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「Artpoint Meeting #11 - 映像を映す、見る、話す -」2023年1月9日に開催。“映像”を活用するアートプロジェクトの事例を紹介
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「Artpoint Meeting #11 - 映像を映す、見る、話す -」と書かれたポスターイメージ

映像を活用したアートプロジェクトの事例を紹介し、言葉を紡ぐ、トークイベント

アートプロジェクトに関心を寄せる人々が集い、社会とアートの関係性を探り、新たな「ことば」を紡ぐトークイベント「Artpoint Meeting」。2023年1月9日(月・祝)に、〈東京都写真美術館〉(東京都渋谷区)にて、“映像”をテーマにした「Artpoint Meeting #11 – 映像を映す、見る、話す -」が開催されます。

さまざまなアートプロジェクトの現場では、映像を活用し、多様な人々のかかわりや、語りの場をつくることが試みられてきました。また、プロジェクトの外側からは見えにくい現場の風景も、映像に収められることによって多くの人たちと共有できるものになります。

本イベントでは、映像をつくったり活用したりするプロジェクトの事例や、アートプロジェクトから生まれた映像作品を紹介します。また、それぞれの現場にかかわるメンバーやゲストが登壇し、映像を流しながら対談し、新たなことばを紡いでいきます。

「Artpoint Meeting」とは?

「Artpoint Meeting」とは、東京都の芸術文化の創造・発信を推進する〈アーツカウンシル東京〉が、地域社会で活動を行うNPOとともに、社会に対して新たな価値観や創造的な活動を生み出すことを目的にスタートさせた「東京アートポイント計画」の取り組みのひとつです。

2016年の始動以降、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とする「アートの2020年問題」、“みんなのもの”という概念を考察した「公をつくる」、小さなアートプロジェクトやその想いをどのように共有するかを語り合った「メディアのつかいかた」など、幅広いテーマでさまざまなトークイベントを開催してきました。

今回の「映像を映す、見る、話す」は、第11回目の開催となります。

プログラム①「映画が映すまちと、映画制作がつくるまち」

「東京アートポイント計画」の一環で行われた3つの“映像”に関するプロジェクトを取り上げる本イベント。

ひとつめに紹介する事例は、2022年4月に始動した「KINOミーティング」。海外に(も)ルーツを持つメンバーが集まり、東京のさまざまなエリアを巡りながら、ワークショップ形式で“まちの映画”をテーマにしたドキュメンタリー作品をつくるプロジェクトです。

2022年11〜12月に行なわれた「葛飾」を舞台とするワークショップの参加者募集は、〈こここ〉のニュース&トピックスでもご紹介しました。

男女がビデオカメラを回す様子
「KINOミーティング」に参加したメンバーの活動の様子

参加者が自身のルーツに向き合ったり、生活圏や属するコミュニティとの関係性を再考したりするきっかけを生むだけでなく、ルーツが異なる人々との協働や、新たなコミュニケーションが生まれる場づくりも大きなテーマとして掲げられています。

実際に「KINOミーティング」で生まれたコミュニティや、そこでつくられた新しい映像表現とはどのようなものだったのでしょうか?

本セッションでは、ワークショップ運営にかかわってきた、デザインと文化人類学を指針に活動を行なう阿部航太さんと、ドキュメンタリー映画やCM・PV・アートプロジェクトの映像作家である森内康博さんが、ゲストの馬然 MA Ranさん(名古屋大学大学院人文学研究科准教授/ 東アジア映画研究者)と一緒に、プロジェクトを振り返り、語り合います。

プログラム②「映像アーカイブをケアの現場でつかってみる」

ふたつめに取り上げるのは「移動する中心|GAYA」。これは、昭和の東京都・世田谷地域の生活を写した8ミリフィルム映像「ホームムービー」を利活用し、映像を介した語りの場を創出するコミュニティ・アーカイブプロジェクトです。

〈こここ〉のニュース&トピックスでも、ホームムービーを手がかりに“わたしたちの現在地”を探す「サンデー・インタビュアーズ」の参加者募集についてご紹介しました。

誰かが残した記録映像は、観た人にどのような記憶を蘇らせ、ことばが紡がれ、どのような広がりを生んだのでしょうか?

本セッションでは、GAYAの企画・運営に携わり、“市井の人びとの記録”に着目したアーカイブ・プロジェクト「AHA!(Archive for Human Activities)」の企画・設計・運営も行なう松本篤さんを話し手に、老いと死をテーマにした写真展「ぐるり。」(2021年12月開催)を主催した、看護師・写真家の尾山直子さんと、デザインリサーチャーの神野真実さんの、ふたりのゲストと語り合います。さらに、世田谷のまちや、在宅医療の現場での活用の試みを、映像や写真とともに報告します。

高齢女性と、世田谷地域の生活を写した8ミリフィルム映像を見ている様子
在宅医療の現場にて、ホームムービーの活用を試みている様子(撮影:尾山直子)

プログラム③『ラジオ下神白 ドキュメント映像』上映+アフタートーク
「映像と音楽でプロジェクトを追体験する」

福島県いわき市の復興公営住宅・下神白(しもかじろ)団地に住む、約200世帯の高齢者の思い出や、当時のなじみ深い曲をラジオ番組のようにして届ける「ラジオ下神白」。そのプロジェクトの様子を映像に収めた『ラジオ下神白 ドキュメント映像』を上映します。

〈こここ〉でも連載している、文化活動家のアサダワタルさんが中心となって2016年から行なってきたこのプロジェクトは、現在も継続中。2022年3月には、プロジェクトのドキュメント音楽CD『福島ソングスケイプ』(アサダワタルと下神白団地のみなさん/発行:一般社団法人Granny Rideto)が発売されました。

ドキュメント映像の上映後は、アサダさんと、作品の監督を手掛けた小森はるかさんを話し手に、行動学者・早稲田大学文学学術院教授の細馬宏通さんをゲストに迎え、『福島ソングスケイプ』にも触れながらアフタートークを行います。

下神白団地の高齢女性の部屋で、アサダさんと女性が話を聞く様子
プロジェクトメンバーとともに、下神白団地を訪ねるアサダワタルさん(右)

これら3つのプロジェクトは、新しい多文化共生の在り方を探るもの、世代をつなぐメディアとしての活用にチャレンジするもの、そこにあった場所への記憶や思い出を時間をかけて収集したものと、それぞれに異なるテーマに向き合って映像が制作・活用されています。一方で、“映像”を介して地域の日常に寄り添い、人と人との関わりを深めていくという共通点を見出すこともできます。

映像を用いたアートプロジェクトの事例を知り、味わうだけでなく、社会とアートの関係性についても、深く考える機会となるはずです。

「Artpoint Meeting #11」はオフラインのみの開催となり、アーカイブ配信の予定はありません。アートプロジェクトへ関心がある方、映像の活用に興味のある方は、ぜひ会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。