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6年目の新たな挑戦。ユニバーサルシアター〈シネマ・チュプキ・タバタ〉がクラウドファンディングを8月31日まで実施中
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シネマ・チュプキ・タバタ関係者が映画館の中で並んでうつっている様子
〈シネマ・チュプキ・タバタ〉は2022年9月で開館6年目を迎えます

ユニバーサル映画館の新たな挑戦を応援しませんか?

目の不自由な人も、耳の不自由な人も、車いすの人も、小さな子ども連れの人も。誰もが安心して、一緒に映画を楽しむことができる。そんな映画館が東京・北区田端にあります。

名前は〈シネマ・チュプキ・タバタ〉。2022年9月で開館6年目を迎えます。

〈シネマ・チュプキ・タバタ〉は、6年目の挑戦に向けて、8月31日(水)までクラウドファンディングを実施中。ユニバーサルシアターとして進化するため、新たに2つのことにチャレンジする予定です。

クラウドファンディングで1880万円を集めて誕生した〈シネマ・チュプキ・タバタ〉

〈シネマ・チュプキ・タバタ〉の成り立ちは、2001年に、視覚障害者の映画鑑賞を草の根的にサポートする「バリアフリー映画鑑賞推進団体 City Lights」を立ち上げたことに始まります。その後、クラウドファンディングで目標金額を大幅に超える1880万円もの資金を集め、日本で唯一のユニバーサルシアターとして、2016年9月1日にオープンしました。その金額の大きさから、会員や支援者をはじめ大勢の人がユニバーサルシアターの誕生を待ち望んでいたことがわかります。

〈シネマ・チュプキ・タバタ〉の紹介動画

座席は20席。目の不自由な人たちだけでなく、耳の不自由な人や車いすの人、子育て中の人など、様々な理由から映画館に行くことをためらってしまう人も楽しめるようにと、車椅子スペースや親子鑑賞室を設置し、常時イヤホン音声ガイドや字幕付き上映を行ってきました。

小さな映画館ながら、国内外の劇映画、ドキュメンタリー、アニメーションなど、選りすぐりの映画を上映。また、音響監督の岩浪美和さんが音響設計した、360°音に包まれるフォレストサウンドの音の良さも相まって、ご近所さんから遠方の方までが利用する映画館に育ちました。

名前に含まれている「チュプキ」とはアイヌ語で「自然の光」。「映画の光がすべてのお客様に降り注ぐ映画館」になることを目指して名付けられました

人と人、人と文化を繋ぐ、商店街との連動企画

映画を上映するだけではなく、より映画を楽しんでもらえるような仕掛けも用意。商店街の飲食店やギャラリーと連動し、映画に関する展示を実施するほか、朗読や生演奏の企画、ファシリテーターを招いての映画の感想シェア会なども開催してきました。

朗読とバイオリンのライブセッション『宮沢賢治の童話と詩 〜ただ一つの僕を求めて〜』を〈シネマ・チュプキ・タバタ〉で上演した時の写真

また、シアターレンタルも実施。インディペンデント系映画の試写会場や文化庁メディア芸術祭のサテライト会場として利用されたり、出産祝いのプレゼントとして赤ちゃんを連れたご家族で貸切の映画鑑賞に用いられたりするなど、多くの方に愛される映画館に育っています。

「チュプキは地域の文化発信地。なくなったら困るからね、これからもしっかり創っていってね!」と、ご近所のリピーターさん。映画を軸に、障害のあるなしや年代や分野などの垣根を飛び越えた場になっています。

6年目の新たな2つの挑戦

そんな〈シネマ・チュプキ・タバタ〉が、6年目を迎えるにあたり再度クラウドファンディングに挑戦。600万円を目標にしています。

資金の使い道は2つ。一つはDCP映写機導入です。DCP(デジタル・シネマ・パッケージ)とは、映画に含まれる、高解像度の映像・音声・字幕等のデータがパッケージされたファイルのこと。これまで〈シネマ・チュプキ・タバタ〉ではブルーレイを用いて上映してきましたが、昨今は上映素材がDCPのみの作品も増え、 DCP映写機がないために上映を断念した映画もありました。

「届けたいと思った映画を、きちんと届けられるようにしたい。これまで以上にいい音質・画質で、より豊かな映画体験を届けたい」との思いから、2022年11月の導入を目指しています。


〈シネマ・チュプキ・タバタ〉の館内

2つ目が、自主制作映画『こころの通訳者たち What a Wonderful World』(監督:山田礼於さん)を全国で上映すること。開館5周年だった2021年、〈シネマ・チュプキ・タバタ〉を舞台にした映画を制作しました。

ユニバーサル上映の存在をより多くの人に知ってもらうため、今年は、〈シネマ・チュプキ・タバタ〉にて10月1日(土)より先行上映をした後、〈新宿K’s Cinema〉にて10月22日(土)より公開。そのほか、大阪、名古屋など全国順次公開を予定しています。

ドキュメンタリー映画『ようこそ舞台手話通訳の世界へ』に、〈シネマ・チュプキ・タバタ〉が「目の見えない人たちに伝えるための音声ガイド」を制作する、そのプロセスを描いた映画です
ドキュメンタリー映画『こころの通訳者たち』予告編

オリジナルグッズやバリアフリー字幕を学ぶ講座のリターン

集まったお金は、DCP設置にかかる費用の一部と、映画『こころの通訳者たち』拡大公開のための、DCP、チラシ、ポスター、公式サイト等の作成費や、全国各地にユニバーサル上映を広めるための遠征費などに当てられる予定です。

リターンには、映画『こころの通訳者たち』鑑賞券がついたプランの他、アトリエやギャラリーを併設する障害福祉施設〈工房集〉や薬物依存症からの回復を望む女性のための施設〈ダルク女性ハウス〉の利用者が描いたアート作品とコラボしたグッズがあります。

また、オンラインで音声ガイドとバリアフリー字幕について学ぶ入門講座や〈シネマ・チュプキ・タバタ〉の代表である平塚千穂子さんが出版した書籍『夢のユニバーサルシアター』のお話し会の参加券もあり、〈シネマ・チュプキ・タバタ〉ならではのリターンが魅力です。

〈工房集〉コラボ・文具セットコース(3,000円)

「聴こえない人は、瞬き一つにも意味を考え、人の表情やしぐさをつぶさに見つめています。見えない人は、気の流れを体で感じ、声色の違いや沈黙の長さに耳を傾けながら、想像を楽しんでいます。障害があるからこそ、持てる感覚のすべてを大切に使って、世界を感じとろうとしているのかもしれません」(シネマ・チュプキ・タバタ代表 平塚千穂子さん)

以前から〈シネマ・チュプキ・タバタ〉が気になっていた方も、何度も足を運んでいる方も、今日はじめて知った方も、ユニバーサル映画を広めるためにできることから始めませんか。