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HIVをもっている人も、そうでない人も、私たちは一緒に生きている。「Living Together のど自慢」新宿2丁目で6月19日開催
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第58回のど自慢&akta活動報告会のチラシイメージ

「朗読」&「のど自慢」を通して、HIVについて考えるイベント

HIV感染予防の啓発やセクシュアルヘルスの情報を発信する〈NPO法人akta(アクタ)〉(東京都新宿区)が主催するイベント「Living Together のど自慢」が、2022年6月19日(日)に〈akta〉と同じく新宿2丁目にあるスナック〈九州男〉にて開催されます。

HIVをもっているひとも、そうじゃないひとも、まだよくわからないひとも、わたしたちはもうすでに、いっしょに生きている We’re already Living Together.

この言葉をコンセプトに、HIVやエイズの正しい知識を社会に広めながら、HIV陽性者も、そうではない人も、共に生きているというメッセージを伝えるべく、2006年から開催してきました。その実施回数は、2020年までの間に計57回。これまでの総来場者数は延べ2257名、スタッフ304名、そして711名が出演。さまざまな人が参加し、楽しい時間とともにHIVについて考える時間を共有してきました。

新型コロナウイルス感染症の蔓延により、この2年間はオンラインのみでの開催でしたが、2022年はリアル開催が決定! 同日の17〜18時は同会場にて〈akta〉の1年間の活動報告会も行われ、オンラインでも配信されます。

第58回のど自慢ちらし表のイメージ

「Living Together 計画」の手法を用いたイベント内容とは?

イベントの企画と司会進行は、パフォーマーでありドラァグクイーンのマダム ボンジュール・ジャンジさんが担当。新宿2丁目にゆかりのある人だけでなく、さまざまなセクシュアリティの人が参加してイベントを盛り上げ、手話通訳者による手話通訳も行われます。

出演者は、〈レインボーノッツ合同会社 / NPO法人Rainbow Soup〉の代表であり、SOGIE / LGBTQに関する情報発信と啓発活動に取り組む五十嵐ゆりさん、新宿のゲイバー〈野犬基地〉の店員・豪@セルライトさん、元NHKアナウンサーで、ASK認定依存症予防教育アドバイザーである塚本堅一さんの3名。

HIV陽性者やその周囲の人が書いた手記をそれぞれが選んで朗読し、その手記への感想や思いを語ります。その後、手記の内容に結びついた楽曲や、その人の十八番などをカラオケで披露。さらに、〈NPO法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス〉の代表理事である高久陽介さんと、ドラァグクイーンのバビ江ノビッチさんの2名のコメンテーターが、3名の出演者への感想をフィードバックします。

この手記の朗読の手法は「Living Together 計画」(〈NPO法人ぷれいす東京〉と〈NPO法人akta〉が呼びかけた団体)に基づくもの。HIVに感染した人、そのパートナーや家族などが心の内を綴った手記を第三者が朗読することで、多くの人が陽性者とその周辺の人たちのリアルな思いや体験に触れ、HIVをもっている人も、そうでない人も、すべての人が共に生きている事実を感じてもらうことを目的としています。

ところで、HIVやエイズについて正しい知識をもたずに、漠然と怖いイメージのままの人も多いのでは。現在は医療の進歩やさまざまな研究によって、適切な治療を行うことにより、症状をコントロールしながら仕事や日常生活を送ることができるようになりました。本イベントでは、感染症の専門家によるHIVの最新情報の提供も行われます。

さらに、参加者の交流を促すDJタイムや、2022年1月に急逝した〈NPO法人JaNP+〉の設立者で、〈NPO法人akta〉の監事でもあった長谷川博史さんの追悼メモリアルトークもお届けします。

第58回のど自慢ちらし裏のイメージ

セクシュアルヘルスの情報を発信する〈NPO法人akta〉

HIVの予防啓発と情報発信などを行う〈NPO法人akta〉。2003年にコミュニティセンターがオープンし、現在は厚生労働省委託事業(エイズ予防財団受託)として運営しています。

新宿2丁目にあるコミュニティセンター&フリースペース〈akta〉では、誰もが気軽にHIV関連の検査や予防、医療やサポートなどの情報に触れることができます。また、LGBTQ+関連の資料、本、雑誌、漫画などの閲覧、ゲイやバイセクシュアルなどセクシュアルマイノリティの施設やコミュニティ関連のフライヤー、街のマップなども充実。併設するフリースペースは、仕事、待ち合わせ、ランチを食べるなど、誰にでもひらかれています。

また、新宿2丁目のバーやクラブにHIV感染防止に効果の高いコンドームを配達するプロジェクト「DELIVERY BOYS」をはじめ、イベント、学習会、展覧会なども定期的に実施。これらの2021年の活動報告も、6月19日の「Living Together のど自慢」で共有されます。

カラフルな椅子やテーブルが並ぶコミュニティセンターaktaの施設内のイメージ画像
〈コミュニティセンターakta〉の施設内

「Living Together のど自慢」では、HIV感染への不安、検査への葛藤、陽性が判明したとき、または告知されたときの思いなど、陽性者やその周りの人たちの実体験がたっぷり語られます。今でこそ、それらの体験をオープンにしている人も、筆舌に尽くせぬ苦しみや悲しみがあったかもしれません。

そのようなHIV陽性者の声や実体験を可視化することで、HIVを自分ごととして身近に感じてもらい、自身の行動の振り返りや、予防行動・検査行動へつながっていくことが期待されています。またそれは、誰もが暮らしやすい社会や環境づくりにも寄与していくかもしれません。

イベントは無料で開催され、どなたでも参加することができます。ご興味のある方は、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょうか?