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バリアフリー観劇・鑑賞サポートの相談窓口が開設。運営は、映画字幕や音声ガイドを視聴するアプリ「UDCast」を開発する〈Palabra〉
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観たい気持ちのために、一緒に働きかけてくれる窓口

映画の鑑賞サポートアプリ「UDCast」を展開する〈Palabra株式会社〉は、障害がある人向けに、文化芸術全般の鑑賞サポートを支援する相談窓口を開設しました。文化庁委託事業の一環で実施しており、費用は無料。電話、FAX、メール、LINEなどで相談できます。

舞台・映画・ライブ・美術展などの文化芸術全般で「舞台に字幕をつけてもらいたい!」「車椅子で友人と並んで観られる席はある?」といった、コンテンツを楽しみたい当事者からの相談を受けて、相談窓口から公演の主催団体などに働きかけ、作品の情報保障やバリアフリーに向けた体制整備への支援を行います。このほかにも、バリアフリー対応作品の紹介や、当事者からの作品に対する鑑賞サポートのお問合せに応じた情報提供を行います。

鑑賞サポートとは

〈Palabra〉は、これまで映画の鑑賞サポートアプリ「UDCast」を使って映画の日本語字幕や音声ガイドを提供してきました。今後はその枠を飛びだし、これまでの知見を活かし、当事者のニーズを反映させ、「UDCast」のサービス範囲を拡張したバリアフリー協働のプラットフォームとして活動を進めていくそうです。今回の鑑賞サポート相談窓口もその一環として実施されています。

Palabraのウェブサイトのキャプチャ。相談窓口・サポートと書かれた見出しで、右上に3名のスタッフが微笑んでいる。下半分は電話、メール、LINEでの相談方法についての説明
〈Palabra〉ウェブサイトより

鑑賞サポートとは、障害のある観客が作品を鑑賞するにあたって必要なサポート全般のことです。サポートの場面は大きく分けて2つあり、1つめは作品の情報保障の担保です。例えば、作品の「音」が伝える情報を文字化したバリアフリー日本語字幕や、「画」が伝える情報を言葉に置き換えたバリアフリー音声ガイド、手話通訳、台本貸出などがあります。このほかに、演劇の舞台を実際に歩いてセットや衣装を触るバックステージツアーや、登場人物が予めわかるようにブリーフィングする舞台説明も含まれます。

2つめは、上演の前後に対するもの。例えば、場内アナウンスや公演の合間に挟まるMCへの情報保障、ウェブフォームだけでなく電話やメールなどに対応した予約方法の提供や当日の受付対応、駅からの送迎などです。

こうした鑑賞サポートは従来、サポートを必要とする当事者が個人で交渉することがほとんどで、主催側もどう対応したらよいかわからず、なかなか鑑賞サポートが実現できないケースが多くあります。

当事者と事業者の双方を結ぶプラットフォームに

実際に相談窓口には「手話通訳を付けて欲しいが要望先がわからない」、「鑑賞サポートをお願いしたら断られてしまった」といった声が多く寄せられています。相談窓口が、相談者の要望を主催となる事業者へ届けつつ、鑑賞サポートを実現するための具体的なアクションの提案や機材の貸し出しなどでフォローすることで、合理的配慮の着地点を探ります。実績として、相談をきっかけに舞台へ日本語字幕がついたことや、アイスショーで手話通訳が導入されたことも。

また、相談窓口は事業者側からの相談にも対応しています。「字幕をつけたいので相談に乗ってほしい」「鑑賞サポートを充実させたので、ぜひ興味のある当事者のもとへ情報を届けたい」など広報を含めて個別にサポートし、事業者向けのセミナーも実施しています。

鑑賞サポート導入後も、当事者へ作品情報を届けるまでが重要と考え、「UDCast」のウェブサイトでは、バリアフリー対応作の情報や相談窓口の対応事例レポートなど、鑑賞サポートにまつわるコンテンツを随時発信しています。

「ろう・難聴の舞台ファン集まれ!(演劇・ライブ・古典芸能)by UDcast」と書かれた文字の後ろには、舞台開演前にスタッフからレクチャーを受ける4人の人々。右上にはLINEオープンチャット用のQRコード
LINEオープンチャット上の〈UDCast〉ページ

ほかにも、「UDCast」ではサポートを必要とする相談者向けに、情報交換用コミュニティも開いています。最新情報はLINEでも随時発信されているので、興味のある方はQRコードから登録してみてはいかがでしょうか。

UDCastのLINE友達追加用のQRコード