母(私)は、いつも何かが抜けている。
いつも行くスーパーにたどり着けない。
帰り道、考え事をしていて自宅を通り過ぎてしまう。
毎日1時間はメガネを探す。
そんな様子を見ながら息子はポツリ。
「あんた、ほんとに拍子抜けできてる」
拍子抜けできてる??
どういう意味??と聞くと
あなたのその拍子抜けできている感じが
すごくいい……のだそうだ。
あ、抜けていてダメだって事じゃなくって、
いいって方なのね。
拍子抜けとは本来、
呆れて脱力してしまい
本来の能力が発揮できなく
なってしまった時の表現
なのだそうだ。
能力が発揮できないほど脱力できたら、
どれだけ肩の力が抜けることか……。
緊張することがあったら、
できるだけ拍子抜けできるようにしよう。
今日の私も、
拍子抜けできていたらいいなぁと思う。
そして、そんな私を見て
みんなで拍子抜けできたら
「みんな、ほんとに拍子抜けできてる!」
と、喜びたい。

この連載について
「ハハハなコトを、ハハハなヒトと。」
自称“効率の悪い”デザイナー・二宮さんと、その息子・KANさんによるユニットHAHAHANO.LABO(ハハハノラボ)による、「ぎこちいいコトバ」。
母と子の日々の会話ややり取り、時には言い合いの中から「つい出た」KANさんのユーモラスな言葉たち。思わず会話を止めて二宮さんが書き留め、KANさんが手描きしたコトバは400を超えるのだそう。
ホッとしたり、ズラしたり、ゆるりとしたり…… つい笑ってしまい、うっかり心に響いてしまう、ぎこちいいコトバたち。二宮さんが振り返る、コトバにまつわるストーリーとともに、お届けします。
