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『綿子はもつれる』『cocoon』『ムサシ』をバリアフリーな劇場で。10月14日から21日まで「EPAD × THEATRE for ALL」上映&トーク
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上映作品3本のビジュアルが並んだイベントのイメージ画像

多彩な鑑賞サポートで舞台芸術のバリアを取り除くユニバーサルな上映会

誰もが舞台芸術を楽しめるようにするためには、どんな仕組みがあればいいでしょうか。

字幕や手話がついていれば、見に行ってみたいと思う人。目が見えなくても、音声ガイドがあるなら劇場に足を運んでみたい人。鑑賞中に身体が動いてしまうから、おしゃべりや音を立てても周りに気にされない環境を望む人。

さまざまな理由で劇場に行きづらさを感じていた人、またその家族が安心して鑑賞できるサポートつきのユニバーサル上映会を、2023年10月、〈一般社団法人EPAD〉と〈株式会社precog〉が池袋の〈東京芸術劇場〉で共同開催します。上映されるのは、14日の『綿子はもつれる』(た組)、19日の『cocoon』(マームとジプシー)、20・21日の『ムサシ』(蜷川幸雄七回忌追悼公演)の演劇3作品。

各作品の終演後には参加型トークイベントも行われるほか、バリアフリー型動画配信サービス〈THEATRE for ALL〉とも連動して、〈EPAD〉の事業で制作された過去の舞台芸術作品をウェブ上で11月1日から見ることができます。

舞台芸術のデジタルアーカイブをバリアフリー化して配信

このイベントを共催する〈EPAD〉は、2020年度から舞台芸術作品を収集し、関係する権利者の許諾を得ながらデジタルデータとしてアーカイブ化する活動(Eternal Performing Arts Archives and Digital Theatre:舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業)を行っています。これまでさまざまな公演映像、戯曲、舞台美術資料などを集めてきました。

一方の〈precog〉は、2021年2月より「だれでも、いつでも、どこからでも。バリアフリーなオンライン劇場」を掲げた〈THEATRE for ALL〉を開始。障害や疾患がある人、育児や介護中で劇場に行きにくい人、日本語が母語ではない人なども含め、誰もが楽しめる“開かれた劇場”を目指して、バリアフリー字幕や音声ガイドなどに対応した演劇・ダンス・映画・メディア芸術などの映像コンテンツを制作・紹介してきました。

これまでにも両者は、舞台芸術にアクセスすることが難しい方々にどうすればその魅力を届けることができるのか、協働した取り組みを続けてきました。2022年度には〈EPAD〉がアーカイブした作品群のなかからダンス、演劇、ドキュメンタリー、アートなどの6作品を選定し、〈THEATRE for ALL〉が音声ガイドや字幕などによるバリアフリー化に対応。今後も年間12作品のアーカイブ映像を同様に配信していく予定です。

瀕死の白鳥、瀕死の白鳥 その死の真相、死の真相、イーハトーボの劇列車、超衆芸術 スタンドプレー、めにみえない みみにしたい、7日間のままごと
配信作品の一部(〈THEATRE for ALL〉公式サイトよりキャプチャ)

3つのバラエティ豊かな演劇作品がラインアップ

今回開かれるユニバーサル上映会は、これまでのオンラインでの協働の、ひとつの発展形として誕生したもの。東京芸術祭 2023のプログラム「EPAD Re LIVE THEATER in Tokyo〜時を越える舞台映像の世界〜」の一環で、〈東京芸術劇場〉で開催されます。

放映されるのは、3つの演劇作品『綿子はもつれる』(2023)、『cocoon』(2022)、『ムサシ』(2021)の収録映像。鑑賞に際しては以下のようなサポートを受けることができます。

  • バリアフリー字幕(タブレット貸出)
  • 音声ガイド(イヤホン貸出)
  • 手話弁士つき上映(※『cocoon』のみ)
  • 車椅子席
  • 途中入退場自由
  • ホワイエでのリラックスエリア
  • 参加型トークイベントでの文字支援
  • 池袋駅からの送迎サポート(視覚障害のある方・車椅子利用の方など)
  • 会場での筆談ボード
  • 未就学児童の入場可

10月14日(土)の上映作品『綿子はもつれる』は、前作が第65回岸田國士戯曲賞を受賞した加藤拓也さん率いる、〈劇団た組〉による演劇作品。10年ぶりの舞台主演となる安達祐実さんが演じた、夫婦の関係性の変化に注目です。

【写真】ベッドのうえで会話を交わす夫婦
劇団た組『綿子はもつれる』(撮影:岡本尚文)

10月19日(木)は『cocoon』。演劇作家の藤田貴大さんを中心とした演劇団体〈マームとジプシー〉が、漫画家・今日マチ子さんの原作から着想を得て制作した舞台作品です。第23回読売演劇大賞で、優秀演出家賞を受賞。

少女たちの賑やかな日常が戦争によって否応なしに死と隣り合わせの日々へと変わっていく様子を、切実さを持って描きました。

(『cocoon』特設サイト ABOUTより)
【写真】複数のダンサーが舞台中央から伸びるロープをつかんでぐるぐると回っている
マームとジプシー『cocoon』(撮影:岡本尚文)

10月20(金)・21日(土)の上映は『ムサシ』。劇作家・井上ひさしさん脚本による名作を、蜷川幸雄さんが演出したことで知られる本作。今回は、2021年の蜷川さんの七回忌追悼公演を上映します。巌流島の戦いを終えた藤原竜也さん演じる宮本武蔵と、溝端淳平さん演じる佐々木小次郎の“その後”の姿が描かれます。

【写真】背中を預ける宮本武蔵と佐々木小次郎
蜷川幸雄七回忌追悼公演『ムサシ』(撮影:田中亜紀)

各作品の上映後には、参加型トークイベント「みんなでかんじる・かんがえる」が開催。日頃から演劇の多様なありかたを模索している俳優やパフォーマーをゲストに、これからのバリアフリーな鑑賞のかたちを語り合います。

これまで劇場に行くことをためらっていた方も、ぜひお気軽にお問い合わせのうえ、足を運んでみてはいかがでしょうか。