます。

イベントは、学内外からの2名のゲストとセンターのメンバーで実施する「分科会」(90分)と、分科会終了後に行われる「ちゃぶ台トーク」(30分)の、120分1セッションで構成。1日2つ、計4セッション実施されます。

ぱんふれっと
ぱんふれっと
「利他学会議vol.2」のパンフレット

分科会の一つ目は、東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授の真田純子さんと、東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授の吉村有司さんをゲストに迎えた「テクノロジー×コモンズ」。徳島の石積みとバルセロナの都市計画を手がかりに、「ともに手を動かすこと」の中にある民主主義の可能性について考えます。

二つ目は、「移民×ホームレス」をテーマにした分科会。東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 准教授の渡辺暁さんと、NPO法人抱樸理事長、東八幡キリスト教会牧師の奥田知志さんが、メキシコの移民と北九州のホームレス支援から、「身内・他所者」「支援者・被支援者」の関係について考えます。

日が変わって、三つ目の分科会は「食×労働」がテーマ。ゲストに「未来食堂」店主の小林せかいさん、三軒茶屋醸造所杜氏の戸田京介さんをお迎えし、数値化できるものと数値を超えたもののあわいに生まれる利他について考えます。お二人とも、東京工業大学のOB・OG。食のおもしろさに魅せられた彼らは、経済と自然が交差する場所としての食をどのように捉えているのでしょうか。

最後の分科会テーマは「菌×霊長類」です。ゲストは、東京工業大学 生命理工学院 准教授の山田拓司さんと、京都大学 高等研究院 准教授であり京都大学野生動物研究センター 兼任准教授の山本真也さん。菌と霊長類のふるまいを通して、メビウスの輪のように絡まり合う生き物たちの利己と利他の様相を考えます。

分科会から考えたことを話し合う、「ちゃぶ台トーク」も注目!

各分科会の後に実施する「ちゃぶ台トーク」は、直前の分科会では登壇しなかったセンターのメンバーが、その分科会について話すコーナー。センター長の伊藤亜紗さん、「利他プロジェクト」のリーダーである中島岳志さんなど、各分野で活躍されている研究者のメンバーが集います。

「私たちが利他を研究するにあたっていつも気をつけてきたことは、『言葉にすると利他は消えてしまう』ということでした。利他は、具体的な状況、具体的な行為の中に起こる出来事です。それを無理に概念化し、抽象化してとらえようとすると、何か大事なものが抜け落ちてしまうのです」と主催者はいいます。

バルセロナの街や東京の食堂、あるいは北九州のホームレス支援の現場、動物や菌の生態など、ゲストと共に利他が生まれる場をめぐりながら、利他について考える二日間。分科会一つから申し込みできますので、気になるテーマがあればぜひ参加してみませんか。