ニュース&トピックス

環境や関係から「障害」を捉え直す。デンマークの福祉から学ぶトークイベントが2月27日・28日対面とオンラインで開催
イベント情報

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 環境や関係から「障害」を捉え直す。デンマークの福祉から学ぶトークイベントが2月27日・28日対面とオンラインで開催

“困りごと”は誰のもの? 環境や関係から「障害」を捉え直す

障害がある人が、行きたい場所まで一人で行けない。そんなとき、その“困りごと”は、その人自身に由来するものなのでしょうか。ヘルパーの助けがなければ外出できない、という前提は変えられないものなのでしょうか。

もし、周囲の人が自然に声をかけ、ちょっとした手助けが当たり前に行われる社会であればどうでしょう。道案内や段差のサポートが特別なことではなくなれば、外出はもっと自由なものになるかもしれません。“困りごと”を個人の問題として捉えるのではなく、環境や関係性のあり方から見直す。そんな視点が、福祉の現場だけでなく、地域社会にも必要とされています。

デンマークには、そうした視点を体現する取り組みの一例として知られる教育機関があります〈エグモント・ホイスコーレン〉は、障害のある人もない人も共に学び、生活する全寮制の成人教育機関です。ここでは、障害の有無で分けるのではなく、同じ「学生」として対等に学ぶ環境が整えられています。学生によるヘルパー制度など独自のサポート体制を通して、インクルーシブな関係性を日常の中で育んでいます。

今回、このエグモント・ホイスコーレンで働く3人のゲストを招き、デンマークの現場の実践について学びながら、子どもとの関わり方を基点に「障害」を環境や関係の視点で捉え直すトークイベントが開催されます。実施は2026年2月27日(金)・28日(土曜)の2日間(注)。本イベントの主催である〈株式会社ぐるんとびー〉の事業所(神奈川県藤沢市)での対面開催に加え、オンラインでも参加できます。

注:2日間とも同じ内容です。

デンマークの実践から「障害」の捉え方について学ぶ

今回ゲストとして登壇するのは、エグモント・ホイスコーレンで現役で働く3名の方々です。

ピーター・シャーリングさんは、講師であり教員アシスタントの採用・育成責任者。障害のある人を対象としたアウトドアや身体活動の分野で、24年にわたり理論と実践を重ねてきたスペシャリストです。ノルウェーやスウェーデンの山岳地帯、デンマーク国内でのネイチャーツアーを率いるなど、困難な環境下でも参加者が主体的に挑戦できるプログラムづくりに取り組んできました。

イェニー・アンデルセンさんは、行政・事務管理マネージャーとして学校運営を支えています。自治体との交渉や人材マネジメント、特別支援教育(STU)の統括など幅広い業務を担い、教育機関の土台を築く役割を果たしています。理念を実践へと落とし込む運営の視点から、インクルーシブな環境づくりについて語ります。

そして、リエコ・フカザワ・コーノムさんは講師であり、日本人留学生の受け入れ責任者です。札幌出身で、2011年からエグモントに勤務。日本人留学生への指導のほか、現地生徒への授業や性教育に関する助言も行っています。日本とデンマークをつなぐ存在として、両国の福祉観の違いと共通点についても話してくれる予定です。

3人のゲストはエグモント・ホイスコーレンでの実践に加え、デンマークの障害福祉の取り組みや日本との比較について、さらにデンマークにおける療育や子育てについて、お話を伺います。

主催は神奈川県藤沢市の〈ぐるんとびー〉

イベントを主催するのは、神奈川県藤沢市を拠点に活動する地域密着型介護事業者〈株式会社ぐるんとびー〉です。「世界を大きな家族に」を合言葉に、介護や医療、地域活動を通じて、困ったときに助け合えるコミュニティづくりを目指しています。

UR団地の空き室を活用した看護小規模多機能型居宅介護や訪問看護、放課後等デイサービスなどを展開し、既存の制度にとらわれないケアを実践しています。その根底にあるのは、本人との関係性やコミュニケーション、リスペクトがあってこそ専門性が生きる、という考え方です。

社名の由来は、デンマークの教育思想家ニコライ・グルントヴィ。彼が提唱した「生きた言葉(対話)」や「民衆のための教育」の精神は、同社の理念にも深く息づいています。代表の菅原健介さん自身も、若い頃にデンマークで過ごした経験から、同国の福祉のあり方に強い影響を受けてきました。現在は介護事業に加え、デンマークの福祉理念を学ぶ研修も企画し、日本の福祉従事者に新たな視点を届けています。

本イベントでは、ぐるんとびーがテーマとして掲げる「誰もが助け合う地域づくり」をテーマに、障害のある人や子ども、そして彼ら・彼女らと関わる人たちが取り残されない社会づくりについて、参加者とともに考えていきます。

こんな方におすすめ

今回のイベントは、放課後等デイサービスや就労支援に通う子どもがいる保護者の方、児童発達支援や放課後デイなど子どもに関わる施設で働く方や経営者の方には、特に大きなヒントがあるのではないでしょうか。また、子どもに関わらず、北欧デンマークの福祉や教育に関心のある方、エグモント・ホイスコーレンの取り組みに興味のある方にもおすすめです。

対面とオンラインのハイブリッド開催ですので、遠方の方も参加できます。環境や関係性の視点から「障害」を捉え直すこの機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。