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クリエイションの現場にみる多文化共生の実践について学ぶ。KINOミーティング主催の研究会、8月開催
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バナー画像。KINOミーティングの創作現場の様子の写真に、イベントタイトルと開催日が記されている

創作の現場にひらかれる、多文化共生のヒント

少しずつ耳にすることが増えてきた「多文化共生」という言葉。しかしながら、国籍や言語、宗教、価値観など、多様な背景を持つ人たちが互いの文化的違いを理解しながら、対等な関係を築き、ともに暮らし・働くことは、現代社会においてまだまだ実現されていないのではないでしょうか。異なる人々とともに生きる社会をどのようにつくっていけるのか。その問いには、まだまだたくさんの可能性と、模索の余地が残されています。

そうした課題意識をふまえ、海外に(も)ルーツをもつ人たちとともに映像制作を行ってきた〈KINOミーティング〉が、「アートと多文化共生の研究会」を企画。アートや表現の場における多文化共生の可能性を探る試みとして、2025年8月2日(土)、8月3日(日)、8月11日(月・祝)に全3回のレクチャープログラムを行います。各回の講師には、〈KINOミーティング〉のほか、ダンスカンパニー〈んまつーポス〉や美術家の西尾美也(にしお よしなり)さんを迎え、それぞれの創作現場で生まれた知見や実践をひもときながら、表現と協働の可能性を探ります。参加申し込みの締め切りは2025年7月27日(日)です。

背景の異なる人々とともに手を動かす。KINOミーティングの実践

このレクチャープログラムを主催する〈KINOミーティング〉は、2022年4月に始動したアートプロジェクトです。東京の芸術文化を支える〈アーツカウンシル東京〉が、地域のNPOなどと連携して取り組む「東京アートポイント計画」の一環としてスタートしました。

〈KINOミーティング〉は、これまでに、海外に(も)ルーツをもつ人たちとともに、映像制作を中心としたワークショップを都内各地で行ってきました。ワークショップでは、背景の異なる参加者同士が出会い、自身や他者のルーツと向き合いながら写真や音声をつかって作品を制作します。2025年3月には、1年間のワークショップを経て完成したオムニバス映画『オフライン・アワーズ』を発表しました。

「アートと多文化共生の研究会」は、こうしたこれまでの活動のなかで生まれた発見や手法を言語化・共有し、他者の実践と交差させる場として企画されたもの。表現を通じて、開かれる関係性の可能性やともにつくる場の在り方を、参加者とともに考えていきます。

3つのジャンルから学ぶ、表現と協働のかたち

全3回で構成されるプログラムでは、それぞれ異なるジャンルで活動する実践者たちをゲストに迎え、レクチャーを軸にディスカッション、アクテビティなどを実施します。

2025年8月2日(土)に開催される第1回には、ダンスカンパニー〈んまつーポス〉が登壇。2006年に宮崎大学舞踊学研究室から生まれた、“逆さにこだわる”創作ダンスカンパニーで、カンパニー名の〈んまつーポス〉は、「スポーツマン」の逆さ読みになっています。これまでに世界17カ国・45都市でのパフォーマンスや、企業・教育機関でのワークショップなど、国内外で活動の幅を広げてきた彼らが、「創って踊るだけではないダンス 〜からだは感情をかくしもっている」をテーマに、身体表現を通じた新しい価値観の創出や、共創の場づくりについて語ります。

【画像】プロフィール写真
第1回の講師を勤める創作ダンスカンパニー〈んまつーポス〉 Photo by Nishi Junnosuke

2025年8月3日(日)の第2回は、美術家の西尾美也さんが講師を担当します。西尾さんは、装いや衣服を手がかりに、アートとコミュニケーションの関係性を探るプロジェクトを国内外で展開。「六本木アートナイト2014」では六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館の3ヶ所で、古着を再利用した大規模な作品を発表するほか、ナイロビでの滞在制作や、「NISHINARI YOSHIO」といったファッションプロジェクトなどを展開してきました。

本講座では、「装いとアイデンティティ」をテーマに、これまでの実践をもとに多文化と交差する創作活動について紹介します。

【画像】
第2回の講師を勤める美術家の西尾美也さん(右)

2025年8月11日(月・祝)の最終回となる第3回は、本企画の主催者である〈KINOミーティング〉のメンバーが登場。「シネマポートレイト:撮る/撮られるから始まる関係」をテーマに、これまでに手がけてきた映像制作ワークショップの内容や、制作のなかで見えてきた多文化共生の可能性について、実例とともに振り返ります。

アクティビティや対話の時間も盛り込みながら、参加者と共にこれからの実践のヒントを探っていく予定です。

【画像】映像制作の現場の様子
第3回の講師を勤める〈KINOミーティング〉

3日間にわたるプログラムは、いずれか1回のみの参加も可能です。応募締切は、2025年7月27日(日) 23:59まで。なお、応募多数の場合は選考を行い、その際には全3回参加希望の方を優先します。また、応募状況により期日前に締め切る場合がありますので、気になる方はぜひ早めに応募してみてください。