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視覚情報をつかわず音で遊べる「オーディオゲームセンター + CCBT」7月13日〜9月16日東京・渋谷にオープン
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テーブルの周りにヘッドフォンがぐるっと並ぶ会場の写真
2024年9月16日(日)まで「オーディオゲームセンター+CCBT」が開催中です(撮影:乙戸将司)

オーディオゲームを体験する、つくる、考える

「オーディオゲーム」を知っていますか? 映像情報が欠かせないビデオゲームとは異なり、音から発想してつくられ、音で遊ぶゲームのことです。音の方向を頼りに操作するものや、音に合わせて体を動かすものなど、近年、オンラインを中心に世界各地のクリエイターによって発表され、多様な人がプレイしています。

そうしたオーディオゲームで遊ぶことができるゲームセンターが東京・渋谷の〈シビック・クリエイティブ・ベース東京 [CCBT]〉で2024年9月16日(月・祝)まで開催中です。

会場内では様々な種類のオーディオゲームをプレイすることができるほか、アプリを使ってオーディオゲームをつくる体験や、トークイベントも開催。体験する、つくる、考える、など多角的にオーディオゲームに触れ、音を通して世界を認知するとはどういうことかを体感できる場です。

イベントバナー

「オーディオゲームセンター」とは?

「オーディオゲームセンター」は、研究者、プログラマー、キュレーターなど多彩な専門性をもつ人たちと障害のある当事者が協働するチーム「DDD(Disability Driven Design)Project」により2017年から展開されているプロジェクトです。オーディオゲームを、聴覚や視覚以外の体の感覚を研ぎ澄ませコンテンツを味わうゲームと捉え直し、ゲーム開発を通して、障害の有無を超えた協働のあり方を探るとともに、身体性や知覚の差を乗り越えるゲーム体験の場を生み出すことを目指してきました。

これまでに、東京・青山のスパイラル(2017年)や銀座ソニーパークでの展覧会(2021年)に出展したり、東京ゲームショウや日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit」でのワークショップ(2023年)に参加したりしてきました。

今回開催される「オーディオゲームセンター+CCBT」では、ゲームをプレイするだけではなく、ゲームをつくる体験や、ゲストを招いたトークイベントの実施により「アクセシビリティ」や「インクルージョン」について考える場をつくりだします。

音からゲームをつくるハッカソンを開催

その取り組みのひとつとして、2024年7月13日(土)〜15日(月・祝)の3日間開催したのが、オーディオゲームをつくるハッカソンです。英語を話す方や視覚障害のある方を含む、10代から50代まで22名の多様な方が参加し、視覚障害のあるファシリテーターやエンジニアのもと、ゲームを作りました。

3日間のハッカソンを経て、聴覚を使った神経衰弱、音だけを頼りに1階に降りる脱出ゲーム、触覚と音声を組み合わせた蚊をつかまえるゲームなど、ユニークなゲームが7つ誕生しました。今回つくられたゲームは、8月上旬から〈CCBT〉にて公開予定です。

パソコンに向かって作業する参加者
ハッカソンの風景(撮影:乙戸将司)

会場で体験できるゲームをご紹介

会場では、「DDD Project」が作ってきた、4つのオーディオゲームを体験できます。

例えば、「大爆走!オーディオレーシング」は音を頼りに車を走らせるレーシングゲームです。プレイヤーの進むべき方向を示す「ガイドメロディ」を頼りに、ヘッドフォンの左右から聞こえるメロディを追いかけ、さらに熱弁するレース実況にあわせてハンドルを切りながら1位を目指します。

ヘッドフォンをして、ハンドルを握ってプレイしてる様子
「大暴走!オーディオレーシング」(撮影:丸尾隆一)

また、音に合わせて叩くリズム・アクションゲーム「スクリーミング・ストライクneo」は叩く爽快感を追求した新感覚のオーディオゲームです。敵の来る方向を音で聞き分け、迫ってくる敵をひたすら殴って倒す「ゾンビ編」や、音を出しながら飛んでくる板や瓦をパンチでたたき割る「空飛ぶ瓦編」を楽しめます。

ヘッドフォンをして、バチを持ってプレイしている様子
「スクリーミング・ストライクneo」(撮影:丸尾隆一)

その他、かつて友人だった幽霊に導かれる、ストーリーテーリング・ホラーゲーム「幽霊のいるところ」や、実空間にバーチャル空間を重ねるAR技術を活用したアプリ「Audio AR Game Maker」も体験できます。

また、世界各地のオーディオゲームを集めたコーナー「オーディオゲーム・アーカイブ+」には、主に目の見えない人がつくり手となって開発された、アーケードゲーム、パズルゲーム、アクションゲームなどが勢揃い。聴覚や触覚を研ぎ澄ませながら、プレイしてみましょう。

会場で体験できるオーディオゲームの画面
会場内では様々なオーディオゲームを体験できます(撮影:丸尾隆一)

会期中にはワークショップやトークイベントも

2024年8月25日(日)には、「オーディオゲーム体験会」を開催。オーディオゲームの制作を行うブラインドファシリテーターとともに、本プログラムを存分にプレイし、オーディオゲームの新たな構想をみんなで考えます。また同日午後には、ハッカソンを振り返る報告会が行われます。

翌週の2024年9月1日(日)は、DDD Projectプロデューサーの田中みゆきさんと、プログラマーの野澤幸男さん、そしてゲストにサウンドデザイナーでありゲームデザイナーのGiori Politiさんを迎えたトークイベントを開催。「サウンドテクノロジーとオーディオゲームの未来」をテーマに語り合います。各イベントの詳しい参加方法は、公式ウェブサイトをご覧ください。

“オーディオゲームは、音がもたらす豊かな情報と、私たちが日々どのように世界を聴いているのか、再発見する体験を生み出します。本イベントを通じ、テクノロジーと表現、そして人間の知覚が導く、新たな音の体験に出会ってください。(プレスリリースより)”

展示、イベントとも入場は無料。会場では音を聞くため、スマートフォンとイヤホンの持参が推奨されています。ぜひご持参の上、音を通じて世界を再発見してみませんか。