これは、明らかに
執念深いを間違えて言った言葉だったのだろうが
いつ、どんな時に、誰に向けてKANが言ったのか
手元のメモに書いてあったものの、忘れてしまった。
改めて、
「ねえ、どんな時に言ったんだっけ??」
と聞くと
「さあ?ただ、奥が深いってことだよ。
ただそれだけ。
……だったんじゃないの? たぶん……」
と気のない感じ。
考える気もなし。
少し粘って
「そーじゃなくって
誰に向けて、どんな時に言ったのか
その状況を考えてみてよ。」
「中年、は多分私のことかなぁ??」
「執念深いの意味はわかってる??」
「記念の?? 10周年???
執念って周年じゃないんだってば!」
「だから
執念と中年のね……!!!
ねぇ、聞いてる???」
これこそまさに
執念深い中年。

この連載について
「ハハハなコトを、ハハハなヒトと。」
自称“効率の悪い”デザイナー・二宮さんと、その息子・KANさんによるユニットHAHAHANO.LABO(ハハハノラボ)による、「ぎこちいいコトバ」。
母と子の日々の会話ややり取り、時には言い合いの中から「つい出た」KANさんのユーモラスな言葉たち。思わず会話を止めて二宮さんが書き留め、KANさんが手描きしたコトバは400を超えるのだそう。
ホッとしたり、ズラしたり、ゆるりとしたり…… つい笑ってしまい、うっかり心に響いてしまう、ぎこちいいコトバたち。二宮さんが振り返る、コトバにまつわるストーリーとともに、お届けします。
